今すぐ使える30点の実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス
2015年に向けて、利益をもたらす様々なB2Bのコンテンツマーケティングの手法を組み合わせ、コンテンツマーケティング戦略を策定しているだろうか?
答えを出す前に、Content Marketing Institute(CMI)とMarketingProfsが合同で実施した2015 B2Bコンテンツマーケティング 予算、基準、トレンド(北米版)調査を基に、他のマーケッターが利用している手法をチェックしていこう。
2014年、マーケッターは平均で13通りのコンテンツマーケティングの手法を用いている。また、今後の1年間で8つの新たなコンテンツの取り組みを行う計画を立てている。つまり、1ヶ月に実施する取り組みは2つを下回ることになる。
マーケッターの70%は2013年よりも多くのコンテンツを作成している。さらに、 マーケッターの42%は新しいコンテンツを毎週、または、毎日、複数配信している。
2015年 B2Bコンテンツマーケティングの有益な手法
効果的なコンテンツマーケティング戦略を策定するには、様々なコンテンツマーケティングの手法を組み合わせる必要がある。2015年のコンテンツマーケティングを確実に成功に導くため、2015年に使える24点の有益なコンテンツマーケティングの手法、そして、推奨する実用的なコンテンツマーケティングの手法を併せて紹介していく。
B2Bマーケッターの92%はソーシャルメディアのコンテンツを利用している(ブログは含まない) 。
ターゲットのオーディエンスに接触するため、オーディエンスが時間を過ごす場所にコンテンツを配置する必要がある。eMarketerによると、アメリカのインターネットユーザー(成人)はコンピュータ & モバイルデバイスを介して、ソーシャルメディアを平均で1日に67分間利用するようだ。
ソーシャルメディアは、B2Bのコンテンツを効果的に配信する上で鍵を握っている。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- コンテンツマーケティングを各ソーシャルメディアプラットフォームに合わせる。コンテンツマーケティングの効果を高めるため、各ソーシャルメディアサイトに対して、コンテンツマーケティングを適応させ、最適化しよう。
B2Bマーケッターの83%はEメールのニュースレターを利用している。
多くの会社が、Eメールをコミュニケーションの頼みの綱として用いている。顧客のEメールリストを使って、定期的に有益な情報を提供しよう。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- Eメールのニュースレターのフォーマットをスマートフォンのユーザーに合わせる。Eメールの多くは、時間に関わらず、スマートフォンで読まれるためだ。
B2Bマーケッターの81%はウェブサイトで記事を利用している。
品質の高いコンテンツを会社のウェブサイトに掲載し、検索結果で上位にランクインさせよう。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 検索エンジンとユーザーに対してウェブサイトのコンテンツを最適化する。段落を短くまとめ、太字を使い、キーワードに焦点を絞った情報とナビゲーションを活用してもらいたい。
B2Bマーケッターの80%はブログを利用している。
(注記: Social Media Examinerによる2014年の調査ではブログを利用したと回答した参加者は55%であった)
5つの基本的なタイプのコンテンツを介して、ブログはウェブサイトの情報を補う役目を持っている。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- ブログを会社のウェブサイトに統合する。 Orbit Mediaのアンディー・クレストディナは、MarketingProfsが主催した2014 マーケティング B2B フォーラムでこの手法を推奨していた。ブログをナビゲーションに明確に反映させ、ビジターが発見しやすい環境を作ろう。
B2Bマーケッターの77%は直に会うイベントを利用している。
コンテンツの観点で見て、ライブイベントの主催、後援、プレゼン、参加を組み合わせて活用しよう。各取り組みから複数のコンテンツを作成することを目標に掲げてもらいたい。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 事前にイベントのアクティビティを計画し、コンテンツを作るチャンスを最大限に活用する。リー・オデンは、カンファレンスを開催する前にEブックを作成することで有名だ。Eブックは究極のキュレーションコンテンツに挙げられる。
B2Bマーケッターの77%はケーススタディを利用している。
ケーススタディは、以前からB2Bマーケティングの必需品として重宝されてきた。他の会社(実際の顧客)が製品をどのように利用しているのかを紹介すると、顧客候補が選択する際の判断材料を与えることが出来る。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 出来るだけ具体的なケーススタディを作成する。可能な場合は、会社名、そして、数字を用いて、結果等、具体的な情報を加える。ただし、ケーススタディを配信する前に許可を得る必要がある。
B2Bマーケッターの76%は動画を利用している。
製作価値の高い動画を作ろうとすると高額なコストがかかるものの、スマートフォンやコンピュータを使って、魅力的なコンテンツを作るアプローチを検討してみよう。例えば、Spin Sucksのジニ・ディートリヒは、ラップトップで作った短い動画を使って、Facebookで週に1度質問に答えている。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 従業員と顧客の動画を撮影する。動画は文章を作る手間を省いてコンテンツを作ることが可能な優れた手段である。
- 利用許可書を用いる。許可を取ってから動画を投稿する必要がある。
B2Bマーケッターの69%はイラスト/写真を利用している。
視覚的な情報は一瞬のうちに脳に取り込まれる。視覚的な情報には、注目を集め、複雑なコンセプトを簡素化する効果がある。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- イラストや写真を使って画像をテキストのコンテンツに挿入し、読者により長い時間コンテンツに触れてもらう。見せ掛けのストック写真の利用は回避しよう。実際の人物の写真を利用するべきだ。
B2Bマーケッターの68%はレポートを利用している。
顧客候補を魅了するために、最高の情報を提供しよう。例えば、Kelly Servicesは1点のレポートを3点のSlideShare向けのコンテンツに変換し、250名の顧客候補を獲得した。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 視覚的な訴えを活かして、より魅力的なレポートを作成する。画像と太字を駆使して、コンテンツを見てもらえるように工夫しよう。
- レポートをSlideShareで配信し、接触範囲を広げる。通常の会社のウェブサイトと比べると、このB2B向けソーシャルメディアサイトは遥かに多くのトラフィックを獲得している。レポートには、登録して、より詳しい情報を得られる手段を顧客候補のために用意する必要がある。
B2Bマーケッターの65%はオンラインプレゼンテーションを利用している。
顧客候補、その中でも、購入する製品のリサーチを開始したばかりの顧客候補が求める情報を提供して、セールスのリードを増やすことが出来るため、直感的にこのアプローチは理にかなっていると考えられる。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- プレゼンテーションの価値を拡大させる。配信する場所によってコンテンツを作り直し、見つけてもらう確率を高めるためのツールを加える。
B2Bマーケッターの62%はインフォグラフィックを利用している。
インフォグラフィックの利用が大幅に増加している。ニール・パテルは、自身のインフォグラフィックが時間の経過と共に成果が落ちていることを指摘し、この傾向を裏付けている(ニール・パテルは今もインフォグラフィックを利用しており、結果が出ていることは疑いようがない)。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 特別な配信網を作り、インフォグラフィックの接触範囲を広げる。PRとインフルエンサーへの接触を行おう。
B2Bマーケッターの61%はオンラインセミナーやウェブ放送を利用している。
オンラインセミナーは、強力なコンテンツであり、事前に再利用の計画を練って、出来るだけ良い結果を出し、投資を最大限まで活用しよう。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- インフルエンサーに参加してもらう。重要なソートリーダー(新たな考えを示すことが出来る人物)をオンラインセミナーに招待し、接触範囲を拡大する(注記: 取り組みに対する見返りを用意しておく必要がある)。
- オンラインセミナー後に送る一連のEメールを作成する。Eメールアドレスの取得は、この手法を用いる大きなメリットであるため、オンラインセミナー終了後に送信するEメールを事前に作成しておき、この機会を最大限まで活かすべきだ。
B2Bマーケッターの48%は調査レポートを利用している。
人間はデータが大好きな生き物だ。有益で、魅力的なチャートと分析データを用意しよう。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 調査を行う。容易に参加することが出来る調査を使い、従業員やソーシャルメディアのフォロワーの手を借りよう。アンディー・クレストディナは1000名以上のブロガーからブログのデータを集めた。
- 結果を宣伝する。PRとインフルエンサーのネットワークを使って、コンテンツをパワーアップさせよう。
B2Bマーケッターの47%はマイクロサイトを利用している。
特定のカテゴリーの顧客を引き寄せるため、マイクロサイトはターゲットを絞ったコンテンツを提供する。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 用途に合わせたランディングページを利用する。コンテンツとベースに一貫性を持たせ、ビジターにさらに読んでもらえるよう促そう。
B2Bマーケッターの38%は独自のコンテンツツールを利用している。
ここでは、単純な問題を解決するオンラインツールを指す。このツールは製品に関連する具体的な問いに答える。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- オーディエンスが持っている疑問に対して自動的に答えを与えることが可能な場所を決める。セールスリードとして顧客候補をコンテンツへと誘うツールを活用しよう。
B2Bマーケッターの37%はEブックを利用している。
様々な長さと形式のEブックが存在する。マーケッターはこのタイプのコンテンツを外部に依頼することが多い(この手法を用いるマーケッターが少なくて驚いた)。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 既存のコンテンツを魅力的なEブックに編集する。多数の記事を単純にまとめればいいわけではない。新たな見やすいフォーマットで有益な情報をキュレートすると良い。
B2Bの32%は雑誌を利用している。
ターゲットを絞った(印刷)雑誌は、B2Bマーケティングの主力として以前から利用されている。例えば、Content Marketing Instituteは、的を絞った雑誌「Chief Content Officer」を作成している。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 記事を業界の重要な雑誌に掲載する。明確な意図を持って編集者に接触し、問い合わせる。
- 広告の関係を活用する。広告を掲載している雑誌で関連する記事の掲載を要請しよう。
B2Bマーケッターの30%は本を利用している。
個人の取り組みであることが多いが、(印刷)本を出版すると、会社、そして、会社の取り組みを支える関連するイベントにプラスに働く。本を出版すると、重役に講演の依頼が舞い込むこともある。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 狙いのハッキリしたマーケティングキャンペーンを行い、本の宣伝を行う。一流のB2Bマーケッターであっても、書籍が行き届く範囲と生産性を最大限に高めるため、裏方の力に頼っている。
B2Bマーケッターの30%はモバイルアプリを利用している。
モバイルアプリは、開発、ダウンロードの宣伝、そして、ダウンロードしたユーザーへの利用の要請を行う必要がある。オーディエンス側にアプリを利用する理由がある場合、とりわけ効果は高くなる。例えば、MarketingProfs 2014 Marketing B2B Forumは、モバイルアプリを使って、最近のカンファレンスで参加者に情報を伝え、また、積極的な参加を呼び掛けていた。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- ダウンロードと定期的な利用を促す。これは、継続的なコミュニケーションの一環として行うことも、あるいは、特別な狙いを持つメッセージを作って実施することも可能である。
B2Bマーケッターの27%はデジタルマガジンを利用している。
デジタルマガジンは、ハイパーリンクの力と追加の情報を提供する力を活用する。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
B2Bマーケッターの23%は仮想イベントを利用している。
仮想イベントはオンライン版のカンファレンスである。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- イベントの前、最中、後に提供するコンテンツを企画する。顧客候補が求めるイベント関連の情報を提供しよう。
B2Bマーケッターの22%はポッドキャストを利用している。
ポッドキャストは、コンテンツマーケティングを行う機会をもたらす。以前からポッドキャストを実施しているマイク・ステルツナー等の一流のマーケッターの取り組みを参考にすると良いだろう。パット・フリン曰く、ブログのビジターの20%はiTunesのポッドキャスト経由でアクセスしているようだ。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 人気の高いポッドキャストでゲスト出演する。他の誰かのポッドキャストを使って、ポッドキャストを試してみよう。
- 自社メディアでポッドキャストの宣伝を行う。第三者のサイトとソーシャルメディアでのプロモーションに加え、ウェブサイト、ブログ、Eメールでポッドキャストを大々的に宣伝しよう。
B2Bマーケッターの21%は紙媒体のニュースレターを利用している。
その他の印刷媒体と同じように、ニュースレターの利用も減少している。しかし、郵便物を受け取る機会が減っているため、紙媒体のニュースレターは飛躍的な効果をもたらす可能性がある。
実用的なコンテンツマーケティングのアドバイス:
- 紙のニュースレターを始める、または、継続を決定する前にメリットとコストを計算する。製作費、印刷費、そして、郵便代金に加え、増えていくメリットを評価しよう。
B2Bマーケッターの12%はゲーム、または、ゲーミフィケーションを利用している。
ゲームとゲーミフィケーションは、消費者向けのアイテムであることが多く、B2Bマーケッターはこの手法をあまり魅力的だとは感じていない。
上位にランクインしたコンテンツマーケティングの手法
慌てて、24点の手法を全てマーケティングの計画に加える前に、上位にランクインしている手法を振り返ろう。
- 直に会うイベントは、5年連続でB2Bコンテンツマーケティングの手法において1位を獲得した。会社を飛び出し、人と会って関係を構築する必要があるため、当然と言えば当然である。
- 2番人気はオンラインセミナー。ライブイベントと同じように、オンラインセミナーでは、ターゲットのオーディエンスが必要とする有益な情報を提供する。オンラインセミナーの開催には、Eメールアドレスを獲得し、別のコンテンツを用いて関係の構築を継続することが出来る効果がある。
- 動画はB2Bコンテンツマーケティングにおいて3番目に多く利用されている。動画の人気は高い。YouTubeに投稿して、検索を強化しよう。YouTubeは世界で2番目に大きな検索エンジンであり、その接触範囲は広範に及ぶ。
- 4番目に利用が多かったのはブログであった。ブログでは、検索のトラフィックをもたらし、顧客の疑問に答える情報を提供すると良いだろう。
今回紹介した「2015年版 コンテンツマーケティングの手法」を組み合わせれば、コンテンツマーケティング戦略にプラスに働く。
具体的な手法を選択する際は、ターゲットのオーディエンスに接触し、事業の目標を達成する上でどのように効果があるのか特定するべきである。また、利益の増加をもたらすために必要とされるコストを算定する必要もある。
競争に勝つために、毎月、コンテンツマーケティングの取り組みを1つか2つ企画し、編集カレンダーに盛り込んでおこう。
今回紹介したB2Bコンテンツマーケティングの手法のリストから、どの手法を採用して来年のコンテンツマーケティングを進めていくつもりだろうか?その手法を選んだ理由も聞かせてもらいたい。
この記事は、Heidi Cohenに掲載された「Top 2015 B2B Content Marketing Tactics」を翻訳した内容です。