CNNやBloombergも採用するコメントサービス「Disqus」の創業者がTechCrunch Tokyoで講演!

さて、またTechCrunch Tokyo 2013の登壇者が決定したのでお知らせしたい。スピーカーセッションを用意しているイベント2日目の11月12日には、Airbnb、TinderBitcasaWeeblyなどの創業者やCEOなどが登壇する予定だが、これに加えて、Disqusの創業者でCEOのDaniel Ha氏に来日して登壇いただけることになったのでお知らせしたい。いずれも成功しているか、注目株というシリコンバレーのスタートアップ企業だ。

2007年にY Combinatorから投資を受けてDaniel Ha氏らが創業したDisqusは、オンラインコメントサービスの老舗だ。ブログや商業メディアの外部コメントシステムとして、既存サイトに埋め込むことができる。WordPressやTumblrなら直ぐにDisqusをコメント欄として利用できるし、CNNやBloombergといった大手ニュースサイトもコメントシステムとして採用している。われわれTechCrunch JapanもDisqusを使っているので、使ったことのない読者は、是非下のコメント欄にヒトコト残してみてほしい。FacebookやTwitterのアカウントを使ってアカウントを作ることもできるし、メールアドレスによるアカウント作成もできる。いったんDisqusにアカウントを作れば、どこのサイトであってもDisqus採用のところならコメントを付けることができる、サイト横断的なコメントシステムだ。

Disqusは実はデカい。Disqusを採用したWebサイトへのトラフィックは、月間10億ユニークユーザーに達していて、毎月2000万件ものコメントが新たに生み出されている。アクティブなDisqusユーザーは約1億人で、各コメントへの投票(高評価、低評価など第三者がコメントを評価できる)も、月間8000万件にのぼるといい、「オンライン・コミュニティ」を作るプラットホームの最大手の1つだ。

記事や情報は簡単にコピーできる。しかし、その周辺にできるコミュニティはコピーできない。それがDisqusの主張の1つで、オンライン・メディアやオンライン・コミュニティの行方を占うという意味でも興味深い話だ。実際Disqusは、大手メディアとのパートナーシップで収益をあげており、多くのサイトで導入されている。2011年とやや古いデータだが、外部コメントシステムを導入しているサイトのうち75%がDisqusを利用しているという調査もある。

日本の場合、多くのニュースサイトはコメント欄が荒れているか、閉じられているかのいずれかだったりする。はてなブックマークのようなソーシャルブックマークサービスが流行した結果からか、あるいは対話や衝突を避ける国民性からか、サイト横断的に横串でアカウントと紐付くDisqusのようなコメントシステムは日本ではあまり導入が進んでいないようにも見える。ただ、荒れ果てて罵り合うばかりのYouTubeのコメント欄に業を煮やしたGoogleが、Google+(つまり実名)をYouTubeのコメント投稿に取り入れるという決定をしたのが象徴していると思うのだが、いずれパブリックなオンラインの対話は一定のアイデンティティと紐付いたものが主流になっていくだろうし、まだ伸びるジャンルだと思う。

最近は、コメント欄の代わりにTwitterのツイートや、Faceboookのコメント欄を入れることも増えているが、こうしたソーシャルメディアとDisqusの違いはいくつかある。1つは、サイト主側によるコメントのコントロールのやりやすさだ。Disqusではスパム判定やIPアドレスベースでの投稿禁止などきめ細かく管理ができる。それと、これは結構重要な点だが、DisqusのコメントはGoogleにインデックスされるのでSEO的に意味があるという違いもある。コメントを付けるユーザーの解析機能を提供することでメディアに付加価値を提供しているという側面もある。

コメント投稿者から見た場合、異なるサイトで横断して自分の投稿を一覧したり、返信をつけたりといった管理がやりやすいことも、Disqusのようなコメントシステムを利用するメリットだ。自分のコメントへの返信に気付かない、ということがない。Facebookがコメント欄を外部サイトで利用できるようにしたときに、DisqusやLiveFyre、IntenseDebateのようなコメントサービスは一掃されてしまうのかと騒がれたが、今のところそうはなっていない。むしろ、DisqusのCEOであるDaniel Ha氏は、Facebookが外部コメント市場に参入したことで、既存アイデンティティに紐付いたコメントシステムの必要性が一般に認知される効果があったと話している。まあ餅は餅屋ということかもしれない。

ともあれ、掲示板設置やチャットシステムをたくさん作っていた大学生が、ごくごくシンプルなコメントシステムからスタートして、億単位の人が触れるサービスを育て上げたという、そのサクセスストーリーを、DisqusのDaniel Ha氏には語ってもらえると思う。

さて、まだ登壇予定のスピーカーを全員お知らせできてはいないが、チケット販売は引き続き10月31日木曜日までは早期割引(通常価格1万5000円のところ1万円)が適用される。11月12日は火曜日の平日だが、多くの起業家やCEOたちを招いているので、ぜひ生の声を聞きにご来場頂ければと思う。

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投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。