SEO施策の効果を高めて上位表示を狙うには、適切なキーワードを選定する必要があります。しかし、どのようにキーワードを選べば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、SEOにおけるキーワード選定の進め方や重要なポイント、キーワード選定に役立つツールなどを紹介します。
また、キーワード選定やSEOに関するお悩みがありましたら、お気軽に無料相談よりお問い合わせください。
SEOにお困りの方へ
SEOでキーワードの選定が重要な理由
SEOでキーワード選定が重要な理由は、そもそも上位表示の可能性が低いキーワードを選ぶと、良いコンテンツを作ったとしても上位を狙うのは困難なためです。
特に上位が難しいのは、次のような検索結果が表示されるキーワードです。
【上位表示の難しいキーワードの例】
キーワードだけでなく、表示される記事のタイプからも「上位表示の難しさ」を考えることができます。
例えば、上位に「記事」ではなく「サービスページ」が多い場合は、どんなに作り込んだ記事を作っても上位表示は難しい可能性があります。
これは、そもそものユーザーの検索目的が「特定のサービスサイトに行きたい」「商品を買いたい」と推測されるからです。このような場合、どんなに良い記事を書いたとしても、上位表示を狙うのは難しいです。正確に言うとユーザーのニーズを記事で満たすことが難しいと言えるでしょう。
※もちろんユーザーニーズは不変ではないため、タイミングによって上位表示されることもあります。
こうしたことを踏まえると、キーワードを選定するときは、下記の観点から選ぶ必要があります。
【キーワード選定に必要な観点】
- ユーザーの検索目的に応えられるか
- そのキーワードで上位表示を狙えるか
- 「問い合わせ」「資料ダウンロード」「SNSアカウントのフォロー」など、自社の目的とするコンバージョンにつなげられそうか
上位表示できたとしてもコンバージョンにつながらないキーワードがある
さらにキーワード選定時に注意すべきなのが、「上位表示できたとしてもコンバージョンにつながらないキーワード」があることです。
例えば、SNSの運用代行サービスを展開している企業が、問い合わせ数向上を目的に「Twitter ミュート やり方」というキーワードでコンテンツを作成しても、成果につながらない可能性があります。
なぜなら、「Twitter ミュート やり方」で検索する人は、「Twitterを利用する立場の人(消費者)」であり「Twitterの運用代行を依頼する立場の人(企業)」ではないためです。そのため、たとえ上位表示できたとしても、自社サービスへの問い合わせにはほとんどつながりません。
また、「Twitter ミュート やり方」のような「消費者」が検索するキーワードは、「Twitter 運用代行 サービス」などの「企業」が検索するキーワードよりも検索ボリューム(1ヵ月間で検索される回数)が大きい傾向にあります。
そのため、「ボリュームが大きいから」とつい選定してしまいやすいのですが、上位表示できてもコンバージョンにはほとんど貢献しません。
このように、「上位表示のしやすさ」や「検索ボリューム」のみで判断するのではなく、自社の事業の売上拡大に貢献するキーワードを選定しましょう。
SEOにおけるキーワード8種類
SEOにおけるキーワードは、「構成」「検索ボリューム」「ユーザーの検索意図」の3つに大きく分類できます。
そして、ここからさらに8つの種類に細かく分けられます。下記の表を参考に、「選定するキーワードはどれに該当するのか」を把握して意図に沿ったページを作成しましょう。
SEOにおけるキーワードの8つの種類 |
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キーワード構成による分類 | 単一キーワード |
一語のみで構成されるキーワード 例:SEO |
複合キーワード |
複数の単語で構成されるキーワード 例:SEO 進め方 |
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検索ボリュームによる分類 | ビッグキーワード |
検索される回数が多いキーワード 例:ウェブマーケティング |
ミドルキーワード |
ビッグキーワードより検索回数が少なく、スモールキーワードより検索回数が多いキーワード 例:ウェブマーケティング 年収 |
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スモールキーワード (ロングテールキーワード) |
検索回数が少なく、ビッグキーワードより限定的で競合が少ないキーワード 例:ウェブマーケティング 未経験 年収 |
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検索意図による分類 |
取引型キーワード (トランザクショナルクエリ) |
何かの商品を探して購入するといった、取引の意図のあるキーワード 例:PC 通販 |
案内型キーワード (ナビゲーショナルクエリ) |
特定のサイトを探しているキーワード 例:Amazon |
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情報型キーワード (インフォメーショナルクエリ) |
悩みや課題を解決するための情報を知りたいという意図のあるキーワード 例:家庭教師 選び方 |
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SEOのキーワードを選定する5ステップ
ここでは、検索ユーザーの思考や行動を可視化した「カスタマージャーニーマップ」を活用して、キーワードを選定する方法を紹介します。
「カスタマージャーニーマップを作成するのは面倒」と思うかもしれませんが、結果的に闇雲に選定するよりも効率的・効果的にキーワードを選べます。それでは順番に見ていきましょう。
ステップ1 カスタマージャーニーから悩みの洗い出しをする
まずはカスタマージャーニーマップを作成し、各ステップにおけるユーザーの悩みを洗い出しましょう。
そもそも検索キーワードは、ユーザーの悩みやニーズが言語化されたものです。SEOにおけるキーワード選定では、検索ユーザーの気持ちを考えることが欠かせません。
「どのような人」で「どのような状況」なのか、そして「どのような情報を探しているのか」を深く思考する必要があります。
その手助けとなるのが、ユーザーの思考や行動の流れを可視化できる「カスタマージャーニーマップ」です。
出典:SEOで「勝てる」キーワードの選び方!カスタマージャーニーを活用しよう(ナイルのSEO相談室)
上記のカスタマージャーニーマップを例にした場合、「認知・興味段階」のユーザーには下記のような悩みやニーズがあると想像できます。
【「認知・興味段階」のユーザーの悩み・ニーズの例】
- 流行のファッションを知って取り入れたい
- 自分でコーディネートするとマンネリになってしまうので、サイトやSNSを参考にしたい
このようにユーザーの思考を考えられる限り洗い出すと、ユーザーが検索しそうな「流行 ファッション」「流行コーデ」といったキーワードにたどり着けます。
なお、カスタマージャーニーマップの作成方法は下記の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
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ステップ2 1キーワードから関連するキーワードを考える
カスタマージャーニーから導き出したキーワードをもとに、関連するキーワードを洗い出します。
いろいろなパターンを挙げることで、カスタマージャーニーだけでは網羅できないキーワードを拾うことも可能です。同じ概念の中で、より具体的なキーワードをブレストしてみてください。
例えば、「ファッション」というキーワードの場合は、下記のような関連キーワードが挙げられます。
【「ファッション」の関連キーワード】
- トップス
- ボトムス
- アウター
- シューズ
しかし、このままでは漠然としているので、各キーワードをより分解していく必要があります。例えば、「トップス」の場合、「シャツ」「ブラウス」「ニット」などです。
さらに、「シャツ」の中でも、「襟(レギュラー、ラウンドなど)」「柄(チェック、ドットなど)」のように細分化できます。
このように関連する用語を洗い出していくことで、ユーザーのニーズに応えられそうなキーワードを、いくつも挙げることが可能です。
ステップ3 ツールを利用して抜け漏れがないか確認する
下記のツールを利用することで、ここまで洗い出したキーワード以外の切り口がないか、抜け漏れがないかを確認できます。
【SEOのキーワード選定に役立つツールの例】
- Keywordmap for SEO
- Googleキーワードプランナー
例えば、Googleキーワードプランナーの場合、下図のようにキーワードを入力することで、関連するキーワードが表示されます。
ただし、この工程はあくまでも「ほかの切り口」や「抜け漏れがないか」を確認するためです。最初からキーワード調査ツールを使うのはあまりおすすめしません。
最初からツールで選定しようとすると視野が狭くなり、さまざまな種類のキーワードを考えることが難しくなるからです。検索意図を軸にキーワード選定を行うためにも、ある程度キーワードを洗い出した上で、ツールを活用してください。
ステップ4 キーワードの検索ボリュームを調べる
検索ボリュームとは、特定のキーワードが1ヵ月間で検索された回数のことです。
検索ボリュームの大小によって、下記の傾向があります。
検索ボリュームの傾向 |
||
検索ボリュームが大きいキーワードの場合、それだけ多くの流入が期待できます。しかし、競合も狙ってくるキーワードなので、上位に表示される難易度は高めです。
特に、「ファッション」「健康」のような1語で構成されるビッグキーワードは、さまざまな検索意図が混じっているため、検索ユーザーのニーズも捉えにくくなります。
一方、検索ボリュームが小さい場合は、サイトへの流入も少なくなります。しかし、検索回数が少ないキーワードでは競合の数が減ることもあり、上位に表示される可能性は高いです。
さらに、「健康 食事 一人暮らし」のように語数が増えることで検索ニーズがはっきりしている傾向があるため、コンテンツも作りやすくなります。
このように、キーワードの検索ボリュームを1つずつ調査し、GoogleスプレッドシートやExcelなどにまとめていきましょう。
ステップ5 キーワードを選んで優先順位をつける
最後に、リストアップしたキーワードに対して、「ユーザーの検索意図が、自社商品に適しているか」という観点で取捨選択します。
たとえ検索ボリュームが多くても、自社で扱っていない製品に関するキーワードだった場合は候補から外しましょう。仮に上位表示できてそれなりの流入があったとしても、自社商品とマッチしていなければコンバージョンにつながりにくいと考えられます。
例えば、ストールを扱っていないアパレルブランドが、「ストール レディース 人気」のキーワードを選んでしまうなどです。
そして選定したキーワードに対し、下記の視点で優先順位をつけていきましょう。
出典:キーワードの優先度のマッピング(SEOで「勝てる」キーワードの選び方!カスタマージャーニーを活用しよう/ナイルのSEO相談室)
まずは、「キーワードが、コンバージョンに対してどの位置にあるか」を考えます。上図の右下「赤いスニーカー 通販」のように、検索ボリュームが少なくてもコンバージョンにつなげやすいキーワードは、優先順位を高くします。
さらに、「キーワードに適したコンテンツを今後作成できそうか?」も検討することが重要です。「赤いスニーカー 通販」というキーワードを選んでも、赤いスニーカーの紹介ページを作成するリソースが確保できなければ対応が難しく、SEO施策がなかなか進まないという状態に陥ります。
そのため、現状で対策できそうなキーワードから優先的に選んでいきましょう。
ここまででご質問のある方は、以下のバナーよりお気軽にお問い合わせください。
【注意】キーワードだけではユーザーの検索意図はわからない
SEOのキーワード選定時に起こりがちなのが、キーワードから想像しただけで検索意図がわかった感覚になってしまうことです。
「キーワード」と「検索結果」だけでユーザーの検索意図を考えるような「キーワードありきの思考」だと、文字上だけの検索意図しか把握できません。そうなると、平凡なコンテンツしか生み出せなくなります。
そもそもGoogleが提供しているキーワードプランナーなどから得られる情報は、全データの一部を抽出して加工されている「広告主向け」のものです。また、ユーザーのニーズは時間が進むとともに日々変化しており、毎日新しい検索キーワードが誕生しています。
現時点で認知されているキーワードや、Googleのフィルターがかかった状態のキーワードで検索意図を考えていると、「コンバージョンを狙えるキーワード」を取りこぼす恐れがあります。
本当の意味で検索意図を理解するためにも、「ユーザーがどういった過程で検索したのか」「その上でどんな情報が欲しいのか」を最重要に考えてください。
SEOのキーワード選定で重要な3つのポイント
SEOのキーワード選定を実施する際は、下記3つのポイントを押さえましょう。
ひとつずつ解説します。
ポイント1 キーワードは1ページに1つに限定する
SEOでは、「1ページにつき1キーワード」を基本にしましょう。
1ページに複数のキーワードを詰め込み過ぎると、コンテンツのテーマが分散してしまうからです。ぼんやりした内容のコンテンツでは、たとえ上位に表示されたとしても、「何を伝えたい記事かわからない」と判断されてしまい、離脱されやすくなってしまいます。
そうなると結果的にGoogleからの評価が下がり、検索順位が落ちてしまうでしょう。ただし、キーワードの検索意図が似ているときは、例外的に1ページで複数のキーワードを狙うケースもあります。
例えば、「脱毛サロン おすすめ」「脱毛サロン 人気」「脱毛サロン 比較」などです。これらは「おすすめの脱毛サロンが知りたい」という検索意図に集約されると考えられます。
「検索意図が似ているかも」と思ったキーワードは実際に検索してみて、同じページが上位表示されている場合は、1ページで複数のキーワードを狙うことも検討しましょう。
ポイント2 ほかのページとキーワードが重複しないようにする
キーワードを選定するときは、自社サイト内の「ほかのページとキーワードが重複していないか」を確認することも重要です。
重複している状態でコンテンツを作成した場合、重複コンテンツとみなされ、検索結果に表示されなくなる可能性があります。
なぜなら、内容が重複しすぎているコンテンツは「同じ内容のコンテンツを見せることになり、ユーザーからの多様なニーズに応えられない」とGoogleから判断されるからです。
クロールやインデックスされる可能性が減り、結果的にGoogleからの評価が下がる恐れがあります。
下記の記事では重複コンテンツチェックの重要性や、評価を下げないようにする方法を解説しています。キーワード選定を成果につなげるためにも、ぜひご一読ください。
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ポイント3 キーワード選定は定期的に実施する
キーワード選定は、一度行えば終わりではありません。
コンテンツを公開していくうちに、1つのコンテンツで複数キーワードの流入が獲得できるようになるケースもあり、予定していたキーワードでコンテンツを作成しなくてもいい場合があります。
定期的にキーワードを見直して新しく選定することで、そういった無駄なリソースを割く機会が減るメリットもあるでしょう。
キーワードを適切に管理するなら、専用の「キーワード管理シート」を用意するのがおすすめです。「キーワード、カテゴリ、順位、検索ボリューム、コンテンツのURL」といった項目を設定し、こまめにアップデートすると効率的に業務が進められます。
SEOのキーワード選定に役立つツール5選
ここからは、キーワード選定をするときにおすすめのツールを紹介します。
ツール1 Keywordmap
Keywordmap for SEOは、競合の分析やキーワード調査、コンテンツ制作のサポートまで可能なSEO用ツールです。
キーワード調査機能では、キーワードごとに検索ボリュームや関連キーワードを確認できます。また、検索ボリュームの推移がグラフ化されているため、「いつ頃にコンテンツを公開するのが良いか」といった対策時期を把握するのにも役立ちます。
ツール2 Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、Google広告利用者向けに用意されているツールです。
対象キーワードの検索ボリュームの推移や、広告配信でのクリック単価が表示されます。関連性の高い新しいキーワードを見つけたいときにも活用できます。
ツール3 Googleトレンド
Googleトレンドは、キーワードのトレンドの推移を調査できるツールです。
国や地域別にどのくらい検索されているかがわかるほか、急激に検索が増加しているキーワードを把握することも可能です。
なお、Googleトレンドの詳しい使い方は、下記の記事で紹介しています。併せてご覧ください。
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ツール4 パスカル
競合サイトの分析を強化したい場合は、パスカルがおすすめです。
検索結果30〜50位までの、競合サイトの施策内容がチェックできます。他社と比較して自社の足りないところなどを見つけることができ改善点が把握しやすいです。
また、Googleサーチコンソールと連携することで、自社サイトに流入しているキーワードから「集客できる可能性の高いキーワード」が自動的に選定されます。キーワード選定にかかる時間を削減したい場合に役立つツールです。
ツール5 ラッコキーワード
ラッコキーワードは、対象キーワードを入力することで、サジェストキーワード(関連キーワード)を抽出できるツールです。
また、対象キーワードがYahoo!知恵袋などの質問サイトでどのように使われているのかや、競合サイトの記事構成などもわかるため、コンテンツ制作に役立ちます。
今回紹介したキーワード選定ツールは、下記の記事で詳しく紹介しています。ほかにも検索順位のチェックやコンテンツ制作で役立つツールも掲載していますので、ぜひ併せてご一読ください。
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適切なキーワードを選定し、SEOの効果を高めよう
SEOのキーワードは検索ボリュームだけではなく、「コンバージョンのしやすさ」や「自社サービスにマッチするか」といった観点で選定することも重要です。
コンテンツを公開してからもキーワード選定を定期的に行い、見直しや新規追加をしていきましょう。
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