海外ではインバウンドマーケティングのコンテンツとして、活用が定着しているインフォグラフィック。
日本での事例はまだまだ少ないですが、今後、利用が進んでいくことが予想されます。
そこで今回は、インフォグラフィックの概要から注目されている背景、コンテンツとしての7つの活用シーンをご紹介します!
インフォグラフィックとは何か
インフォグラフィックを一言でいうと「言葉やデータだけでは伝わりにくい情報を視覚化することで伝わりやすくしたもの」です。
伝えたい情報をビジュアル(ダイヤグラムやチャート、グラフなど)でわかりやすく表現するだけでなく、ストーリーを持たせることで、見る人を惹きつけ、受け取りやすいかたちにしたものです。
引用元:ツタグラとは? | ツタグラ [伝わるINFOGRAPHICS] 6つの表現形態
ナイチンゲールがクリミア戦争で亡くなった兵士の死因を視覚化したものが古い例として知られ、1万5千年前のラスコー洞窟の壁画が最初のインフォグラフィックだと言われています。
引用元:Wikipedia Diagram of the Causes of Mortality
私たちが日常的に目にするところでは、道路の標識や地下鉄の地図も広い意味でのインフォグラフィックのひとつです。
インフォグラフィックが注目されている背景
実は古くからあるインフォグラフィック。なぜ、いま、注目されているのでしょうか。
その背景の1つにインターネット登場以降の飛躍的な情報量の増加があります。
総務省が発表する情報流通インデックスによると、平成13年を100とした場合、情報流通量は平成21年までに198.7と約2倍になっているのに対し、消費情報量は109.1とほぼ横ばい。世の中に流通する情報量が、実際に消費される情報量を大きく上回る「情報の供給過多」が発生しています。
この情報過多の世の中では、受信者が情報に向ける注意(アテンション)が不足し、発信した情報が届きにくくなっており、当然、企業が発信するメッセージに注意を向けてもらうのは容易ではありません。
そのような中、企業には2つのことが求められます。
1つは情報の受け手である消費者が「興味・関心のある情報を届ける」こと。
私たちは、なにか気になることがあった時はGoogleやYahoo!などの検索エンジンで調べます。
忙しい時でもTwitterやFacebookなどで友人の近況や流れてくるニュースを見てしまいます。
また、好きな作家の新刊が出ればチェックしますし、新しいiPhoneの発売日も気になります。
つまり、大量の情報が渦巻く中でも自分にとって「興味・関心のある」重要な情報であれば、しっかりそれを選択し、注意(アテンション)を振り向けているわけです。
なぜ、いまインフォグラフィックなのか
しかし、実は「興味・関心のある」情報を用意するだけでは不十分。情報が「伝わる」ためには工夫が必要です。
それが企業にできる2つ目のこと、「相手に伝わやすいように届ける」です。
ガイアックスでも、ブログやホワイトペーパーなど、お客様が「興味・関心のある」情報(コンテンツ)の発信に努めていますが、コンテンツが「相手に伝わる」までに3つの関門があると考えています。
それが「見つけてもらえない」「選んでもらえない」「最後まで読んでもらえない」の3つです。
以下、それぞれの関門と、インフォグラフィックとの関係をご説明します。
関門1:見つけてもらえない
どれだけ役立つコンテンツを作っても、そこに至るまでの道がなければ、誰もたどり着けません。
Web上のコンテンツであれば、検索エンジンやソーシャルメディアで見つけてもらう必要があります。
インフォグラフィックは画像が共有されやすいソーシャルメディアと相性が良く、ソーシャルメディアが普及した現在、見つけてもらうための道を作りやすいコンテンツとして注目されています。
関門2:選んでもらえない
役立つコンテンツを作成し、見つけてもらったとしても、消費者にとっての選択肢は貴社のコンテンツだけではありません。
競合が作成したものも含め、数多のコンテンツの中から選んでもらう必要があります。
ビジュアルは見る人の興味を80%も高めると言われており、言葉やデータだけでは伝わりにくい情報を「視覚化」したインフォグラフィックは、コンテンツに対する興味を喚起し、たくさんの選択肢の中から選んでもらう確率を高める方法として注目されています。
関門3:最後まで読んでもらえない
コンテンツが選ばれ、ページに訪れてもらったとしても、最後まで読んでもらえるとは限りません。
コンテンツが相手に「伝わる」ためには、読みやすく、理解しやすい形で届ける必要があります。
ビジュアルはテキストだけの時に比べ、はるかに受け手の理解を促すと言われていますが、伝えたい情報を相手に「伝わる」ようにする手法としてインフォグラフィックが注目されています。
コンテンツとしての7つの活用シーン
ここからはインフォグラフィックがコンテンツとして活用された場合の7つの用途をご紹介します。
1.ハウツー
消費者の頭の中の「どうやって?」に答えることで、購買プロセスをサポートするコンテンツです。
米Marketoでは、イベント時にソーシャルメディア上でやるべきことのチェックリストをインフォグラフィックで紹介しています。
The Ultimate Social Media Event Marketing Checklist [Infographic] | B2B Marketing
2.まとめ
たくさんの情報をまとめることで資料としての価値を持たせたコンテンツです。
エスキュービズムでは、ビジネス向けのタブレットアプリを一覧にまとめたカオスマップを公開しています。
【完全版】タブレットを導入したら押さえておきたいビジネスアプリ100選
3.比較
2つ以上のことを徹底比較し、ユーザの理解を促進するコンテンツです。
リクルートのSUUMOでは、マンションと一戸建てを様々な角度から比較しています。
あなたはどっちを買う?マンションと一戸建て購入の決め手をまとめたインフォ グラフィック | SUUMO(スーモ)
4.リサーチ
集めたデータをもとに説得力のある情報を提供します。
住友林業ホームテックでは、各種調査データを基に中古住宅が選ばれている理由を紹介しています。
中古住宅とリフォームが今選ばれている理由 | リフォームの住友林業ホームテック
5.製品説明
テキストでの長くなりがちな製品説明を理解しやすい形で届けます。
大塚製薬のカロリーメイトでは、カロリーメイトの成分や効用などをモーショングラフィックを使って紹介しています。
6.リリース情報
通常、ニュースリリースとして発表される製品・サービスに関する情報をまとめます。
Skypeでは、自社サービスがどれぐらい使われているかを数字で紹介したインフォグラフィックを公開しています。
A Day In The Life of Skype #Infographic
7.コーポレートメッセージ
読んでもらいにくい会社情報やコーポレートメッセージをストーリーを持たせて伝わりやすくします。
NPO法人 CHARITY: WATERでは、水問題を訴えたモーショングラフィックを公開しています。