オンデマンド自動車修理の「Wrench」が22億円を追加調達

Wrenchは、シアトル拠点のオンデマンド自動車修理・点検サービスで、消費者にも企業にも対応している。このほど新たな調達ラウンドで2000万ドル(約21億8500億円)を獲得した。ラウンドをリードしたのはVulcan Capitalで、ほかにMadrona Venture Group、Tenaya Capital、丸紅が参加した。

Wrenchは、これまで地域固定客中心だった業界に、ITを活用することで消費者にとって使いやすくて便利なビジネスモデルへを持ち込んだ会社のひとつだ。ほかにもオンデマンド燃料補給スタートアップのFilld、Yoshi、Booster Fuelsや、洗車サービスのSpiffy、Wype Washos、Washéなどが同様のビジネスモデルを採用している。

Wrenchは、自動車オーナーの説明に基づいて問題を特定する診断ソフトウェアや、ほとんどの修理点検作業を扱えるサービストラックを待機させておくことで、車のある場所に出向いて修理や保守サービスを行うことができる。

Daimler(ダイムラー)の支援を受けてロサンゼルスとサンフランシスコで類似サービスを展開しているライバルの RepairSmithも、同じビジネスモデルを採用している。

競合が激化する中、Wrenchが新たな市場を開拓するために追加資金を調達したのは当然だろう。同社は重要な人材獲得にもこの資金を使う予定だと言っている。

「忙しい消費者は、待たされることなく修理や保守サービスを受けられる便利な予約や診断システムを求めている」とCEOのEd Peterse氏が声明で語った。

Petersen氏によると、Wrenchはすでに約10万台にサービスを提供しており、同社のサービスには1万2000マイル(1万9000キロ)の保証と車両点検がついてくる。

「消費者は自分たちの生活を向上させてくれるオンデマンドサービスを活用している。WrenchのITを利用した修理・点検サービスは利用者の時間とお金を節約する。その結果高い満足度と生涯価値が生まれる」とVulcan Capitalのベンチャーキャピタル・ディレクターであるStuart Nagae(スチュアート・ナガエ)氏は語った。「2億7000万台以上の自動車がある米国には膨大なチャンスがある」。

既にWrenchは地域拡大の準備を始めていて、今年カナダの移動型自動車修理スタートアップであるFiixを買収している。同社は北米地区で8万人の利用者に修理サービスを提供している。

Wrenchは最初の調達ラウンドで400万ドルの資金を集めており、TechCrunchが2017年に報じた

関連記事:Wrench raises $4 million to bring auto repairs to your door

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。