Apple(アップル)は、ウェブブラウザChromeの拡張機能「iCloudパスワード」を米国で公開した。これは、WindowsパソコンとMacBookやiPhoneなどのAppleデバイスの両方を使っている人の人生を楽にしてくれるものだ。この新しいブラウザ拡張機能は、Safariに保存したパスワードを他のAppleデバイスからアクセスできるように、さらにWindowsを使ってるときはChromeでも利用できるようにしてくれる。
また、Chromeで設定した新しいパスワードをiCloudキーチェーンに保存できるため、Appleデバイス間でもパスワードが同期される。
このiCloudパスワード拡張機能に関して、Appleは事前に正式発表していなかったが2021年1月末に公開されたWindows10用iCloud(ver.12)に関する広報資料ではすでに触れられていた。これまでも更新を行うと、iCloudキーチェーンのロゴで示される「パスワード」セクションが現れた。ここからこの新拡張機能をダウンロードすることになっているのだが、サービスの運用開始以前はリンクが切れていた。
9to5Googleの報告によると、それが1月31日の日曜日から使用可能となり、その日の夕方にはChromeウェブストアで新アドオンが公開されたという。現在は、Windowsでこの新しいパスワードセクションにアクセスすれば、ダウンロードを促すダイヤログボックスが表示され、正常に機能する。
インストールを行えば、Windows版Chromeのユーザーは、macOSまたはiOSのSafariに保存したパスワード、iCloudキーチェーンで生成された安全なパスワードのすべてにアクセスが可能になる。反対に、Windowsで作った新しいパスワードもiCloudキーチェーンに同期されるので、必要ならばMac、iPhone、iPadからもアクセスできる。
これは、WindowsでiCloudキーチェーンに対応する初めてのChrome拡張機能だ。これまでAppleが提供していたのは、Windows7と8用のiCloudブックマークのみだが、利用者数は700万人以上にのぼっていた。
この拡張機能を試したユーザーの中には不具合を訴える者もいたが、原因は同機能を使うための必要条件であるWindows用iCloud 12.0への更新を怠っていたためと思われる。
Appleは自社のプラットフォームにユーザーを囲い込みたがる傾向にあるが、少しずつながらWindowsや、さらにはAndroidにも一部のサービスを広げている。今ではApple MusicやApple TVといったエンターテインメントアプリも、Androidを含む他のプラットフォームに提供している。Apple TVなどは、Amazon Fire TVをはじめとするライバルのメディアプレイヤー上でのサービスも開始している。9to5Macは、Appleは将来、Apple MusicとPodcastをMicrosoft Storeで展開する予定だとも伝えている。
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タグ:Apple、Chrome、iCloud
画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch
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(文:Sarah Perez、翻訳:金井哲夫)