現在HTCは難しい状況にあるが、それでも同社には魅力的なチャンスがある。新CEOのYves Maitre(イヴ・メイトル)氏が数週間前のDisruptで私に対して認めたように、かつての強力なスマートフォンブランドだったHTCは、近年その勢いを失っている。しかし、暗号通貨スマートフォンのExodus(エクソダス)プロジェクトは、将来の可能性を垣間見せてくれた。
先週末にベルリンで開催されたLightningカンファレンスにてHTCはExodus 1sをローンチし、プロジェクトが一度限りでないことをしめした。この新デバイスは219ユーロ(約2万7000円)と廉価だ。この技術を試したい人にとっては悪くない値段設定だ。もちろん、前モデルと同じくさまざまな暗号通貨が利用できる。
スペック的には、見る点はない。プロセッサはSnapdragon 435でOSはAndroid 8.1、ディスプレイサイズは5.7インチ/HD+解像度、4GBのメモリーと64GBのストレージを搭載している。また、microUSBポートやヘッドホンジャックも備えられている。つまり、ローエンドスマートフォンということだ。
大きな違いは、ハードウェアウォレットとBitcoinノードへのアクセスが可能なことだ。HTCのPhil Chen(フィル・チェン)氏はリリースの中で、「我々はユーザーがプライベートキーを保存できるようにしたが、さらに一歩進んで、完全にBitcoinノードを実行できるようにした」と述べた。「私たちは普遍的なベーシックファイナンスへとアクセスするツールを提供する。ある意味、スイスの銀行をポケットに入れるための道具だ」。
メイトル氏は先週、これらのデバイスでのブロックチェーンの使用が主流になるのは、まだ2、3年先だと考えていると語った。そしてExodus 1sが提供するのは、廉価にブロックチェーン技術を提供する方法だ。ヨーロッパと台湾、サウジアラビア、アラブ首長国連邦では、10月20日から端末をオンラインで注文できる。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)