SpaceXがまた打ち上げに成功した。今回はロッキード・マーティンとその顧客である韓国のミッションだ。積荷は韓国初の専用軍事通信衛星のANASIS-IIで、同国が国家安全保障に用いる。
ANASIS-IIを載せたFalcon 9は米国東部夏時間7月20日午後5時30分(日本時間21日午前6時30分)にフロリダ州ケープカナベラルから離昇した。使用した第1段ブースターロケットはSpaceXが過去2カ月以内に使用したもので、その時のDemo-2ミッションではNASA宇宙飛行士のBob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)氏を国際宇宙ステーションに運んだ。これはブースターロケットを回収して再利用するまでの時間の新記録だ(これまでの記録は2020年2月のStarlink第4回打ち上げに使用したブースターの63日)。
本日のブースターは前回の飛行からわずか51日しか過ぎておらず、2週間近く記録を更新した。この第1段ブースターが初めて使われたのは、SpaceX史上最も重要ともいえる、初めて人を乗せて打ち上げた日であったことを思うと、この記録はさらに印象的だ。ほんの数年前まで、SpaceXは大型の積荷に向けてブースターを構成することが多かった。今後の有人飛行のために、ブースターをさらに修理調整することが考えられる。
この打ち上げミッションでは、ブースター再突入の試みが行われ、大気圏に戻った後に燃焼制御を行ってSpaceXの回収船への軟着陸を目指した。これも予定通り進行したため、2回のミッションで飛行したこのブースターが再び飛び立つ可能性がある。SpaceXにとってこれが57回目のブースター着陸の成功だった。
さらに本日のミッションでは、打ち上げの際に衛星を保護するために用いられ積荷が宇宙に到達したあと切り離されるフェアリングの回収も行われた。SpaceXはこの部分をライブ中継しなかったが、状況の詳細は後ほど提供される予定だ。
搭載されたANASIS-IIが目標軌道に無事到達したことも確認された。