サイト内検索とは、特定のWebサイト内から目的のコンテンツを探し出す検索機能のことです。
サイト内検索を活用すると、ユーザビリティの向上やユーザーニーズの把握などのメリットがあります。
本記事では、サイト内検索の基本的な仕組みや設置方法、運用時の注意点などを詳しく解説します。オウンドメディアの運営でサイト内検索の導入を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
サイト内検索の導入や運用以外について専門家のアドバイスが必要な方は、お気軽にナイルまでご相談ください。2,000社以上のマーケティング支援実績を持つ当社があなたのメディアを支援します。
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サイト内検索とは
サイト内検索とは、特定のWebサイトの中から目的のコンテンツを探し出す検索機能のことを指します。
ブログや企業サイトなどを閲覧する際、サイト内の検索ボックスを使って目的の情報を探すケースがあります。これがまさしくサイト内検索です。
サイト内検索は、Googleなどのインターネット全体を対象とする検索エンジンとは異なり、特定のWebサイトやページ内のコンテンツだけを検索対象とするのが特徴です。
サイト内検索を行う5つの方法
サイト内検索の方法は、Webサイト側が提供するものと、ユーザーが独自に行うものと大きく2つに分かれます。以下、各パターンの代表的な方法5つを詳しく見ていきましょう。
サイト内検索を行う5つの方法
方法1 Webサイト側が提供するWebサイト内検索(Webサイト側)
出典:NYLE ARROWS
まず1つ目が、Webサイト側が提供する検索ボックスを利用してサイト内検索を行う方法です。
Webサイト側が用意するサイト内検索機能は、CMS(コンテンツマネジメントシステム)の機能や、Googleのカスタム検索機能、専用のサイト内検索サービスなどを利用して実装されることが一般的です。
比較的容易に導入できることから、多くのWebサイトで利用されています。(詳しい設置方法は「サイト内検索を導入する3つの方法」で解説します)
方法2 Google検索オプションを使ったサイト内検索(ユーザー側)
2つ目はGoogle検索オプションを使ったサイト内検索です。こちらはユーザー側で取り組める内容です。
Googleの検索コマンドを利用して、特定のサイト内に限定した検索を行います。
Googleの検索コマンドを使ったサイト内検索方法 | |
基本の型 | [検索キーワード] site:[サイトURL] |
---|---|
サイト全体から検索する例 | SEO site:https://www.seohacks.net/ |
特定のカテゴリで検索する例 | SEO site:https://www.seohacks.net/blog/ |
方法は簡単で、上記のようにGoogleの検索ボックスで「[検索キーワード] site:[サイトURL] 」の型で検索を行うだけです。こうすることで指定したサイト内から、検索キーワードに関連するページを探し出してくれます。
主にはユーザー側が利用する機能であり、Webサイト運営者側がリンクを用意して誘導するといったことはあまりありません。また、検索結果は、Googleの検索アルゴリズムに依存します。Webサイト側で制御ができない点は把握しておきましょう。
方法3 ブラウザの拡張機能でサイト内検索(ユーザー側)
ここからはユーザー側が独自に利用するサイト内検索の手法です。
まず紹介するのが、ブラウザの拡張機能を利用したサイト内検索です。
Google Chromeなどのブラウザには、特定のサイトの検索に特化した拡張機能があります。例えばSearch the Current Siteをインストールすると、現在閲覧中のサイトだけを対象とした検索ボックスがブラウザ上に表示されます。
インストールも簡単で、Chromeウェブストアから拡張機能を検索し「Chromeに追加」をクリックするだけです。
ワンクリックでサイトの中から目的のコンテンツを素早く見つけ出せるので、サイト内検索を良く利用する方におすすめです。
方法4 ブラウザの検索エンジン管理を使ったサイト内検索(ユーザー側)
ブラウザの「検索エンジン管理」を使ったサイト内検索も、ユーザー側でよく用いられる手法です。
Google Chromeには、アドレスバーからサイト内検索を素早く実行できる検索エンジンの管理が搭載されています。頻繁にサイト内検索を行うサイトがあれば、この機能を利用することで効率的にコンテンツを探し出せるようになります。(上図は、アドレスバーからナイルのマーケティング相談室のサイト内検索をできるように設定した例です)
具体的な設定手順は以下のとおりです。
手順1 登録したいサイト内検索のURLを取得する
まずは検索エンジン管理に登録したいWebサイトの「サイト内検索URL」を取得します。任意のキーワードでサイト内検索を実行し、URLをコピーしておきましょう。
例えば、ナイルのマーケティング相談室のサイト内検索であれば、上図のURLをコピーします。
手順2 検索エンジン管理の設定画面を開く
次に検索エンジン管理の設定画面を開きます。
Google Chromeブラウザの右上にある三点リーダーから「設定」を選択し「検索エンジン>検索エンジンとサイト内検索を管理する」の順に進み、検索エンジン管理の設定画面を開いてください。
よくわからない場合は、以下をGoogle Chromeのアドレスバーにコピー&ペーストしましょう。上述の設定画面に遷移が可能です。
chrome://settings/searchEngines
手順3 サイト内検索を登録する
「サイト内検索」の項目で「追加」を選択すると、上図のような設定用のポップアップが表示されます。以下の情報を入力してください。
項目 | 入力内容 |
---|---|
検索エンジン | 管理用の名前を記入します。任意設定で構いません。 |
ショートカット | アドレスバーで呼び出す際のショートカットキーを入力します。 |
URL | 手順1でコピーしたサイト内検索ページのURLを記入します。 キーワード部分のみ「%s」という表記に置き換えてください。 例:当サイトの場合「https://www.seohacks.net/search/?q=%s」 |
最後に保存をクリックするとサイト内検索が使えるようになります。
方法5 ブラウザのページ内検索(ユーザー側)
最後に紹介するのが、Webブラウザに備わっているページ内検索機能の活用です。
ページ内検索機能を使うと、現在表示しているページ内に指定するキーワードがいくつ含まれているか、どの位置にそのキーワードが登場するかを検索することができます。
これもWebサイト側で特に準備するものはありません。ユーザー側が必要に応じ、後述するショートカットキーを用いて検索するのが一般的です。
OS | ショートカットキー |
---|---|
Windows | Ctrl + F |
Mac | Command + F |
サイト内検索を導入する3つのメリット
ここからは、サイト運営者の方へ向けて、サイト内検索の導入の主要なメリットを詳しく解説します。以下の3点をそれぞれ見ていきましょう。
サイト内検索を導入する3つのメリット
メリット1 ユーザビリティを向上させられる
サイト内検索を導入すると、ユーザーは目的のコンテンツに素早くたどり着けるようになります。ユーザーの利便性が高まれば、サイトに対する満足度や信頼が向上するため、サイトの滞在時間や離脱率、セッション数といった重要指標の改善に繋げることが可能です。
特にコンテンツの数が多いサイトの場合、ナビゲーションのカテゴリやタグで絞り込むだけでは、なかなか目当ての情報まではたどり着けないことも想定されます。ユーザーが求めるコンテンツにスムーズにアクセスできるよう、サイト内検索を導入しておくことをおすすめします。
ユーザビリティについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
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メリット2 ユーザーの興味や関心を可視化できる
サイト内検索は、設定次第でユーザーの利用データを収集可能です。
例えば、人気の検索キーワードを参考に新しいコンテンツを制作したり、既存のコンテンツを充実させたりできます。また、検索需要が高いのに十分な情報提供ができていないことがわかれば、サイトの構造見直しやナビゲーション改善のヒントにもなります。
このように、得られたデータを活用してサイトの価値を高められる点も、サイト内検索を導入するメリットです。
メリット3 サイトのコンテンツ管理を効率化できる
サイト内検索は、Webサイトのコンテンツ管理を効率化するツールとしても活用できます。
サイト内のあらゆる情報を一括で検索できるため、以下のような業務を行う際に役立ちます。
サイト内検索でコンテンツ管理を効率化する例
- 古い情報や掲載期限切れのコンテンツの洗い出し
- リライトや修正が必要なページの把握
- 重複コンテンツの特定と整理
- 内部リンク設置の参考情報収集
例えば、古い情報や掲載期限切れのコンテンツの洗い出しです。サイト内検索で「最新」「予定」など時間に関わる言葉で検索すると、古い情報のまま更新されていない可能性のあるコンテンツが見つかります。これにより、リライトや修正が必要なページを容易に把握することが可能です。
サイト内検索を導入する3つの方法
実際にサイト内検索を導入する3つの方法を、以下の順に紹介します。
方法1 WordPressのウィジェットやプラグインを利用する
WordPressで構築しているサイトであれば、標準機能のウィジェットやプラグインを使うことで、手軽に検索機能を設置できます。手順は以下のとおりです。
WordPressのウィジェットでサイト内検索ボックスを設置する手順
- WordPressの管理画面にログイン
- サイドナビの「外観」から「ウィジェット」を選択
- ウィジェット内の「検索」を任意の位置にドラッグ&ドロップ
- 任意でタイトルを設定し、保存
ただし、WordPress標準のサイト内検索はカスタマイズ性が低く、絞り込み検索や特定のページの除外といった高度な検索は行えません。そのため、より充実したサイト内検索をユーザーに提供したい場合には、専用のプラグインを利用します。
以下のように、さまざまなプラグインがあるため、用途に応じて必要なプラグインを利用しましょう。
プラグイン名 | 主な機能 |
---|---|
Search & Filter | タグやカテゴリでの絞り込み検索ができる |
Search Exclude | 不要なページを除外した検索ができる |
WP Extended Search | 古い記事の除外、並び順の変更などができる |
方法2 Googleのカスタム検索をサイトに埋め込み利用する
Googleが提供する「プログラム可能な検索エンジン」をサイトに埋め込んで利用するのもひとつの方法です。当ナイルのマーケティング相談室も、この方法でサイト内検索を設置しています。
デザインや文言を自由度高くカスタマイズできるほか、検索ボリュームの統計情報の確認も可能なため、HTMLの知識があれば利用を検討する価値があると言えます。
具体的な設置手順は以下のとおりです。
Googleのプログラム可能な検索エンジンをサイトに埋め込む手順
- カスタム検索エンジンのページにアクセス(要Googleアカウント)
- 新しい検索エンジンの作成画面が開くので、サイトURLなど情報を入力する
- 各項目の設定が済んだら作成ボタンを押す
- 設置用のHTMLが表示されるのでコピーする
- 自分のサイトの任意の場所に貼り付け、設置する
ただし、無料で利用する場合は検索結果に他サイトの広告が表示されてしまいます。サイト内検索から離脱される可能性もあるため、慎重に設置を検討しましょう。広告を非表示にしたい場合は、1,000クエリ(検索回数)につき5ドルの費用が必要です。
方法3 サイト内検索サービスを導入する
WordPressのプラグインやGoogleのプログラム可能な検索エンジンでは要件を満たせない場合には、サイト内検索サービスの導入を検討します。
サイト内検索サービスには、例えばサジェスト表示やGA4との連携、複数ドメインを横断しての検索、多言語対応など、無料ツールよりも高機能なものが備わっています。代表的なサービスとしては「GENIEE SEARCH(probo)」や「SyncSearch」などが有名です。
費用が発生しますので、導入目的や費用対効果を明確に整理した上で検討しましょう。なお、導入するべきか悩んだ際は、ナイルまでお気軽にご相談ください。
サイト内検索を活用する際の3つの注意点
最後に、サイト内検索機能の導入・活用における注意点を3つ紹介します。サイト内検索を検討している方は、これらの点を踏まえて慎重に判断することをおすすめします。
サイト内検索を導入する際の3つの注意点
注意点1 サーバー負荷でサイトの表示速度が落ちる場合がある
サイト内検索を導入する際に、まず理解しておきたいのがサーバー負荷の可能性です。特にサイト規模が大きく、アクティブなユーザーが多い場合には、サイト全体のページ表示速度が低下するリスクが懸念されます。
表示速度の低下が引き起こす主なデメリットは以下のとおりです。
サーバー負荷によるサイトの表示速度低下のデメリット
- 離脱率の上昇:表示の遅さからユーザーはストレスを感じ、サイトから離脱する
- 検索順位の下落:検索エンジンからも低く評価され、検索順位が下がりやすくなる
- コンバージョン率の低下:ユーザーが購入や問い合わせなどの行動ができず、コンバージョン率が下がる
このようなデメリットを避けるためにも、サイト内検索によるサーバー負荷には十分な注意が必要です。懸念が強い場合には、高スペックのサーバーを用意する、キャッシュを利用するなどの工夫を検討しましょう。
ページの表示速度とSEOの関係については、こちらの記事をお読みください。
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注意点2 WordPressプラグインを使う場合はメンテナンスコストを考慮する
WordPressのプラグインでサイト内検索を実装する場合は、メンテナンスコストの増加を考慮する必要があります。
WordPressでは、本体のアップデートやプラグインの更新が定期的に行われます。このアップデートの際、プラグインのエラーが原因で以下のような不具合が生じる可能性があります。
- 検索結果に表示されるべきページが引っかからない
- 検索ボックスが正常に表示されない
万一の際には、プラグインの入れ替えや設定変更が必要になるケースも起こり得るため、使用するプラグインの数を絞るほか、定期的に更新されているかどうかもチェックした上で導入を検討しましょう。
注意点3 サイトマップや内部リンクで十分な場合もある
サイト内検索は、すべてのサイトで必須というわけではありません。
例えば、サイトの規模が小さかったり、検索が不要なほどシンプルな構造であったりする場合には、サイト内検索が不要な場合もあります。
サイト内検索はあくまでユーザビリティ向上の一手段です。自サイトの規模や用途、ユーザー層の特性などを考慮しつつ導入を検討しましょう。
サイト内検索をWebマーケティングに活用しよう
本記事では、サイト内検索の基本的な仕組みや導入方法、運用時の注意点などを詳しく解説しました。
サイト内検索を活用することで、ユーザビリティの改善やユーザーニーズの把握など、Webマーケティングの成果を向上させられます。ぜひ、紹介した内容を参考に、サイト内検索の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、サイト内検索の導入や運用について、より詳しいアドバイスが必要な場合は、お気軽にナイルまでご相談ください。
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【具体的に解説】サイト内検索とは?やり方や導入方法、メリットをわかりやすく解説はナイルのSEO相談室で公開された投稿です。