定期的にブログ投稿している平塚です。ペンギンアップデートがコアアルゴリズムに組み込まれもう半年以上経ちましたね。
ペイドリンクなどの人工リンクに対する取り締まりが日々厳しくなっていることは周知の事実かと思われますが、そんなご時世に逆行して、ここ最近『急な順位下落が発生したため原因を調査した所、ミラーサイト(フィッシングサイト・模倣サイト)からのリンクによるものだった』という事例がいくつかありました。
今回は注意喚起も込めて、そういったミラーサイトからのリンクがSEOへ及ぼす悪影響について解説したいと思います。(※名称として明確な定義はないので今回は便宜上以下、ミラーサイトと呼びます。)
- 過去にペナルティを受けた経験があり外部リンクに敏感な方
- ECなどフィッシングサイトの被害を受けやすいサイトを運営している方
- 日々勝手に外部リンクが増えていくため制御しきれていない方
といった方は、是非参考にして頂けると嬉しいです。
何があったのか?順位下落事例と要因
ミラーサイトからのリンク(攻撃)を受けたことにより、リンクが付いていた期間順位が大幅に下落するということがありました。そういったリンクを否認したり、勝手に何らかの形で外れたりすると、順位が回復し始める傾向にあったため、それらのリンクによる順位下落の可能性が高いことがわかります。
ミラーサイトから攻撃を受けたA様の事例
約2ヶ月間の間フィッシング系のサイトから連続的にリンクをされた結果、順位が大幅に下落しました。このクライアント様サイトのケースでは、弊社でネガティブなリンクを否認したこと、一部のリンクが時間が経ったら勝手に消えたことなどにより、徐々に順位が回復しました。
※弊社SEOダッシュボードツールのrefractを使用(refractスコアとは、各キーワードの順位に応じて割り振られた得点の合計数値)
※守秘義務の関係上数値と日付をぼかしています。
ミラーサイトとは
ミラーサイト※は『フィッシングサイト』『偽サイト』『模倣サイト』など呼び方は様々あり、主に目的としてはログイン情報、カード番号などの個人情報の取得とされています。(ちなみに今回被害を受けたクライアント様サイトに関しては、憶測の域を出ませんがネガティブSEO的な別の意図があるのではないかと思われました。)
特に被害に遭うサイトはECサイトであることが多い印象です。弊社のクライアント様運営サイトも大半がECサイトでした。余談ですが楽天市場も継続的な課題となっているらしく、日々取り締まりに取り組んでいるようです。
参考:「楽天を装ったWEBサイト」一覧(2017年6月12日 更新)
※ちなみにミラーサイトの明確な定義はWikipediaによると
ミラーサイトとは、元となるウェブサイトの全部、または一部分と同一の内容を持つウェブサイトのことである。サーバにかかる負荷を分散する目的で作られることが多く、元のウェブサイトとは異なるドメイン名を持つ場合もある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ミラーサイト
なので、ミラーサイトの使用用途はスパムに限った話ではありません。
今回被リンクから多く検出されたミラーサイトの例
大抵の場合、一目見ればすぐにわかります。自社のサイトを模倣しつつページの上部と下部にリンクが機械的に設置されている(参考画像赤枠部分)ページであることが多かったです。
(※この画像は実際のフィッシングサイトではなく、このブログ用に私が作成したものです。)
その他にも、上下のリンクが存在せずにまったく同じ内容のページもいくつか見られました。
ミラーサイトが与える悪影響について
事例で上げたとおり、ミラーサイトからの外部リンクが順位にネガティブな影響を与える可能性は十分にあると考えています。
こういった意図せずネガティブに働く外部リンクに対してGoogleは対応を進めています。例えば昨年ロールアウトされたペンギンアップデート4.0は、特定のサイトの評価を下げる目的でわざとペナルティになりそうな人工リンクを貼る「ネガティブSEO」に対応する処理をしてあると言われています。不適当(スパム・低品質)なリンクを検出した際は、無効化(無視)・もしくはリンクの価値を下げる事が可能になったということです。
関連記事: 【ペンギンアップデート4.0実施】今見直しておきたい。SEOにおける『良い被リンク』『悪い被リンク』の見分け方
ただし、実際に前述したような事例が起きていることからも、Googleはこういったネガティブ影響を与える外部リンクについて完璧に対処できているとは言えない状況にあると思われます。
このようなページは低品質だからそもそもインデックスされていない≒リンクとして悪影響を及ぼさないのでは?とも考えられますが、実際にインデックスされているケースもまま見られるため注意が必要です。
これらのページ自体への対処方法
ミラーサイト自体への対処方法は下記の5点が考えられます。※機械的に作られたページで運営元が不明なため、運営元に通報などは難しいかと思われます)
外部リンクの否認申請
このようなミラーサイトをGoogle サーチコンソールを用いて外部リンクリストを取得し精査。Googleのリンク否認ツールを用いて否認申請を行う方法です。
Googleにフィッシング攻撃の報告
こういったサイトをフィッシングサイトとして報告する方法です。一つ一つ申請を行わなければならないこと、Googleに申請してから対応までタイムラグがあることなど懸念点はあります。
参考:フィッシング攻撃への対策と報告 – Google 検索 ヘルプ
参考:フィッシング詐欺の報告
リスティングの場合は不適切な広告の通報
フィッシング目的でこういったサイトを作成している場合、リスティング出稿で集客していることがあります。そういった場合はAdWordsに申請するようにしましょう。
Googleの著作権侵害(DMCA)の報告
著作権侵害としてDMCA申請を行う方法です。こちらも一つ一つ申請を行わなければいけないので手間がかかります。
参考:DMCAとは
参考:著作権侵害による削除
自社サイトのHTMLを取得してくるような怪しいBotをIPレベルでブロックする
情報セキュリティ対策の文脈になりますが、こういったミラーサイトは連続的に様々なドメインで作成されることが多いためイタチごっこになりがちです。
Botの精査と仕組み化が難しいですが、IPレベルでHTMLを取得してミラーサイトを生成させるようなBotをブロックするようにするのも一つの手かと思われます。
参考;How do I take down an unauthorized mirror / copy of my website ? – Google プロダクト フォーラム
…今回の事例の場合、順位下落が起きるほど大量に様々なドメインのミラーサイトからのリンクを受けるので、前述のような著作権侵害の報告やフィッシング攻撃の報告を一つ一つやっていてもキリがない事が多いです。よって今回は一旦ドメインごと否認申請を出す形で対処しています。
最後に
激しい順位下落が発生し、ミラーサイトからの大量リンクがその要因となっている可能性が高いと判断されたクライアント様のサイトがここ最近複数あったため、今回事例として紹介させていただきました。
日々検索エンジンはスパム含む低品質リンクに対して取り締まりを厳しくしていますが、検索エンジンも完璧ではありません。こういったリンクによって自分に否がなくとも自社のサイトの順位が下落することは可能性として決してゼロではないので、定期的に外部リンクのチェックを行うことをおすすめします。
【SEO事例】ミラーサイト(フィッシングサイト)リンクのSEOへの悪影響はナイル株式会社 - SEO HACKSで公開された投稿です。