今年のTechCrunch DisruptでのStartup Battlefield(スタートアップバトルフィールド)コンテストは、応募者からすれば今までにない激戦となるだろう。Cloudflare(クラウドフレア)、 Dropbox(ドロップボックス)、Vurb(バーブ)、Mint(ミント)、 GetAround(ゲットアラウンド)、Fitbit(フィットビット)、Yammer(ヤマー)などの何年にもわたり舞台に上がっている革新的なブランドを考慮してもこれは事実と言える。Startup Battlefieldの参加者は、投資家から合計90憶ドル(約9535億円)を調達し、これまでのTechCrunch Disruptの歴史10年目にして、115のイグジットを達成させている。
これは誇りとなる記録であり、今後も維持していきたい。よって、適切な審査員を選ぶことが重要となる。そのため、今年のStartup Battlefieldの審査員に選ばれた5人をここで特集できることは光栄である。5人の審査員は、それぞれ異なるスキルと専門知識を有しているが、彼ら全員が誰もが切望するStartup Battlefieldの優勝者を決定するキーパーソンとなる。
ニュージーランド出身のLaura Deming(ローラ・デミング)氏は、自宅で教育を受け、数学と物理学に没頭し、老化生物学に深い関心を持つ。実際彼女は人生の終幕に夢中になるあまり、11歳の時に憧れの生物学者であるCynthia Kenyon(シンシア・ケニヨン)氏に手紙を書き、家族旅行中にサンフランシスコの研究所に伺ってもいいか尋ねている。ケニヨン氏は快諾し、最終的には、デミング氏を現在の姿であるベンチャーキャピタリストとしての道に導いた。デミング氏は長寿と生物学的研究に励み、老化の影響の低減または逆転に貢献している。膝関節症治療法を開発したUnity Biotechnology(ユニティー・バイオテクノロジー)と犬の延命に焦点を置くCelevity(セレビティー)は、前Thiel Fellow(ティール・フェロー)のポートフォリオでの唯一の有望株だ。
Frederik Groce(フレデリク・グロース)氏は、ベイエリアで育ち、スタンフォードで政治学を学んだ後、Storm Ventures(ストーム・ベンチャー)で投資家となった。その後すぐに、黒人ベンチャーキャピタリストを結び付け、助け合い、前進させるために組織されたBLCK VCを共同設立した。グロース氏は、Storm(ストーム)入社前に2年ほど、Stanford Student Enterprises(スタンドフォード・スチューデント・エンタープライズ)で、CEO兼財務マネージャーとして勤務している。これは、少数の企業を監督するスタンドフォートの学生が学生のために運営する非営利団体で、アクセラレータープログラムやコンサルティングループも含まれている。現在同氏は、Stormの代表としてルームメイトと一緒に、不動産マッチングプラットフォームであるRoom8(ルーム8)など様々な企業に関与している。また同氏は、恵まれないコミュニティ出身の少数派の大学生が働く、East Bay College Fund(イーストベイカレッジファンド)のメンターとしての顔も持つ。
Amish Jani(アミッシュ・ジャニ)氏は、20年近くVCとして働いており、Pequot Ventures(ピクォートベンチャー)で8年勤務した後、2008年に、ニューヨークでFirstMark(ファーストマーク)を共同設立した。同氏は、SaaSアプリケーション、eコマース企業、インフラストラクチャーのスタートアップ企業の主要取引を含む、クラウドとインターネット全体に多大な投資を行っている。彼にとって最も利益の出た取引のひとつは、おそらくShopify(ショピファイ)だろう。同社は時価総額1300憶ドル(約14兆円)に上る現在カナダで最も価値のある企業だ。2004年に設立され、2015年に上場したが、これは、AラウンドとBラウンドそして会社最後の自己投資イベントであるCラウンドにいたFirstMark(ファーストマーク)とジャニ氏を含む4つのベンチャーラウンドが上がった後だった。
マラソン選手でもあるJessica Verrilli(ジェシカ・ヴェリーリ)氏は、Digits(デジット)、Lambda School(ラムダスクール)そしてThe Wing(ザ・ウィング)などで役員を務める投資家兼運営者だ。同氏は、過去2年半GVのジェネラルパートナーだった。以前はTwitter(ツイッター)でキャリアを積み、同じくTwitterで一緒に勤務していた5人の女性と投資団体である#ANGELS(#エンジェルズ)を共同設立した。 また、Twitter時代は10年近くかけて、スタートアップからソーシャルメディア大手になるまで、企業開発および戦略のVPとしてTwitterを成長させた(同氏は、Vine(ヴァイン)、Periscope(ペリスコープ)そしてTweetdeck(ツイートデック)の買収を監督した)。#ANGELSの共同設立者の中には、現在は自身の投資を管理しているKatie Jacobs Stanton(ケイティ・ジャコブス・スタントン)氏と2018年後半にパートナーとしてLightspeed Venture Partners(ライトスピードベンチャーパートナーズ)に参加したJana Messerschmidt(ジャナ・メッセルシュミット)氏がいる。
最後に、今年は2016年からパートナーとして大手ベンチャー企業であるNEAに勤務しているVanessa Larco(ヴァネッサ・ラルコ)氏も迎える予定だ。ラルコ氏は、Microsoft(マイクロソフト)でプログラムマネージャーとして勤務した後、Box(ボックス)で製品管理のディレクターとして就任した。Microsoftでは、Xbox Kinect v1の音声認識エクスペリエンスチームを先導した。ジョージア工科大学の卒業生は、彼女の設計と分析に対する情熱は、ゲーム業界と生産性アプリ両方に費やされた日々の賜物だと声をそろえる。確かに同氏は、Cleo(クレオ)、Rocket.Chat(ロケット.チャット)、Mejuri(メジュリ)、EvidentID(エビデントID)、Greenlight Card(グリーティングライトカード)、Feather(フェザー)、Lily AI(リリーAI)などの有望株に積極的に投資している(同氏は、Robinhood(ロビンフット)、Willow Pump(ウィローパンプ)、Forethought AI(フォアソートAI)、そしてOmniSci(オムニサイ)のボードオブザーバーである)。
審査員としてこれ以上の適材はいないだろう。今年必見のイベントに彼らを審査員として迎え入れることを非常にうれしく思う。
Disrupt 2020は日本時間9月15日〜19日まで開催され、今年はバーチャルで行われる。
Digital Pro Pass、またはDigital Startup Alley Exhibitor Packageを購入して、是非最前列でStartup Battlefieldコンテストをご覧いただきたい。他の登壇者情報など、イベントの詳細は以下の特設ページで確認できる。なお、同ページを経由してチケットを購入すると5%の割引が適用されるので、ぜひ活用いただきたい。