ドバイを拠点とするサイバーセキュリティのスタートアップSpiderSilkは、VC企業のGlobal VenturesとSTVが主導するプレシリーズAラウンドで225万ドル(約2億3000万円)を調達した。
過去2年間でSpiderSilkは、いくつかの大規模なデータ漏洩を発見してきた。シリコンバレーの従業員の個人的な苦情を暴露した匿名のはずだったSNSのBlind、非常に機密性の高いSamsung(サムスン)のソースコードが流出したラボ、不注意に公開されたコードリポジトリから、物議を醸している顔認識スタートアップClearview AIのアプリ、コード、マンションの監視カメラ映像が流出したこと、そして現在は機能していないMoviePassのサイトから暗号化されていない顧客のクレジットカード番号が大量に流出したことが、すでに苦境に立たされていたサブスクリプションサービスにとって、とどめとなった可能性もある。
SpiderSilkの共同設立者兼最高セキュリティ責任者であるMossab Hussein(モサブ・フセイン)氏は、これらの発見の多くは同社独自のインターネットスキャナから発見されたものだとTechCrunchに語っている。
どんな企業でもデータをロックダウンしたいものだが、ミスは起こるし、設定を誤ると企業内の機密データがインターネットからアクセスできる状態になってしまうこともある。SpiderSilkは、露出されるべきではないが意図せず公開しているものを探すことで、顧客が自らの攻撃対象領域を把握するのを支援している。
同社は、独自のスキャナーを使って企業の資産や攻撃対象領域をマップ化し、脆弱性やデータの流出を検出するほか、サイバー攻撃のシミュレーションを行い、顧客が自社の防御のどこに脆弱性があるのかを理解できるようにする。
「当社が構築した攻撃対象領域管理および脅威検出プラットフォームは、オープンインターネットを継続的にスキャンし、公開されているすべてのアセットを、直接または間接的に影響を受ける可能性のある組織にさかのぼって特定します」と、SpiderSilkの共同設立者兼CEOのRami El Malak(ラミ・エル・マラク)氏はTechCrunchに語った。「その結果、このプラットフォームは定期的に悪用を発見しており、インフラの可視化の盲点と無縁でいられる組織はないことを浮き彫りにしています」。
エル・マラク氏によると、今回の資金調達は、セキュリティ、エンジニアリング、データサイエンスのチーム、およびマーケティングと販売の強化に役立つとのこと。同氏は、同社は営業チームとエンジニアリングチームとともに北米にも進出していると述べている。
同社にとって今回のラウンドは2019年11月の50万ドル(約5200万円)のシードラウンドに続く2回目の資金調達で、その際も同じくGlobal Venturesと複数のエンジェル投資家が主導した。
Global VenturesのゼネラルパートナーであるBasil Moftah(バジル・モフター)氏はこう述べている。「SpiderSilk社のチームは、これまでになく複雑化しているサイバーセキュリティの世界において重要な問題を解決し、増大する悪質な活動の脅威から、オンライン上の企業を守ってくれる極めて優れたパートナーです」。
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カテゴリー:セキュリティ
タグ:資金調達
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(翻訳:Nakazato)