中国のAlibabaは直近の四半期決算でも低い成長となっているが、eコマース大企業である同社の新規分野で会社を成長させようという努力は実を結び始めた。
中国・杭州を拠点とするAlibabaの第3四半期売上高は170億ドルにのぼった。これは前年同期比41%増だったが、2016年初め以来最も低い伸びとなった。売上高は、同社の主力事業であるeコマース部門、それからKoubeiとEle.meにタッグを組ませて新しく構築したローカルサービス事業、そして軌道に乗りつつあるクラウド事業の成長が牽引した。Alibabaの取締役Joe Tsaiが今月語ったところによると、同社のクラウド事業は中国マーケットの半分以上を占めている。
Alibabaの主力事業であるeコマースの売上高は40%アップし、ローカルサービスを含む“新イニシアティブ”は73%の伸び、そしてクラウドは事業は84%成長した。コマース部門は、Alibabaが改良したユーザーお勧めシステムや検索エンジン、前四半期で立ち上げた機能が最終的に収益を上げ始めれば成長すると予想されている。Alibabaはそうした機能に関する正確なタイムラインはないとしたが、再設計はすでにユーザーの取り込みと購入を押し上げている。
Alibabaは昨年11月、中国国内の経済減速と米国との貿易摩擦により、年間売上高の予想を4〜6%下方修正した。にもかかわらず、Alibabaの経営陣は投資家に、客は消費額を増大させるとみられていて国内消費は堅調だ、Alibabaの事業は主に中国国内での売上に頼っているため米国との貿易摩擦の影響は限定的だ、と言い続けていた。
前四半期で注目すべきことの一つは、モバイル端末のAlibabaオンラインマーケットプレスに月間3300万人もの新規月間アクティブユーザーがあり、これにより全体の月間アクティブユーザーが6億9900万人だったことだ。新規ユーザーの多くは第3位以下の都市に住む人で、これはAlibabaが「初めての人、またはさほど頻繁に利用しないユーザーのためのよりシンプルなインターフェース」に取り組んだ結果だ。Alibabaは2面戦略で新たに数十億のインターネットユーザーの取り込みを長らく切望していた。商品の売り込みとは別にAlibabaはまた、農家が田舎の商品を中国全土の買い物客に売れるようにもした。
Alibabaの新規事業の開拓はなんとか収益を確保した。売上高費用率は52%で、昨年同期は42%だった。この増加はEle.meの合併、そしてAlibabaの積極的なオフライン拡大と直接輸入事業での棚卸し・ロジスティック費用、それからビデオストリーミング部門Youkuのオリジナルコンテンツとライセンスに関する支出によるものだ。
デジタルエンターテイメントはまだAlibabaの事業の中では活気のない部門で、対前年同期比20%の成長にとどまった。YoukuはAlibabaのライバルで、それぞれにストリーミングサービスを展開しているTencentとBaiduの攻撃を受けている。Youkuのデーリー加入者はこの四半期の間に64%増えたが、直近の正確なユーザーベースは明らかにしていない。TencentビデオとBaiduのiQiyiは最近、加入者は8000万人を超えたと発表している。
アップデート:タイトルが訂正された
(原文へ 翻訳:Mizoguchi)