Apple(アップル)の製造請負パートナーであるFoxconn(フォックスコン)は、インドのチェンナイ近くの工場で最新モデルiPhone 11シリーズの組立を開始した。情報筋がTechCrunchに明らかにしている。
インドで製造されたiPhone 11の小ロットはすでに小売店に出荷されたが、製造量は限られていると情報筋はいう。この話は非公式であるため、情報筋は匿名を希望している。情報筋によると、アップルはインドでの生産増強に意欲的とのことだ。
アップルはほとんどのiPhoneシリーズを製造している中国への依存を減らす方法を模索しており、iPhone 11の現地生産は世界第2位のスマホ市場であるインドへのアップルのさらなるコミットメントを示している。
アップルの請負製造パートナーである台湾拠点のWistron(ウィストロン)は、2017年にiPhoneの組立を開始した。しかしこれまでアップルはインドでiPhone最新モデルを製造するパートナーを確保できていない。
過去にバンガロールで古い機種のiPhone SE、iPhone 6s、iPhone 7モデルを組み立てていたWistronは、現在インドでiPhone XRを組み立てている。アップルはiPhone SEとiPhone 6sの現地製造を2019年に取りやめた、と情報筋は語った。
インドの商工大臣であるPiyush Goyal(ピユシュ・ゴーヤル)氏は7月24日、アップルがインドでiPhone 11モデルの組立を開始した、とツイートした。
インドでスマホを組み立てると、アップルを含めスマホメーカーはインド政府が輸入電子機器に課している20%の輸入税を回避できる。
Xiaomi(シャオミ)、 Vivo(ビボ)、Samsung(サムスン)、Oppo(オッポ)、OnePlus(ワンプラス)、その他のスマホ企業は、インドで販売するスマホの大半を現地で生産するために近年インド各地の請負製造業者と提携している。
2018年後半からインド市場でトップシェアを握っているXiaomiは2020年7月初め、同国で販売するほぼすべてのスマホはインドで製造されていると述べた。
アップルは何年もインドでの生産を増強する方策を模索しているが、安全性と品質の基準を守れる請負製造業者探しが難航している。
ニュースメディアのThe Informationは2020年3月に、アップルの他の請負製造業者がインド参入または業務拡大を試みたが、規制や現地の法律の問題にぶつかったと報じた。Bloombergによると、アップルの別の組立パートナーのPegatron(ペガトロン)はインドに子会社を置いてオペレーションを開始する計画だ。
ロイターが2020年7月初めに報じたところでは、インドを最大のマーケットの1つとみなしているFoxconnは同国でのオペレーションに10億ドル(約1060億円)を投資する計画だ。インド政府は2020年6月にトップのスマホ製造業者を呼び込む66億ドル(約7000億円)の計画を発表した。
アップルはインドで数カ月内にオンラインストアを立ち上げ、2021年には初の販売店舗をオープンさせる計画だとCEOのTim Cook(ティム・クック)氏は2020年初めに発表した。パンデミックにも関わらずインドでのオンラインストア立ち上げは予定通りだと情報筋は話している。
インドのスマホ市場でのアップルのシェアは約1%だが、端末価格400ドル(約4万2000円)以上の高級スマホ部門を支配している1社だ。同社はまた、インドにおいて新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響を最も受けていないスマホメーカーでもある。
画像クレジット:TechCrunch