PFUはパーソナルドキュメントスキャナー「ScanSnap iX1600」と「同iX1400」を2021年1月19日に発表、1月22日より販売開始した。両製品はScanSnapシリーズ史上最速の毎分40枚の読み取り速度を実現した新機種。iX1600は4.3インチタッチパネル液晶を搭載した「同iX1500」の後継にあたるフラッグシップモデル、iX1400はタッチパネル液晶とWi-Fi機能を省きUSB接続専用とすることで低価格を実現した高コスパモデルだ。
スキャナーの最重要スペックの読み取り速度をアップグレード
前述のとおりiX1600はiX1500の後継モデル。今回進化したポイントは、ドキュメントスキャナーで最も重要なスペックである読み取り速度だ。自動解像度モード / ノーマル(150dpi) / ファイン(200dpi) / スーパーファイン(300dpi)で30枚・60面/分から40枚・80面 / 分へと33%、エクセレント(600dpi)で8枚・16面 / 分から10枚・20面 / 分へと25%高速化されている(※解像度はすべてカラー / グレーの場合)。
iX1600とiX1500はこれ以外のスペックは基本的に変わらない。外観、サイズ、重量も同一だ。ただしタッチパネル液晶のデザインが変更され、またiX1500で限定色だったブラックが標準色として用意された。
なお、USBインターフェイスの表記が、iX1600は「USB 3.2 Gen1」、iX1500は「USB 3.1 Gen1」となっているが、これは発売時期による呼称の違い。どちらも通信速度5Gbpsの「USB 3.2 Gen1x1」が採用されており、パフォーマンスに違いはない。
一方、iX1400はスキャナーとしての基本性能はフラッグシップモデルのiX1600と同等。省略されているのは、タッチパネル液晶、Wi-Fi通信機能、添付ソフトの「Kofax Power PDF Standard」「Kofax Power PDF Standard for Mac」。PCやMacにUSBケーブルで直結する必要があり、細かな操作や設定作業は「ScanSnap Home」で行なわなければならないが、マイナス1万円の高コスパが魅力である。
iX1600とiX1500のスキャン速度を実測
さて、iX1600は読み取り速度が最大33%高速化されていると謳われているが、実際にどれだけの性能アップを果たしているのだろうか?今回A4サイズのカラーカタログ20枚を使用して、iX1600とiX1600のスキャン速度を比較してみた。
結果は下記のグラフのとおり。スキャンが終了するまでの所要時間はiX1600が31.75秒、iX1500が42.08秒、スキャンデータがPCに保存されるまでの所要時間はiX1600が33.13秒、iX1500が44.73秒となった。実際、読み取り中の動作音や用紙を飲み込む速度も明らかに違う。大量のドキュメントを一気に読み込む際に大きな恩恵を受けられるはずだ。
iX1600とiX1400のどちらを買うべきか?
iX1600とiX1400のどちらを購入するかは悩ましい選択。使いやすさという点では当然タッチパネル液晶を搭載したiX1600のほうが上。セットアップは画面に手順が表示されるので簡単だし、紙詰まりなどのトラブルが起きたときにも対処方法が画面に表示されるのでわかりやすい。ドキュメントスキャナー初心者にお勧めなのは間違いなくiX1600だ。また、複数ユーザーで共有したり、クラウドサービスと連携して活用したいのならWi-Fi非対応のiX1400は選択肢からはずれる。
しかし筆者は現在iX1500を利用しているが、タッチパネル液晶で操作するのは「Scanボタン」を押すときぐらい。紙資料をどんどんPCに取り込んで、データ化したいだけならiX1400でまったく不足はない。
繰り返しになるが両機種にスキャナーとしての基本性能に違いはない。最新ScanSnapの利便性を最大限に享受したい方、または現時点でどのように活用するか定まっていない方はiX1600、ドキュメントスキャナーをある程度使い込んでおり用途が決まっている方はiX1400を選ぶことをお勧めする。
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カテゴリー:ハードウェア
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(文:ジャイアン鈴木)