Google Cloud Platformがアマゾンを抜きオンライン小売業におけるクラウドインフラストラクチャのトッププロバイダーに

Google Cloud Platform(グーグル・クラウド・プラットフォーム、GCP)は、昨年来勢いを増しているものの、クラウドインフラストラクチャ市場では、AmazonとMicrosoftに大きく引き離された第3位(未訳記事)の地位にまだ留まっている。しかしGoogle(グーグル)にとって喜ばしいことに、調査会社Canalysが米国時間8月17日に公開したレポートによれば、GCPが小売業界におけるクラウドプラットフォームプロバイダーとして、トップの座についたという。

Canalysは具体的な数値を提供していないが、そのレポートによれば、小売セクター全体の市場での順位は、Microsoft(マイクロソフト)が2位、Amazon(アマゾン)が3位、そしてAlibaba(アリババ)とIBMがそれぞれ4位と5位と報告されている。

画像クレジット:Canalys

グーグルが小売に注力したのはおそらく偶然ではない。そもそもAmazon.comが小売業者たちと直接競合するため、多くの小売業者はAWSにクラウドの主力を置くことを望んでいない。CRM Essentialsの創業者で主任アナリストであるBrent Leary(ブレント・リアリー)氏は、このレポートは彼を驚かせるものではないと語っている。

「小売業者はアマゾンと競争する必要があります。AWSを使うことで、最終的には彼らの敵となりかねないアマゾンの新しい動きや実験に資金を提供することは、小売業者が最も避けたいことだと思います」とリアリー氏はTechCrunchにいう。さらに彼は、多くの小売業者は自分の顧客データをアマゾンのサービス上から除外しておきたいだろうとも語った。

CanalysのシニアディレクターであるAlex Smith(アレックス・スミス)氏は、このアマゾン効果がパンデミックやその他の技術的要因と組み合わされて、少なくとも小売業界においてはグーグルに有利に働いていると述べている。「これまで以上に小売業者は、特にアマゾンがオンラインで優勢な中で、オムニチャネル世界での勝利をつかむために独自のデジタル戦略を必要としているのです。デジタルは顧客体験からコスト最適化に至るまで、あらゆるところに適用されています。小売業者にとって、自身の全体的な技術的能力がその成功を左右するのです」と彼は語る。

新型コロナウィルス(COVID-19)により、多くの小売業者が長期間にわたる店舗を閉鎖を余儀なくされてきた。これが店舗を再開しても店内に入ることに消極的である人びとと組み合わさることで、これまでオンラインに注力していなかった小売業者は、eコマースを短期集中で立ち上げる必要に迫られることになったのだ。

Canalysは、グーグルが純粋なインフラストラクチャ製品だけでなく、広告や検索機能で顧客を魅了し、他の強みも利用してこの市場セグメントを拡大しているのだと指摘している。

こうした状況を認識したグーグルが、Salesforce(セールスフォース)との大規模なパートナーシップや、2019年のGoogle Cloud Nextで発表された特定の製品などで、小売業界を強力にプッシュを行ってきたのだ。私たちはその小売業向けの製品について次のように書いている

そのためにグーグルは、オンラインのリテイラー専用のサービスeCommerce Hostingを提供する。この特別プログラムでリテイラーは、技術的なレビューやピーク時のオペレーションのサポートなど、行き届いた世話をしてもらえるという。つまり小売企業のサイトが需要増でダウンしたときでも、損失の大きい惨憺たる結果が出ないようにする。

さらにCanalysは、Google Cloudは人材採用も積極的に行い、大手システムインテグレーターとのパートナーシップを構築して小売ビジネスの成長を支援していると報告している。そうした小売顧客には、Home Depot(ホーム・デポ)、Kohl’s(コールズ)、Costco(コストコ)、Best Buy(ベスト・バイ)などが含まれる。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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