Nikolaの会長スティーブ・ガースキー氏が輸送関連への投資を検討

Steve Girsky(スティーブ・ガースキー氏)が自動運転トラックのスタートアップであるTuSimple(ツーシンプル)に投資する交渉を進めていると4人の関係者が明かした。同氏はGMの元副会長であり、現在はコンサルタントで投資家だ。同氏の特別目的買収会社(SPAC)はこの夏、水素燃料電池のスタートアップであるNikola(ニコラ)と合併した。

取引が成立していないため匿名を希望した情報筋によると、ガースキー氏がマネージングパートナーのMary Chan(メアリー・チャン)氏と共同で経営するコンサルティングおよび投資会社であるVectoIQ LLC(ベクトルQ LLC)が出資する。取引は早ければ10月中旬に完了する可能性がある。

TuSimpleとガースキー氏はコメントを控えた。

TuSimpleが資金を求めていることはよく知られている。TechCrunchは6月、TuSimpleが投資家から2億5000万ドル(約270億円)の調達を模索していると報じた。この動きに詳しい複数の情報筋によると、同社は資金調達のため投資銀行であるモルガンスタンレーを雇った。すでにSina、UPS、ティア1サプライヤーのMando Corp.から投資を受けていたが、さらにNavistarと、最近ではTraton Groupとの提携を発表した。

ガースキー氏は最近、Nikola絡みで見出しを飾った。同氏は今やNikolaの会長だ。同社は空売り会社のHindenburg Research(ヒンデンブルク・リサーチ)の痛烈なレポートで詐欺だと非難され、打撃を受けたNikolaの創業者のTrevor Milton(トレヴァー・ミルトン)氏は辞任し、その後ガースキー氏が9月に会長に就任した。2018年にガースキー氏が設立したSPACであるVectoIQ Acquisition Corp.は3月にNikolaとの合併を発表し、同氏が6月に上場を指揮した。取引に詳しい情報筋によると、ガースキー氏は元上司であるGMのCEO兼会長だったMary Barra(メアリー・バーラ)をNikolaに紹介した。9月中旬までにGMはNikolaとの20億ドル(約2100億円)相当の提携を発表した。

ガースキー氏はもうすぐNikolaの新会長に就任する。経営幹部の経験は確かにあるが、近年の活動は、アドバイザー、投資家、仲介役が中心だった。同氏は長い間、モビリティ関連の企業に関心を持っていた。自身の会社であるVectoIQ LLCは、企業への助言や、自動運転車技術、電化、コネクテッド、サイバーセキュリティー、Mobility-as-a-service(サービスとしてのモビリティ)に取り組むスタートアップと大企業を結びつけることを専門としていた。

VectoIQは、LiDAR(ライダー、光を用いたリモートセンシング技術)のスタートアップであるLuminar(ルミナー)に投資した。Luminarは、SPACであるGores Metropoulos Inc.と合併し、合併後の市場評価額34億ドル(約3570億円)で上場すると発表した。ガースキー氏はまた、自動運転車のスタートアップであるDrive.ai(ドライブai)の取締役会にも名を連ねている。Drive.aiは解散を検討していたところをApple(アップル)に買収された

情報筋によると、TuSimpleへのガースキー氏の投資は、クラス8(大型)トラックの生産をまだ開始していないNikolへの関心とは別モノだ。

2015年に発売され、中国、サンディエゴ、アリゾナ州ツーソンで事業を展開するTuSimpleは、クラス8のトラックが人間の運転手なしで動く自動運転車両技術に力を入れている。TuSimpleは米国で40台の自動運転トラックを運行しており、テストのほか、アリゾナ・テキサス間の貨物輸送に使用している。

TuSimpleは、Navistar(ナビスター)と提携し、2024年までに自動セミトラックトレーラーの開発・生産を開始する計画を7月に発表した。Volkswagen AG(フォルクスワーゲンAG)の大型トラック事業であるTraton Group(トラトングループ)は9月、自動運転トラックを開発するためのTuSimpleとの合意の一環としてTuSimpleの少数株主持ち分を取得したと語った。いずれの会社も提携の金銭的条件や少数株主の割合は明らかにしていない。取引に詳しい匿名の情報筋によるとTratonはTuSimpleへ直接投資をしたようだ。現物出資が含まれているかどうかは不明だ。

画像クレジット:TuSimple

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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