投資家のChamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏は、Facebook(フェイスブック)で財産の一部を形成した。同氏は4年以上副社長を務め、2012年のIPOの1年前に去った。
同氏は以前の雇用主について何度も懸念を表明してきた(The Verge記事)が、ユーザーが重要な情報を報告・拡散する上でフェイスブックが積極的な役割を果たしてきたとも考えている。例えばGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏の悲劇に多くの米国人が気づき、米国の他少なくとも12カ国の市民が人種差別に対する抗議活動を組織できたのは、ソーシャルメディアがあったからこそという部分もあるのではないかと語る。同氏が信じているのは、そうしたプラットフォームがなければ、米国では内戦が発生する可能性さえあるということだ。
だからといって、フェイスブックや他の巨大企業が規制からまったく自由でいられるわけではない。同氏は少なくともそう思っている。今朝のCB Insightsのイベントで同氏はフェイスブックについてこう発言した。「フェイスブックは解体されるのか。そうだと思う。各国政府はそれに続くか。もちろんだ」。
同氏がより具体的に予測するのは、フェイスブック、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)、Apple(アップル)がもはやリバイアサンとはいえない存在になるまで、世界中の規制当局は調査や罰金を続けるということだ。同氏は「まず課税され、次に信頼を失う」と述べた。
同氏はそうなるまでにそれほど長くはかからないと考えている。
投資家は現在、企業が大きく衰えることなく「長寿化」することで報われている一方、パリハピティヤ氏は「マージンに関しては、今後10年間、規制当局が自分たち望む方向に誘導するだろう。巨大インターネット企業は規制当局がやりたいこと、つまり権力を邪魔しているからだ。末端まで力と情報を行き渡らせるほど、規制当局の標的になりやすい」と語った。
同氏は、独占禁止法の規制対象にならなかった唯一の大手テクノロジー企業はMicrosoft(マイクロソフト)だが、同社も永遠に無傷ではいられないと示唆した。同社は2002年の同意判決後、商慣行の一部が制限された。2011年に期限切れになったが、パリハピティヤ氏は同社がひと息つく間を与えられているにすぎないと考えている。
興味深いことに、今後のフェイスブックの規模に関係なく、パリハピティヤ氏は「Twitter(ツイッター)という振り子が米国沿岸部の都市に振れると同時に、フェイスブックという振り子は米国中部へ振れる、つまりソーシャルメディア版Fox Newsのようなものになるだろうと考える」と述べた。「巨大プロダクトの中で起こっている人口統計学的セグメンテーションがすでに容易に見出せる」と同氏は述べた。
この傾向は最近特に顕著かもしれない。テクノロジー、ビジネス、文化が交差する論点をカバーするThe New York Times(ニューヨーク・タイムズ)のコラムニストであるKevin Roose(ケビン・ルーズ)氏は、フェイスブックにおける人気上位の投稿についてツイートすることがある。2020年6月17日の検索結果は、よくあることだが、保守的な人物やテーマに大きく偏っていた。
フェイスブックがこの比較にどう反応するかについてFTのインタビュアーであるRobin Wigglesworth(ロビン・ウィグルスワース)氏にしつこく聞かれ、パリハピティヤ氏はさまざまなプラットフォームに関して次のように述べた。「コンテンツは、それを利用する人の傾向を強める。あなたが今日、MSNBC、CBS、Fox Newsのどれを観るか選択するのと変わらない」。
画像クレジット:Michael Kovac / Getty Images for Vanity Fair / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)