HubSpot(ハブスポット)は、「インバウンドマーケティング」の思想を基盤とした統合型ビジネスプラットフォームです。MAツールだけではなく、セールスやカスタマーサポートの領域のツールが用意されています。
ここでは、HubSpotの特徴や主な機能のほか、導入方法や料金について解説します。
HubSpot(ハブスポット)は統合型ビジネスプラットフォーム
HubSpotは、世界120ヵ国以上に普及し、11万社を超える企業が活用しているビジネスツールです。
HubSpot社は、2005年に誕生しました。全米で屈指のエリート校であるMIT(マサチューセッツ工科大学)大学院の同期生だった、ブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアのふたりが、共同で設立しました。日本では2016年に、HubSpot Japan株式会社が設立されています。
HubSpotは、さまざまなソフトウェアを組み合わせて活用できるのですが、根底にあるのが「インバウンドマーケティング」の思想です。インバウンドマーケティングとは、価値あるコンテンツを提供することで、顧客を惹きつけて、継続した関係性を構築するビジネス手法になります。顧客が望んでいる情報提供にならない可能性があるアウトバウンドマーケティングとは異なり、インバウンドマーケティングでは、顧客にとって望ましいコンテンツが接点となることで、信頼関係を構築することができます。
このインバウンドマーケティングの概念を、広く世の中に知らせたのが、HubSpot社の協同設立者であるふたり、ブライアンとダーメッシュでした。
HubSpot社設立前の2004年、ふたりは消費者の購買行動に変化が起きていることに気づきました。
「消費者は、派手なアピールばかりを続ける広告に、うんざりしている」
「消費者は、マーケターや営業担当者に邪魔されるのではなく、力になってほしいと考えている」
それまで、「プッシュ型」が主流だったマーケティングの領域に、顧客から問い合わせをもらって受注する「プル型」の概念を持ち込んだのです。統合型ビジネスプラットフォームであるHubSpotは、このようなインバウンドマーケティングの思想を元に設計されています。
HubSpot(ハブスポット)の特徴
HubSpotは、さまざまな特徴を備えています。HubSpotを活用する上で、どのような特徴があるのか、それぞれの詳細を解説しておきましょう。
特徴1 マーケティングに関わる業務を完結できる
HubSpotは、統合型ビジネスプラットフォームとして、さまざまなソフトウェアを組み合わせて使うように設計されています。
MA(マーケティングオートメーション)の機能を実装したソフトウェア「Marketing Hub」を中心に、営業、カスタマーサービスの領域を担う複数のソフトウェアを組み合わせて活用していきます。そのため、マーケティング活動を中心に、商談・取引の管理、成約後のカスタマーサポートまで、幅広い領域での対応が可能です。
特徴2 有料プランの選択肢が豊富で無料プランも充実している
HubSpotでは、MAやセールスやカスタマーサービスの各種ソフトウェアに、複数の料金プランを設定しています。そのため、必要な機能や自社の規模に合わせて、最適な組み合わせを選ぶことができます。また、各種ソフトウェアの無料版が用意されていて、気軽に試してみることができるのも、HubSpotの大きな特徴です。
まずは、無料版を使ってみながら、有料版のプランを試してみるといいでしょう。
特徴3 企業のフェーズに合わせたサポート体制がある
HubSpotは、サポートが充実していて、ソフトウェアごとに初期導入の支援プログラムが用意されています。MAとHubSpotの基本的な使い方や活用法について、規模に応じたサポートを行ってくれます。また、継続的なサポートが必要な場合は「プロフェッショナルサービス」として、テクニカルコンサルタントやインバウンドコンサルタントが対応。業務課題や技術的な問題の解決にあたってくれます。
さらに、HubSpotでは各ソフトウェアの使い方を学べる学習用コンテンツや、貴重な情報交換の場となるユーザーコミュニティも用意されています。
HubSpot(ハブスポット)の主な機能
HubSpotは、複数のソフトウェアを組み合わせることで、統合型プラットフォームとして活用することができます。それぞれのソフトウェアでどういったことができるのか、その機能を説明していきましょう。
Marketing Hub(マーケティングハブ)
HubSpotの中核となるのが、「Marketing Hub」というソフトウェアで、マーケティング業務全般がカバーできます。ブログ記事やLP(ランディングページ)の作成機能、メールやSNS、ウェブチャットでのコミュニケーション機能、SNSの管理と広告のトラッキング機能が備わっています。さらに、作成したページに対してSEO上の改善点をリアルタイムで表示してくれる機能や、LP内でのリアルタイムチャットも用意されています。
獲得したリードはリスト登録され、一連の行動とコミュニケーションを履歴に残すことができますから、きめ細かなナーチャリングが可能になるでしょう。
Sales Hub(セールスハブ)
「Sales Hub」は、営業部門の業務支援を行うソフトウェアです。Sales Hubには、顧客情報やコミュニケーションの管理だけにとどまらず、反応のよかったメールをテンプレート化したり、送信したメールの開封確認をしたりすることができます。また、顧客との通話を記録・文字起こしするだけでなく、AIによる分析によって、トークの改善を図ることも可能です。
Service Hub(サービスハブ)
「Service Hub」は、カスタマーサポート支援を行えるソフトウェアです。カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせに対して、迅速かつ的確な対応が求められます。Service Hubによって、すべての顧客データとコミュニケーションチャネルを一元管理され、ヘルプデスク業務に優先順位を付けて重要な課題から対応できるようになります。
顧客の依頼をチケットとして管理して、チケットごとに作業を自動化することで、カスタマーサポートの業務負荷を軽減していきます。また、顧客自身が問題解決できるように、ヘルプ記事や動画を作成して設置することで、問い合わせの件数を減らすことができます。
CMS Hub(シーエムエスハブ)
「CMS Hub」は、コンテンツマネジメントシステムのことで、ブログ記事やLPに用いるコンテンツをまとめて管理することができます。訪問者の属性に合わせて、ページをパーソナライズしたり、PCかモバイルかを判別して最適化したりすることが可能です。エンジニアの手を借りることなく、機能的で統一感のあるサイトを構築できるのです。
Operations Hub(オペレーションハブ)
「Operations Hub」は、オペレーション支援ソフトウェアになります。社内で使われるさまざまなアプリケーションを連携し、顧客データを整理して統合します。
HubSpot(ハブスポット)の導入方法・利用料金
HubSpotでは「Marketing Hub」をはじめ、ほとんどのツールに無料版あるいはデモ版が用意されています。まずは、無料版・デモ版で使い勝手を試してみて、それから有料版を購入するというステップがいいでしょう。
有料版は、企業規模や必要な機能によって、2〜3のプランに区分されています。どのプランが自社にフィットするか、見比べながら検討してください。複数のツールを組み合わせて契約することも可能です。
<利用料金> ※2021年7月30日時点
Marketing Hub
・スターター:月額5,400円
・プロフェッショナル:月額9万6,000円
・エンタープライズ:月額38万4,000円
Sales Hub
・スターター:月額5,400円
・プロフェッショナル:月額5,400円
・エンタープライズ:月額14万4,000円
Service Hub
・スターター:月額5,400円
・プロフェッショナル:月額4万3,200円
・エンタープライズ:月額14万4,000円
CMS Hub
・プロフェッショナル:月額3万2,400円
・エンタープライズ:月額10万8,000円
Operations Hub
・スターター:月額5,400円
・プロフェッショナル:月額8万6,400円
HubSpotは、それぞれのツールに常にブラッシュアップを繰り返しており、実装機能や価格が変更になる場合があります。最新の情報はオフィシャルサイトで確認してください。
選択肢と料金の幅が豊富な自由度の高いプラットフォーム
HubSpotは、マーケティングや営業、カスタマーサポートといった部署で活用しやすいさまざまなソフトウェアを組み合わせることができます。そのため、必要な機能を自由に選んで組み合わせることが可能です。
さらに、料金設定が豊富で無料プランも用意されていますから、まずは試してみたいという場合に、気軽に利用できるのがうれしい点です。ぜひHubSpotを活用して、顧客と信頼のある関係性を築いてみてください。
なお、ナイルにお問い合わせいただければ、MAツールについて最適な内容をご案内いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
HubSpot(ハブスポット)とは?特徴や機能を解説は【SEO無料相談実施中!】ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。