ウェブマーケティングの一環として、「オウンドメディア」による集客活動が広く認知されました。今や多数の企業が、自社ウェブサイトでのブログなどを実践しているのではないでしょうか。企業規模などによってはマーケティングに割ける予算も限られているため、社内でオウンドメディアのコンテンツを内製する場合もあるでしょう。
しかし、社内コンテンツを内製化するにあたってコンテンツ制作の経験者がいるとは限りません。コンテンツ制作は意外と奥が深く、最近ではアフィリエイト目的のブログでさえハイレベルなコンテンツを公開している状況です。そのため、中途半端な記事では読まれないおそれがあります。
では、どのようにすれば解決できるのでしょうか。私は解決のキーになるのは、編集者の存在と編集者が持つテクニックだと思います。
そこで、本記事より数回にわたり、オウンドメディア編集者に必要なスキルを紹介します。社内でオウンドメディア編集者として任命を受けた人に向けて、コンテンツ制作でやるべき業務をまとめていこうと思います。
第1回目は、「記事構成」の作り方です。この記事構成のクオリティ次第で、素人とプロの違いが出ますので、ぜひ参考にしてください。
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記事構成とは?
まずは「記事構成」とは何かを簡単に説明していきます。記事構成とは、記事に掲載するパラグラフの構成を決めたもののことです。つまり、コンテンツの設計図というべき存在で、あらかじめ記事で伝える内容を明確にすることで、記事を書くときにスムーズな執筆ができるようになるのです。
記事構成の記載内容は?
次に記事構成で、記載すべき内容を紹介します。今回は、ナイル株式会社で実際に利用している記事構成の構成をベースに、最低限必要な項目をピックアップしました。
自社用に項目を増やしたり、記載内容を詳細にしてもいいでしょう。また、記載はExcelやGoogleスプレッドシートを用いると見やすくなります。
記事テーマ(タイトル)
「記事テーマ」とは、作成予定のコンテンツがどのような内容なのかを端的に表したキャッチコピーのようなものです。例えば、本記事のテーマであれば「記事構成の作成ガイド」となります。この時点で、個人的には記事タイトルの候補を記載することをおすすめします。記事タイトルにしておけば、SEO上位を狙うキーワードがきちんと盛り込まれていることや、そのタイトルが読者の目を惹くものかもチェックできるからです。
検索キーワード
「検索キーワード」とは、作成予定のコンテンツで検索上位を狙いたいキーワードのことです。キーワードは1つの単語でもいいですし、2つ以上の複合キーワードでも構いません。本記事でいえば、「記事構成」「記事構成 作り方」などがキーワードになります。
また、このキーワードを記載する意味としては、既存記事や同時期に制作するほかの記事と、キーワードが重複しないようにする役割もあります。本来であればキーワード設定時に注意すべきことですが、記事構成が完成した段階で、既存記事と重複する内容だと気づくケースもあるのです。
可能であれば、キーワードの検索ボリュームも併せて記載すると、コンテンツ制作を検討する材料となります。
記事の概要(リード)
「記事の概要」は、記事がどのような内容になるのかを記載したもので、記事テーマをより深く掘り下げ、記事で伝えるべき内容をより明確にしていきます。
記事の冒頭に記載する「リード文」と役割が似ていますので、私が記事構成を作る場合は、この時点でリードを記載しておきます。そうすれば、記事構成をチェックしてもらう際に、方向性の間違いなどがあれば、発見しやすくなるからです。
記事作成の目的(ターゲットとゴール)
「記事作成の目的」とは、記事の企画意図を書く部分のことです。「誰に何を発信して、その結果どうなるのか?」という「ターゲット」と「ゴール」を明確に記載しましょう。
本記事でいえば、「オウンドメディア編集者が、記事構成の作成方法を学び、コンテンツ制作に役立つ記事」です。ナイルの視点では、「オウンドメディア編集者が、記事構成の作成方法を学び、コンテンツ制作に役立つ記事を読み、ナイルの持つ知見やスキルに信頼をしてもらい、コンテンツ制作を依頼してもらう」ことが、記事作成の目的になるわけです。
記事詳細(見出し詳細)
「記事詳細」では、概要をさらに掘り下げるのではなく、どのような構成になるのか「見出し」や「小見出し」などを箇条書きにします。
例えば「玉子焼き」を作る記事であれば、「材料の準備」「調理」「盛り付け」「実食」などが見出しになり、「玉子を割る」などが小見出しになります。
想定文字数
「想定文字数」は、制作するコンテンツがどのくらいの文字量になるかを記載します。役割としては2つあります。1つ目は「競合記事に対して文字量が多いかどうか比較できる」ことです。2つ目は「コンテンツ制作にどのくらいのリソース(外注なら予算)が必要なのかを知ることができます。
なお、実状として注意すべき点は、無意味に文字数を増やすことです。記載すべき内容が十分にあればいいですが、競合に対抗するためだけに想定文字数を増やすのは危険です。
私はライターとして「その文字量は書けません」とお伝えし、文字量を調整したことがあります。しかし、一般のライターの中には「指示があるから」と、原稿を水増ししたり、冗長なテキストを書いたりすることもあります。この場合、指示したほうが悪いわけですから、あとで泣きながら修正することになりますので注意しましょう。
参考サイト
「参考サイト」では、参考にした記事のタイトルやURLを記載します。この参考サイトは、後述する「競合記事の調査」で調べたサイトをベースに増減すればいいでしょう。
この参考サイトの役割としては、本記事を作成する際に「どの記事を参考にするのか」がわかることです。また、タイトルの差別化をする際に、競合記事のタイトルと比較できるメリットもあります。
なお、ナイル編集者も使用している、記事構成シートのダウンロードはこちらから。
- 見出しや記事の流れをまとめた設計図が作成できる
- 記事構成シートによって、執筆しやすくなる
ダウンロードの上、ぜひ活用してみてください。
記事構成が持つ3つの役割
記事構成を作るのは、少し手間のかかる作業ですが、作成することでさまざまなメリットをもたらします。ここでは、記事構成が持つ3つの役割を紹介しましょう。
競合記事の記載内容が研究できる
コンテンツ制作で一番危険なのは、思いついたままテキストを書くことです。この場合、内容はライターの頭にある内容以上のものは出てきませんし、読み手にわかりやすい順番でないかもしれません。その結果、競合記事には記載されている「重要な要素」を見落とす可能性もあります。
記事構成を作れば、競合記事の記載内容を研究できるので、そのようなミスはなくなるでしょう。競合記事との比較だけではなく、必要だと思う内容があればそれを記載し、競合記事との差別化を図ることが大切です。
ライターへの齟齬がなくなる
記事構成を作ってライターに依頼すれば、依頼内容に齟齬がなくなります。記事構成はコンテンツの設計図ですから、記載された内容に沿って執筆すれば内容に抜け漏れも発生しませんし、方向性のブレも避けられるでしょう。
上司のチェックがスムーズになる
ライターへの依頼に齟齬がなくなるように、完成したコンテンツのチェックで上司からの記事内容に対するリテイクを避けることもできます。記事構成ではっきりと明文化していれば、仮にリテイクがあったとしても前向きな修正につながるでしょう。
なお、ナイルのようなクライアントワークの場合も同様です。クライアントに記事構成を確認してもらっておけば、責任の所在が明確になるのでトラブルを避けられます。
記事構成を作る5つのステップ
実際に記事構成を作る場合は、以下の5ステップを踏むといいでしょう。ただし、この順序はあくまで定型であり、企業によっては最適な順番も異なります。したがって、必ずしも順序どおりにする必要はありませんが、作業工程だけは飛ばさないようにしてください。
ステップ1:企画を考える
コンテンツ制作をする場合、まずは「企画を考える」ことからスタートする場合が多いです。企画は記事構成の「記事作成の目的」部分にあたりますので、「ターゲット」と「ゴール」を明確にして「どのような記事にすれば目的を達成できるのか」を考えて作ります。
例えば、自社製品を売るための企画であれば「製品を使うメリット・デメリットを紹介する記事」「製品を実際に使った体験記」などになるでしょう。
ステップ2:キーワードを決める
企画が決まったら、SEOで検索上位を狙うためのキーワードを決めます。例えば、前述した自社製品を売るための企画のキーワードとして「製品名 メリット」にしたいと考えるかもしれません。
しかし、そのキーワードの検索ボリュームが「0」だったらどうでしょうか。誰も検索しないキーワードでは、せっかくコンテンツを制作しても流入は望めません。そこで、製品名ではなく、製品のジャンルやできることから推察して探していきます。
例えば、製品がジューサーであれば「ジューサー メリット」にするとか、「ジュース 作り方」などです。なお検索キーワードについての詳細は、以下の記事をご参照ください。
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ステップ3:競合記事を調査する
次に競合記事を調査します。参考サイトにする記事は、検索上位10位以内から、作成するコンテンツにテーマや目的が近いものを選出しましょう。この参考サイトの役割としては、本記事を作成する際にどのような内容を盛り込めばいいのかを知ることです。また、タイトルの差別化をする際に、競合記事のタイトルと比較できます。
ステップ4:記事詳細に落とし込む
競合記事を調査したら、そこに記載されている内容を取捨選択して、記事詳細を作っていきます。できるだけ包括的に選ぶべきですが、場合によっては論点がずれているものや、古い内容があるかもしれません。また、インターネットに存在しているコンテンツのすべてが正しいものとは限らないので、必ず精査しましょう。
ステップ5:記事タイトルやリードを作る
ステップ4までで、キーワードや記事詳細など、そのまま記事構成に記載できる項目もあります。ステップ5では、これまでのステップで得た情報をもとに、残りの項目を埋めていきます。
企画とキーワードが決まれば、記事タイトルを作ることが可能です。また、競合記事をたくさん調べることで、リードでどのようなアプローチをすればいいのかも見えてくるでしょう。
記事構成にオリジナル要素を持たせよう
本記事で紹介した記事構成の作り方は、どちらかといえば既存の競合コンテンツをベースにした構成案です。この方法は最低限必要なものであり、包括的な内容や差別化を図るときに有効です。
SEOで検索上位を上げるためには、社内で作り上げた記事構成にオリジナル要素を盛り込むことが重要になります。読者満足度の高いオリジナルコンテンツを作るように心がけましょう!
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ナイルのコンテンツ制作代行プランをご用意
なおナイルでは、コンテンツ制作代行のプランをご用意しております。さまざまなコンテンツを作成して、情報発信していきたいけれど、記事を書くリソースがない場合、まずはお気軽にご相談ください。
SEOに強くなる!記事構成の作り方を解説【オウンドメディア編集者に必要なスキル 第1回】は【SEO無料相談実施中!】ナイルのSEO相談室で公開された投稿です。