投資アプリPublicがライバルRobinhoodの苦境を尻目に連続して資金調達

ソーシャルを重視した株式取引サービスのPublic.com(パブリック)がシリーズDラウンドをまもなく完了する。シリーズCで6500万ドル(約68億1500万円)を調達してからわずか2カ月後のことだ。本件に詳しい筋がTechCrunchに語っている。

関連記事:ソーシャルな株式取引サービスのPublicがシリーズCで67億円を調達

サンフランシスコ拠点のフィンテックは、一般の人たちがどんな金額でも企業に投資できるようにすることが目的で、取引に関するコミュニティ活動を中心に据えている。Robinhood(ロビンフッド)やM1 Finance、その他消費者が無料あるいは低い手数料で株式投資できる米国のフィンテック会社と競合する。

Publicはここ数週間に多くの投資家の関心を引いているようだ。Robinhoodが苦境にたたされ、難を逃れるためにわずか数日のうちに34億ドル(約3560億円)を調達した直後のことだ。

関連記事:株取引アプリRobinhoodが週末だけで合計3566億円の資金を獲得

その資金は2021年はIPOも狙っているRobinhoodが苦しんでいる時期にやってきた。そしてライバルであるPublic.comの一部をほしがっている投資家たちがいる。

ある筋がTechCrunchに伝えたところによると、出資を持ちかけているところの多くは、「Robinhoodからの大量離脱」があると信じており、そのバリューを捕まえる方法を探っている。

最近Publicはビジネスモデルを一新し、注文フロー手数料(Payment for Order Flow、PFOF)から利益を得るというRobinhoodが収益化している中心的方法を止め、注文を処理するのと引き換えに、ユーザーから助言や情報を集めるやり方に転じた。PFOFは低料金株取引プラットフォームを巡る議論や直接手数料以外にユーザーが取引費用を払う方法の基準の1つとなっている。

Publicに賭ける投資家が期待しているのは、将来のユーザー成長だけでなく、スタートアップが将来効果的に収益化する能力にある。

Publicは2020年に急成長を果たし、ユーザー基盤を年初の10倍に増やした。

共同ファウンダーのLeif Abraham(リーフ・アブラハム)氏は2020年12月に、同社は着実に成長しており、毎期約30%のペースで拡大していると本誌のAlex Wilhelm(アレックス・ウィルヘルム)に語った。同氏は、Publicのユーザーはこのサービスを口コミで発見することが多いため、会社は巨額のマーケティング費用は使うことがなく、成長も人為的に増加されていないことを強調した。

PublicがシリーズDでいくら調達したのか、誰が出資しているのかはまだわかっていない。Publicは複数回のコメント要求を拒否している。A、B、CラウンドをリードしたベンチャーキャピタルのAccelもコメントを拒んだ。情報が入り次第報告する予定だ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:PublicRobinhood資金調達

画像クレジット:Somyot Techapuwapat / EyeEm / Getty Images

原文へ

(文:Mary Ann Azevedo、Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。