Netflixはストリーミング中のミニシリーズ「The Queen’s Gambit(クイーンズ・ギャンビット)」がビューポイント数でこれまでの新記録となったことを明らかにした。
TechCrunchでも傑作と評価した「クイーンズ・ギャンビット」はリリース後28日間でビューポイントは6200万世帯(ユーザー)を獲得し、Netflixの「脚本あり」のミニシリーズとしてこれまでで最も人気のある作品となった。なおここでいう「ビューポイント」はNetflixが今年、2020年にリリースした他の視聴データと同様、「視聴することを選択した」人の数だ。つまりある番組、映画が最低2分以上視聴された数を表している。
ただしいくつかの限定に注意する必要がある。「クイーンズ・ギャンビット」は、共同制作者のScott Frank(スコット・フランク)が以前に製作した「Godless(ゴッドレス – 神の消えた町 -)」などのミニシリーズには勝ったが、「The Witcher(ウィッチャー)」のシーズン1のビューポイント、7600万世帯には及ばなかった。また最初の4週間で6400万世帯を得たミニシリーズとしてはセミドキュメンタリーの「Tiger King(タイガーキング)」がわずかに上回っている(未訳記事)。
「クイーンズ・ギャンビット」では依存症などの問題を抱えた若い女性が冷戦時代の競技チェスという男性社会で激しい競争を勝ち抜き、ついにソ連の世界チャンピオンに挑戦する。このプロットは当初どう考えても商業的に大ヒットしそうなものとは思えなかった。ところが、辛口な評価で知られるRotten Tomatoes(ロッテン・トマト)が100%と評価するなど、まずレビューで圧倒的な好評を得た。これが強い追い風となったと思われる。
実際、「クイーンズ・ギャンビット」ブームの影響はNetflixのビューポイント以外にも現れている。原作のWalter Tevis(ウォルター・テビス)の小説がThe New York Timesのベストセラーリスト入りしただけでなく、チェスのセットの売り上げが急増(The New York Times記事)した。
Netflixのオリジナルシリーズ担当副社長であるPeter Friedlander(ピーター・フリードランダー)氏はブログにこう書いている。
3年前、チェスの天才少女をテーマにしたウォルター・テビスの1983年の小説を脚色するアイデアを最初に私たちに売り込んだのは(プロデューサーの)スコット・フランクだった。我々はこれが説得力のあるストーリーになると直感した。主人公のベスは薬物依存、メンタルの喪失感と混乱に直面している欠点だらけのキャラクターだが予想外の成功を収めていく。我々は忍耐と集中、家族と友人の支援、自分自身に忠実であり続けることといった価値の重要性を描きたかった。
関連記事
・Netflixで配信中のチェス・ドラマの大傑作「クイーンズ・ギャンビット」
・Netflixの2019年Q4における有料会員数は予想を上回る880万人増
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Netflix
画像:Phil Bray / Netflix
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook)