NASAとボーイングがStarliner宇宙船の発射台からの緊急脱出システムテストをライブ配信

NASAの商業乗員輸送プログラムに参加するBoeing(ボーイング)社は、早ければ来年にも米国の宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)へと輸送するために開発した新しい宇宙船「CST-100 Starliner」の重要なテストを、米国時間11月4日に実施する予定だ。

Starlinerは発射台からのアボート(緊急脱出)試験を実施予定で、打ち上げ前の万が一に備えて搭載したエンジンを使い、宇宙船をロケットから迅速に避難させるシステムを実証する。テストは米国東部標準時で午前9時(太平洋標準時で午前6時、日本時間午後11時)に開始され、テストのウィンドウ(実施予定時間)は3時間が設定されている。

予定では、ニューメキシコ州のホワイト・サンズ・ミサイル発射場の小型テスト発射台に設置されたStarlinerは、高度4500フィート(約1400m)に到達したのち、発射地点から約7000フィート(約2100m)離れた地点に着陸する。宇宙船のサービスモジュールとベース部分の熱シールドが宇宙船から分離し、カプセルはパラシュートで地上に降下し、エアバッグを展開して衝撃をさらに緩和する。下のアニメーションでは、テストの概要が確認できる。

このテストで重要なのは、完全に静止した状態から宇宙船がロケットを離れ、パラシュートを展開するのに十分な高度に到達する能力を実証することだ。NASAはBoeingとSpaceX(スペースX)に、宇宙飛行士が搭乗するミッションを開始する前に、発射台からの緊急脱出テストを成功させることを要求している。

民間乗員輸送計画のパートナーであるBoeingとSpaceXは、早ければ来年前半にも宇宙飛行士を搭乗させた宇宙船の打ち上げを予定している。NASAは2011年にスペースシャトル計画が終了して以来、宇宙飛行士の輸送をロシアのソユーズロケットに頼ってきたため、アメリカから打ち上げられるロケットで宇宙飛行士をISSに打ち上げる能力を再び得るために、両社と協力している。

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(翻訳:塚本直樹Twitter