GoogleやMacy’sなどとの提携を行ってきたリテール・アズ・ア・サービスのスタートアップ企業b8ta(ベータ)は、子ども向けのオモチャ市場に参入する。Toys “R” Usを所有するTru Kids Brandsとの合弁事業の一環として、b8taは、その体験型小売の専門性を、このオモチャ小売り業界の象徴的存在に投入する。双方の企業は、このベンチャーの50パーセントを所有する予定だ。
およそ8カ月から10カ月間、共同で事業を行ってきたb8taとTru Kids Brandsは、間もなくその成果を公表する。彼らが開発した新店舗では、映画館に、子どもたちが遊べるビデオゲームやツリーハウス、STEAM(科学、技術、工学、アート、数学)教育のワークショップなどが展開される予定だ。11月、ヒューストンとニュージャージーにオープンする最初の2店舗は、およそ180坪。これに約280坪の未来の未来の店舗が併設される。これまで親しまれてきたToys “R” Usの店舗はおよそ840坪の規模であったため、これに比べると、ずいぶん狭い。
b8taのソリューションは、精算、商品目録、POS、在庫管理、従業員のスケジューリングなどのためのソフトウエアとして、体験型小売店に物理的な形で現れる。そのためオモチャメーカーは、Toys “R” Usの店舗にてインタラクティブな形で製品を展示させる有償オプションを選択できるようになる。さらにこれらのメーカーは、店舗内の体験に加え、店舗で製品を購入するかオンラインで直接購入するかの選択肢を客に与えることができる。
「これは、b8taが磨いてきた体験型小売と、手を使った実体験を合体させるものとして、とても興味深く思っています」と、Tru Kids BrandsのCEO、リチャード・バリー(Richard Barry)氏はTechCrunchに語った。「製品の展示方法を決める権利をメーカーに与え、インターネットでの体験も提供します」。
この合弁事業は、昨年、アメリカでのToys “R” Usの営業停止の後、Tru Kids Brandsが2月に復活させると発表した後に始まった。b8taにすれば、経営に苦しむ小売店の中の隙間市場を発見したといったところだろう。昨年6月、Macy’sはb8taの少数株を取得し、その一部を同社の店舗の強化に振り向けた。それは、Macy’sが店舗の大量閉鎖を行っていた最中のことだった。
Toys “R” Usの事業は、子ども分野への事業拡大の機会だとb8taは見ている。
「憶えておいでかも知れませんが、私たちは、私たちのビジネスモデルとアプローチを、他の分野の店舗デザインに活かしたいと表明しました」と、b8taのCEOバイブー・ノービー(Vibhu Norby)氏はTechCrunchに話した。「昨年、私たちは子ども市場に大きな関心を持ちました。ほぼ同時期に、Toys “R” Usに関するニュースを聞き、面白いことになったと感じたのです」。
それからしばらく経ち、ノービーはバリーに紹介され、アメリカでToys “R” Usを運営する合弁事業のアイデアがまとまった。来年、彼らはアメリカ全国の人通りの多い場所にも新店舗を展開する予定だ。今日までにb8taは、Macy’s、Sound Ventures、Khosla Venturesなどから3900万ドル(約42億円)の資金を調達している。
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(翻訳:金井哲夫)