「CM進行表」とは、CM素材の情報やCMの放送スケジュールなどを詳細に記入したもので、テレビ局がCMを事故なくスムーズに放送するために必要な情報です。
CM進行表がどのように作成され、どういった場面で必要となるのか、CM制作のフローにのせて解説します。本記事を読むことで、CM放送までに準備しておく事柄やCM制作の全体像を把握することができます。
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CM進行表とは
CM進行表とは、提供表示に関する情報やCM素材の情報(放送番組、放送日、時間枠、秒数など)を表にあらわしたものです。CM入稿の際に、CM映像の素材とセットでテレビ局に提出します。
CM進行表の種類
CM進行表には、放送したいCM枠の種類によって2つのタイプがあります。それぞれ見ていきましょう。
タイムCMに必要な「テレビ番組CM連絡票」
特定の番組のスポンサーとして、その番組のCM枠で放送する「タイムCM」の場合、「テレビ番組CM連絡表」を使用します。
スポットCMに必要な「テレビスポットCMスケジュール表」
ステーションブレイク(番組と番組の間のCM枠)など、特定の番組に関係なく、テレビ局が指定した時間帯で放送するCMを「スポットCM」といいます。このスポットCMの場合は、「テレビスポットCMスケジュール表」を使用します。
ほかにも、15秒CMを1本単位から放送できるSAS(スマート アド セールス)もありますが、いずれも記載する項目は素材内容、放送日時、秒数などが基本となります。
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CM放送までのフロー
CM進行表がどの段階で必要となるのか、CM放送までのフローとともに見ていきましょう。
1 放送局やCM種類の検討
CM制作が決まったら、CMを流す放送局やCMの種類を検討します。CMの種類は、番組のスポンサーとして放送するタイムCM、番組に関係なく時間枠を指定して放送するスポットCM、放映日時や番組、本数を指定して放送するスマートアドセールスなどがあります。
2 業態審査
各放送局において、CM出稿が初めての企業を対象に、業種や商品、健全性などがテレビCMの放送基準に適しているかどうかを審査します。
3 CM放送枠の交渉・契約
CMの種類が決まったら、テレビ局と交渉し、CM契約を結びます。
スポットCMの場合、企業側が時間枠やGRP(視聴率)などの希望を伝えて、放送局がタイムスケジュールを元に放送日時や本数を提案します。その後、企業側がCM素材を割付けをします。割付けは、例えばA商品のCMは〇日に何本、B商品は〇日に何本放送したいなどの要望を出していくことです。双方が合意すれば契約成立、CM放送が決定します。
無事にCM契約を結んだら、CM素材の作成と並行してCM進行表の作成を進めていきます。
4 CM素材の作成
広告代理店と打ち合わせをしながら、どのようなCMを作るか企画を立て、内容をまとめます。広告主(自社)として、CMを作る目的や期待する効果などをできるだけ明確に伝えましょう。実際のCM制作は広告代理店を通じて制作会社に依頼します。
5 CM表現考査
仕上がったCM素材を再度、テレビ局の審査にかけます。CMは繰り返し放送されるという特性上、視聴者に大きな影響を与えます。そのため、CMの表現が放送倫理に反してはいないか、放送基準が守られているかなどを厳しくチェックし、テレビ局が放送してもよいと判断した場合のみ、CMを流すことができます。
6 入稿
CM表現考査をクリアしたらいよいよテレビ局にCMを入稿します。
入稿するものは主にCM進行表(スケジュール表)、CM素材、CM素材交換メタデータ、10桁CMコードです。
CMの入稿に必要な基本4点を解説
テレビ局にCMを入稿する際、CM素材も含め、少なくとも以下の4点を提出する必要があります。それぞれ解説します。
CM進行表
タイムCM用の「テレビ番組CM連絡表」、スポットCM用の「テレビスポットCMスケジュール表」など、CMの種類に応じたCM進行表をテレビ局に提出します。
素材データ(CM映像)
CMの素材データはXDCAM形式のデータをメディア(XDCAM用プロフェッショナルディスクなど)、またはオンラインでテレビ局に入稿します。映像データと併せてCM素材に関するデータ(CM素材交換メタデータ)を添付します。
なお、以前は一般的だったHDCAM形式のカセットテープによる入稿は、2021年3月をもって終了しているので注意しましょう。
CM素材交換メタデータ
素材データには併せて「CM素材交換メタデータ」というデータファイルを同梱する必要があります。CM素材交換メタデータとは、CM素材に関わる詳細な情報(スポンサー名・素材名・素材秒数など)をXML形式で示したもので、テレビ局がCMをスムーズに管理するために必要なデータです。
なお、スポンサー名・素材名・素材秒数などのCM素材に関する情報は、CM素材交換メタデータ以外でも表示する必要があります。CM映像の冒頭にクレジット表記させたり、メディア媒体で入稿する場合は媒体やケースにシールで貼るなど、入稿に当たって細かい規定があります。
10桁CMコード
4桁の広告事業者コードと6桁の素材コードで構成された「10桁CMコード」は、テレビCMを放映するまでのステップにおいて、確認用のIDとして利用されます。10桁CMコードがなければ、CM放送をすることができないほど重要なコードとなります。
CM進行表、CM素材、メタデータなど提出するものすべてにこの10桁CMコードが必要となるので、早めに申請して取得しておきましょう。
CM制作は大変?企業側がすべきこと
CM制作は進行表の作成から放送枠の交渉、素材制作、納品に至るまで、やることが多く、細かな規定もたくさんあります。
しかし、通常は企業(広告主)とテレビ局は直接やり取りすることはなく、広告代理店が仲介することになっています。つまり、広告代理店が企業に代わってCM枠の交渉から各種申請、制作から納品まで一手に担うので、企業として動くことは実はほとんどありません。それだけに、広告代理店がテレビCMの成功を左右するといっても過言ではなく、広告代理店選びこそ、企業がもっとも注力すべきことでもあるのです。
なお、ナイルでは大手広告代理店と提携し、テレビCM支援を行っています。効果が出ないCMを出稿し続けることがないように、ナイルが広告代理店との交渉をお手伝いさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
また、テレビCMを成功させるためのポイント5選をまとめた資料もご用意しております。
- ポイント1.商品の便益
- ポイント2.GRPの単価
- ポイント3.線引き
- ポイント4.クリエイティブ
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