Reduct.Videoは、企業が制作するビデオの量を劇的に増やしたいと考えている。
ReductのテクノロジーはすでにIntuit、Autodesk、Facebook、Dell、Spotify、Indeed、Superhuman、IDEOなどに使われている。米国時間2月11日、同社は400万ドル(約4億2000万円)を調達したと発表した。このラウンドを主導したのはGreylockとSouth Park Commonsで、FigmaのCEOであるDylan Field(ディラン・フィールド)氏、Hopinの最高業務責任者であるArmando Mann(アルマンド・マン)氏、Twitterの幹部だったElad Gil(エラッド・ギル)氏が参加した。
ReductはCEOのPabhas Pokharel(パバス・ポカレル)氏とCTOのRobert Ochshorn(ロバート・オックスホーン)氏が創業した(上の写真の2人)。ポカレル氏は、コンシューマ向けとしてはストリーミングビデオプラットフォームやソーシャルメディアアプリが激増しているのに、ビジネスではビデオはまだ「十分に活用されていない」、その理由は単にビデオ素材を整理する作業に時間がかかり、見るにたえるビデオになるように編集する時間も必要だからだと説明する。
ポカレル氏は筆者にデモを見せてくれた。ReductはAIや自然言語処理などのテクノロジーを使って自動でビデオ素材の文字起こしをしてその文章をビデオに関連づけ、編集作業を合理化する(文字起こしは有料でプロに依頼することもできる)。
「ここからが魔法です。文字起こしが完了すると、単語の1つひとつがビデオの(対応する)タイミングに関連づけられるのです」(ポカレル氏)。
このため、テキスト編集のように簡単にビデオを編集することができる(筆者はテキストとメディアの同様の関連づけをOtterで利用しているが、Otterはオーディオに特化されていて、どちらかというと文字起こしツールとして使ってきた)。何時間にもわたるビデオ素材全体の中からあるトピックについて言及された場面を検索し、整理し、タグづけし共有することもできる。
ポカレル氏は、AIが複数の検索語句の関連を理解するなどの役割を果たすため整理と編集の作業が簡単になっていると述べた。しかし同氏は作業が完全に自動化されるとは考えていない。同氏はReductを「アイアンマンのスーツ」のようなものだという。人間の編集者のパワーが増すということだ。
さらに同氏は、このようなアプローチによってビデオを短時間で簡単に編集できるだけでなく、ビデオに対する企業の見方が変わることを示唆した。
同氏は「Reductのユーザーは洗練よりも信頼性を重視します。ビデオの内容が重要なのです」と述べ、Reductで何ができるかを「顧客から学んでいる」とも語った。自社ユーザーの調査に使う人々は何百時間ものユーザーの映像を簡単に整理して共有し、マーケッターは顧客からの推薦の言葉やウェビナーを短くて共有しやすいビデオにすることができる。
ポカレル氏は話を続け、「ビデオの供給は限られているのは、おかしな状況です。非同期のビデオには(企業が)これまで意識していなかった活用方法がたくさんあります」と述べた。
同氏はある顧客の話を思い出して、活用例として語った。その顧客は、聞くべき部分が2分間しかない会議であっても出席するようにとチームメンバーに指示していたという。Reductの導入により「チームメンバーにその時間を返し」て、必要な部分だけを共有できるようになったという。
カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Reduct.Video、資金調達、動画編集
画像クレジット:Reduct.Video
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(文:Anthony Ha、翻訳:Kaori Koyama)