リスティング広告は検索エンジンの検索結果に表示できるテキストベースのインターネット広告であり、ウェブ集客の強化には必須の施策といえます。とはいえ、その複雑な仕組みをいまいち理解できない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、リスティング広告の基本的な仕組みや、始める際の注意点などについて解説します。リスティング広告をこれから始める方に向けてわかりやすくまとめたので、ぜひ参考にしてください。
リスティング広告が表示されるまでの仕組み
まず、リスティング広告はどのような仕組みで表示されるのかを理解していきましょう。ユーザー視点では、リスティング広告は以下のプロセスで機能します。
リスティング広告では、広告主はまず、ターゲットとなる「キーワード」https://www.seohacks.net/?post_type=blog&p=11793&preview=trueと広告として表示されるテキストやリンク先、そして「上限クリック単価(入札単価)」を設定します。上限クリック単価とは、その広告がクリックされた際に支払う上限金額のことです。
例えば、広告主が「人気 スニーカー」のキーワードをターゲットに、上限クリック単価500円で設定をしたとします。そうすると、「人気 スニーカー」と検索したユーザーに対して広告が表示され、ユーザーが広告をクリックすると広告主のウェブサイトへ遷移します。
このとき広告がクリックされたタイミングで、設定した上限クリック単価500円を上限に広告主に対して広告費が請求される、といった仕組みです。
リスティング広告の掲載順位が決まる仕組み
続いて、リスティング広告の掲載順位が決まる仕組みについて解説します。
リスティング広告では「設定したキーワードが検索されれば広告が100%表示される」というわけではありません。広告枠は限られており、検索ボリュームの大きいキーワードや成約につながりやすいキーワードは、多くの広告主が掲載を希望し、広告枠が争奪戦となるからです。
ここでは、その掲載順位を決める仕組みについて解説します。
「広告オークション」によって掲載順位が決まる
Googleのリスティング広告では、検索結果の上下に最大4つずつの広告枠が用意されています。そこで、ユーザーの検索が行われるたびに、この広告枠をかけて「広告オークション」が発生します。オークションという名のとおり、広告枠を競りにかけて、表示する広告とその順位を決定するプロセスが自動的に行われるのです。
広告オークションは「広告ランク」によって競われる
ただし、広告オークションといっても「上限クリック単価(入札単価)」、つまり「お金」だけで上位の掲載順位が競われるわけではありません。Googleリスティング広告では、それぞれの広告に「広告ランク」という指標が割り当てられて掲載順位が決まります。この広告ランクは上限クリック単価のほか、後述する複数の要素によって決まります。
さらに、「広告ランク」は常に一定ではありません。広告オークションにかけられるたびに、その時点での競合状況やユーザーの検索背景が加味され、広告ランクは毎回変動します。そのため、同じキーワードを別のユーザーが検索すると、広告の掲載順位は大きく変わることもあるのです。
次の項では、複雑な要素で決まる「広告ランク」について解説しましょう。
上位表示に必要な「広告ランク」を決める4つの要素
リスティング広告で上位表示されるために必要な広告ランクは、以下の4つの要素で算出されます。それぞれ順番に解説していきます。
要素1 上限クリック単価(入札単価)
上限クリック単価を高く設定するほど、広告ランクは高くなります。上限クリック単価とは、広告主が設定する「その広告がクリックされた際に支払可能な上限金額」のことで、入札単価とも呼ばれます。上限クリック単価はいつでも変更でき、広告ランクの値を決定する要素のなかでもコントロールしやすい指標です。
要素2 広告とランディングページの品質(品質スコア)
「広告とランディングページの品質」も広告ランクの値を決定する要素の1つです。いわゆる「品質スコア」と呼ばれるもので、「広告の関連性」や「推定クリック率」、「ランディングページの利便性」により数値化されます。つまりユーザーの検索意図と外れた広告は表示されないように考慮されている、ということです。
品質スコアは1〜10段階で評価され、スコアの値はGoogle広告の管理画面で確認可能です。品質スコアが高いほど、広告ランクも高くなります。
要素3 ユーザーが検索に至った背景
広告ランクの算出においては、下記のようなユーザーが検索に至ったさまざまな背景も反映されます。
- ユーザーが入力したキーワード
- 検索時のユーザーの所在地
- 使用しているデバイス
- 検索が行われた時刻
- 検索語句の性質
- 同じページに表示される他の広告や検索結果
キーワードと広告の関連性は当然ですが、そのほかの要素が複雑に絡みます。例えば、日本国内で検索が行われた場合、当然ながらアメリカで配信している広告は除外されます。また、関西エリアをターゲットとした広告は、関東のユーザーにとって関連性は低いといえるでしょう。
そうした考慮がより細かいレベルでなされ、検索に至った背景と広告とのマッチング度合いによって、広告ランクが変動する仕組みです。
要素4 広告表示オプションの効果
広告表示オプションや広告のフォーマットも広告ランクに影響を与える要素です。広告表示オプションとは、広告文には書ききれないアピールポイントや電話番号などの追加情報を広告に掲示できる機能です。オプションを適切に設定することで広告ランクの向上が見込めます。
リスティング広告を始める際の3つの注意点
ここでは、リスティング広告を始める際の注意点を3つ、紹介します。
注意点1 リスティング広告は継続的な予算の投下が必要
リスティング広告は始めるとすぐに広告表示が可能ですが、裏を返すと停止すればその瞬間にサイトへの流入がなくなってしまいます。継続して効果を得るためには予算を投じ続けなければなりません。
また、リスティング広告は「配信結果を見る→配信前の仮説と照らし合わせる→差分の原因を考える→改善する」、いわゆるPDCAサイクルの工程を踏むことで効果が上がる施策です。
そのため、投じる予算が少なすぎると充分な配信量を確保できず、分析・改善が難しくなります。リスティング広告は分析するためにも必要な広告費をかけ続けることが重要です。リスティング広告の具体的な予算の組み方について以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
この記事もチェック
リスティング広告は、GoogleやYahoo!といった検索エンジンの検索結果上に表示できる広告です。効果的な集客施策ですが、以下のような悩みを持って... もう悩まない!リスティング広告のやり方・始め方完全ガイド - www.seohacks.net |
注意点2 リスティング広告は専門的な知識が必要
リスティング広告で成果を出すためには、専門的な知識が求められます。本記事で解説している仕組みや広告ランクに関する知識はもちろん、アカウントの構成や配信キーワードの設定など実践と経験にもとづいた知識も必要です。
自社で運用者を育てる時間や予算の余裕がある場合は問題ないですが、そうでない場合は代理店への外注依頼をおすすめします。リスティング広告の運用代行を依頼する際に知っておきたいポイントは、下記記事にてまとめています。こちらもあわせて参考にしてください。
この記事もチェック
「リスティング広告の運用代行のメリット・デメリットや費用相場は?」「どのような場合にリスティング広告の運用代行を利用するべき?」「依頼す... リスティング広告の運用代行のメリット・費用相場・注意点を解説 - www.seohacks.net |
注意点3 リスティング広告は継続的な運用の改善が必要
リスティング広告を成功させるためには予算と知識だけではなく、継続的な運用の改善も必要です。特に運用初期の段階は成功パターンを確立できておらず、短期間で多くの施策を試行錯誤していかなければなりません。ある程度成果が出るようになったとしても、競合の増加や検索ボリュームの増減など、環境が変わることで成果が悪化することも考えられます。
そのため運用している間はずっと「予算と知識を持った人材」に稼働してもらう必要があります。
リスティング広告とSEOの違い
リスティング広告とよく比較される集客手法に「SEO」があります。SEOとは自然検索結果の上位表示を狙う対策のことです。どちらも検索エンジンからの集客施策ですが、ここでは両者の違いを解説していきます。
比較項目
|
リスティング広告
|
SEO
|
上位表示の即効性
|
◯
開始と同時に上位表示が可能
|
△
上位表示に数ヵ月の時間を要する
|
上位表示の確実性
|
◯
予算を投じれば上位表示は確実
|
△
上位表示は不確実
|
流入獲得の継続性
|
×
予算を投じなければ表示がされなくなる
|
◯
一度上位表示されると上位表示が続く
|
費用対効果
|
△
費用対効果は一定
|
◎
中長期的に費用対効果が高まる
|
運用コスト
|
×
配信している間運用しつづけなければならない
|
◯
上位表示された後の運用の手間が少ない
|
施策実施の柔軟性
|
◎
予算やキーワードなど柔軟に変更できる
|
×
対策ワードの変更などは困難
|
ブランディング効果
|
×
期待できない
|
◯
期待できる
|
簡単にまとめると以下のとおりです。
- リスティング広告……即時で確実に上位表示できるが、広告費がかかる
- SEO……安定的・継続的な流入確保を無料でできるが、上位表示対策に時間がかかる
このように、リスティング広告とSEOは異なる性質を持つため、併用することで両者のデメリットを補えます。例えばリスティング広告で成果を短期~中期的に出しながら、その間にSEOで長期的な集客基盤を作っておくなど、得意分野を活かした進め方が効果的です。
下記記事にてリスティング広告とSEOの有効なシーンや相乗効果など、より具体的に解説しています。こちらも参考にしてください。
この記事もチェック
「集客を強化したいけど、リスティング広告かSEOか迷っている」「リスティング広告とSEOの違いがよくわからない」「どんなときにリスティング広告... リスティング広告とSEOはどっちが効果的?その違いを徹底比較 - www.seohacks.net |
また、「SEOの基礎知識や実践ノウハウを知りたい」という方に向けて弊社では無料で資料を配布しております。以下のボタンからお気軽にダウンロードしてください。
\右肩上がりの集客を目指すなら!資料ダウンロードはこちらから/
リスティング広告の仕組みを理解して活用しよう
リスティング広告は、上手に活用することで大きな効果を得られる可能性の高い集客方法です。今回紹介した内容は、リスティング広告を実施する方は必ず理解しておくべき基本的な知識といえます。ぜひ、本記事で得た情報をもとにリスティング広告を挑戦してみてはいかがでしょうか。
リスティング広告の仕組みとは?初心者にもわかりやすく解説は【SEO無料相談実施中!】ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。