Cloudflareがブラウザー隔離技術のS2 Systemsを買収

Webサイトのセキュリティと高効率稼働サービスを提供するCloudflare(クラウドフレア)が、元Microsoft(マイクロソフト)の役員たちが作ったブラウザー隔離サービスのS2 Systemsを買収したことを発表した。買収の価額などは、どちらからも公表されていない。

Cloudflareの共同創業者でCEOのMatthew Prince(マシュー・プリンス)氏によると、この買収でS2 Systemsのソフトウェアが同社の新しいプロダクトCloudflare for Teamsの一部になり、インターネット上の脅威から企業を保護する。特にS2 Systemsは、ブラウザーベースのコード攻撃を防止するソリューションを開発した。

プリンス氏によると、同社は以前からこのような技術をCloudflareのプロダクトに搭載することを検討していた。多くの企業と同様にCloudflareも、他社をパートナーとするか、自ら開発するか、買収するかを迷っていた。たまたまプリンス氏がS2 Systemsの創立メンバーに会って技術を試す機会があり、そのスピードと能力に感心した。

両社の相性も良いと思われたためCloudflareは買収を提案した。他にもS2 Systems買収に名乗りを上げている企業が数社あったが、最終的にS2 SystemsはCloudflareを選んだ。彼らはCloudflareのサービスが、世界中のインターネットユーザーの役に立つと感じていた。

プリンス氏は「彼らが来てくれたことはとてもうれしい。彼らの優れたブラウザー隔離技術と私たちのユビキタスなネットワークが一緒になれば、企業の社員保護のやり方が完全に一新され、長期的にはインターネットの閲覧の仕方が変わる。ローエンドのスマートフォンでもiPhoneの最新機種と同じようなインターネット体験ができるようになるだろう」と語る。

プリンス氏の発言は、Cloudflareは世界中の200都市をネットワークして、日々膨大な量の最適化とセキュリティのための処理を行なっているため、ネットワークの末端であるスマートフォンといったデバイスの処理負担が非常に軽くなる、という意味だ。

この買収は、それだけが独立したものではない。買収は同社の新プロダクト、Cloudflare for Teams発表の一環でもあり、その中でS2 Systemsによるブラウザー隔離やVPN、アイデンティティ保護などの総合的なセキュリティが提供される。

Cloudflare for TeamsのメインピースはCloudflare AccessとCloudflare Gatewayの2つだ。Cloudflare Accessはゼロトラストのアイデンティティおよびアクセス管理ツールで、全社員が自分のデバイス上でソフトウェアの最新アップデートを使っていることを確認し確実化する。

Cloudflare Gatewayはインターネットの脅威から企業や個人を護り、ここがS2 Systemsの出番でもある。3つのバージョンがあり、プレーンな「Gateway」にはDNSベースのフィルタリングと監査ログがある。「Gateway Pro」はインターネット上のすべてのトラフィックを保護する。そして「Gateway Enterprise」はデータの喪失を防ぎ、さらにS2 Systemsのブラウザー隔離機能がある。

S2 Systemsの買収は2019年12月31日に完了した。同社の社員10名はCloudflareのチームに加わり、ワシントン州カークランドに留まる(Cloudflareのオフィスになる)。買収前のS2 Systemsは、ステルスだった。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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