親トランプ派の暴徒が米議会議事堂を襲撃した日、心配したひとりのGitHubの社員がワシントンD.C.エリアの同僚に気をつけるよう警告した。
社内のSlack上で「みんな気をつけてくれ、ナチスが動き回ってるぞ」というコメントをした後、同僚のひとりが不愉快に感じ、そのような暴言は仕事場にそぐわない、と言ってきたという。2日後、彼は解雇され、人事担当者は解雇の理由として「会社の方針を助長しない行動パターン」を挙げた、と彼はTechCrunchに話した。
TechCrunchのインタビューに対し、「元」従業員となった彼は、ユダヤ人の家族に加えて、地域の同僚たちのことを純粋に心配していたと語った。
TechCrunchは、解雇された従業員の身元については、彼とその家族の安全を懸念して明かさないことに同意した。
Business Insiderが最初に報じたように、彼の解雇は、他の従業員たちがGitHubに白人至上主義とナチスを糾弾するよう求める社内文書を回覧することにつながった。従業員たちはまた、彼の解雇についての説明を求めた。その結果、GitHubのCEOであるNat Friedman(ナット・フリードマン)氏は、それらの従業員に対して、同社は問題になっている解雇について調査していくと述べた。
解雇された従業員は現在、彼の家族の安全を守るために弁護士を探しているところだといい、損害賠償や和解の方法を模索しているという。解雇された従業員によると、GitHubは内部調査のために彼に協力を求めているが、弁護人を得るまでは会社との交渉を待っているとのこと。
それでも、調査については楽観視していないという。
「誠実ではないと90%確信している」と、解雇された従業員はフリードマン氏の対応について語った。「この手の話は以前にもありました。ICE(米移民税関捜査局)の件でも、会社は『大いに意見交換をしましょう』と言ったのに、ICEのことを発言すると解雇されてしまうのです。以前はこの会社を信じていましたが、今は信じていません」。
一部の従業員が求めていることと同様に、解雇されたこの従業員は、これをGitHubが白人至上主義に対してスタンスを取るチャンスだと捉えている。
彼は、「これはGitHubが本当に(過激派を)一掃して、『この会社には白人至上主義者が必要なのか、どうすれば黒人のリーダーを経営陣に入れることができるのか』と言う機会になり得ると思います」と述べている。
後者の点は、彼がGitHubに入社したときから求めていたことだという。しかし、リーダーシップレベルでの多様性の欠如について発言し続けているうちに、彼は自分の仕事が危険にさらされていることに気づいたという。
「そのことを話し続けていたら、10月にはクビになると脅されました」と彼は語る。「私がセールスチームに有色人種が2人しかいないことを指摘したときには、上司の2人とも完全に私を弁護してくれ、彼らが会社に対し私を解雇しないよう懇願しなければなりませんでした」。
【米国時間1月16日更新】解雇されたGitHubberはその後、彼が意味していたのはセールスチーム全体ではなく、セールスリーダーシップチームであることを明確にした。
この記事の内容についてのTechCrunchの取材に対し、GitHubの広報担当者は次のように述べている。
「当社はこの種の苦情はすべて真摯に受け止めます。現在、積極的に調査を行っています」。
元従業員によると、会社は2給与期間分の報酬を彼に渡し、解雇したとのこと。彼は、損害賠償や医療費の補償など、何らかの形での和解に応じると言っている。彼は復職を望んでいるわけではないが、GitHub従業員の権限が増すのを願っているという。
「もし魔法のつえがあるとしたら、GitHubの従業員が組合を持ち、周縁化されたコミュニティの人々を代弁してくれるようになるといいですね」と彼は語った。
【米国時間1月17日更新】GitHubは1月17日朝、新たにTwitterと同社ブログ上で声明を発表し、次のように述べて「離職」を取り消すとともに、人事部長が辞任した。
「先日の従業員の離職で、判断や手続きに重大な誤りが見つかりました。離職を取り消すとともに、人事部長が個人的な責任を取り、GitHub を辞任しました。従業員の皆様に心からお詫び申し上げます」。
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(翻訳:Nakazato)