特定の時間帯に、ランダムにCMが放送されるスポットCMの場合、「線引き」というタイムスケジュール表を確認することになります。線引きには代表的ないくつかの種類があり、それぞれに親和性の高いターゲットや商品・サービスが存在します。
ここでは、線引きの概要や種類のほか、線引きをチェックする際のポイントについて解説します。
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線引きとはCMの放送時間がわかるスケジュール表のこと
線引きとは、テレビCMの出稿形式にスポットCMを選択した場合、広告主がテレビ局や広告代理店から受け取るタイムスケジュール表のことです。
線引きには、CMの放送時間とその時間帯における直近の視聴率が記載されており、いくつか用意された線引き案の中から出稿したいものを選んでいきます。
スポットCMは、線引きで指定された時間帯に、ランダムでCMが放送されることになります。特定の番組のスポンサーとなり、その番組の放送時間内にCMを放送するタイムCMとは異なり、放送する番組を指定することはできません。具体的に放送予定の枠が決まった段階で、タイムスケジュールに起こした確定版の線引きを受け取ることになります。
線引きの見方・使い方
ここからは、実際の線引きの見方について、解説していきましょう。
広告主の要望を受けて、テレビ局の作案担当者が線引きを作成します。線引きには赤い線が記載されており、1本の線に対して1本のCMが流れるという仕組みです。この線引きをもとに、テレビ局、広告代理店、広告主で調整し、最終的なCM放送時間帯が確定します。
線引きに記載されている赤い線には、斜めの線と直線があり、CMの放送方法によって使い分けられています。斜めの線は「PT」、直線は「SB」を意味します。
・PT(ピーティー)
PTはParticipating Commercialの頭文字を取った略語で、番組中に流れるCMのことを指します。線引きでは、斜めの赤い線で示されます。
・SB(ステブレ)
SBはStation Breakの頭文字を取った略語で、ステブレと呼ばれます。番組から次の番組へと移るタイミングに流れるCMのことで、線引きでは真っすぐ水平な赤い線で示されます。
線引きの種類と特徴
線引きには、「絵柄」と呼ばれるいくつかの代表的な種類があります。線引きの種類によって、費用や効果的なターゲットが異なりますので、それぞれの特徴を押さえた上で、線引きの種類を選択するようにしましょう。
それでは、代表的な線引きの種類と特徴を具体的にご紹介します。
全日型
平日・土日問わず1日中まんべんなくCMが放送されるのが全日型です。どの枠で放送されるかはテレビ局が決めることになるので、朝5時に放送される可能性も夜8時に放送される可能性もあります。費用的には、単価は最も安くなり、どの枠に流れるかはお任せになります。
食品や日用品、薬品、保険、金融など、全世代がターゲットの商品・サービスや、在宅時間の長い主婦や高齢者向けの商品・サービスと相性がいい傾向があります。
逆L字型
平日のプライムタイム(19:00~23:00)と土日全日にCMが放送されるのが逆L字型です。視聴率の高い時間帯を押さえられるため、費用は高めに設定されていることが多いです。
会社や学校帰りの層が視聴しやすい時間帯のため、自動車やアルコール飲料、家電、化粧品、エンタメなどの商品・サービスと相性がいい傾向があります。
コの字型
平日の朝帯(6:00~9:00)と平日のプライムタイム(19:00~23:00)、土日全日に放送されるのがコの字型です。逆L字型に朝の時間帯が加わった線引きで、こちらも費用はやや高めに設定されています。
通勤・通学前の層に訴求できるため、自動車や飲料、精密機器、家電、化粧品、エンタメなどの商品・サービスと相性がいい傾向があります。
ヨの字型
平日の朝帯(6:00~9:00)と平日の昼帯(12:00~14:00)、平日のプライムタイム(19:00~23:00)、土日全日に放送されるのがヨの字型です。コの字型に昼の時間帯が加わった線引きで、費用は全日型の次に安く設定されていることが多いです。
主婦やOLとの親和性が高い線引きとされており、食品や日用品、薬品、化粧品、家電などの商品・サービスと相性がいい傾向があります。
線引きごとの費用は?
上記でご紹介した、4種類の線引きを費用面で比較すると、全日型が単価で考えると最も安くなり、ヨの字型、コの字型、逆L字型と単価が高くなっていきます。
平日のプライムタイム(19:00~23:00)と土日に放送されやすくなるかどうかによって、費用が変動すると考えておきましょう。テレビCMの放映料は、基本的には視聴率によって異なっており、当然のことながら視聴率が高い時間帯ほど、その金額も高くなっていきます。
線引きでチェックすべきポイント
線引きは、テレビCMが放送される1~2週間前に届くのが一般的です。
ここからは、線引きが届いた際に見るべきポイントについて解説していきましょう。
全体の本数
確定された線引きでは、まずは放送されるCMの本数が合っているかを確認しましょう。本来の本数より多くても少なくても問題がありますので、10本放送する予定ならば正しく10本になっているか、しっかりチェックします。
放送される時間帯
次に、放送される時間帯についてチェックします。時間帯が異なれば、当然視聴者の数や種類も異なるため、ターゲットとしている層が多く視聴している時間帯に放送しなければなりません。
放送される期間
CMが放送される期間についても、しっかり見ておきましょう。例えば、キャンペーン商品の場合、放送期間がずれていたら、CM放送時にキャンペーンが終了しているということもありえます。
線引きの見方を把握しておこう
線引きという業界特有の言葉について、その意味や見方、気をつけるべきポイントについて解説してきました。
線引きによって、自社のCMがどのような時間帯で放送されるかがわかりますので、線引きの見方をしっかり把握しておくようにしてください。
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