SEOの情報収集のポイント

SEOはアルゴリズムアップデート、Google Search Consoleの新機能の発表、検索結果画面の変更など、新しい情報が多い業界です。また、英語の情報を見る機会や、いくつかの日本語訳された記事を見て情報を判断することも多いと思います。今回は「情報収集のポイント」として、

①コンテンツを作るときだけではなく、コンテンツを読むときにもE-A-Tを意識すること

②SEOの「正しい」情報を集めるために、ナイルのコンサルタントがやっていること

を解説します。

記事を読むときこそ、E-A-Tを意識しよう

SEOに携わる人なら誰もが知っているE-A-Tは、コンテンツを作る際に考えられることが多いように思います。

E-A-T

しかし、インターネット上にある情報を読むときこそ、E-A-Tを意識すると、正しい情報により早くアクセスできるのではないでしょうか。
また、情報を集めるときに、日頃からE-A-Tを意識することはいいコンテンツ作りにも活かせるんじゃないかと思います。

例えば記事を読むときには、以下のような点を確認してみてください。

  • 誰が運用しているか
  • 何をもとにその記事を書いているか
  • その記事がシェアされている場合、どういう人がシェアしているか

その辺りを単純に情報が流れてきたときに、パッと見るのではなく、一歩引いて確認すると、その情報の正確さや、もし偏った意見になっている場合はその偏りに気づくことができます。

書籍や論文を読む時は、だれもが著者の研究内容、所属企業を確認すると思います。また、研究論文を読むならば調査範囲などを調べ、その著者の情報が信じられるものかどうか考えると思います。

それと同じことを、インターネットで手軽に情報が入るからこそ、考えてみると、良質な情報を判断できるようになります。

特にSEOはそのあたりを誤ってしまうと、サイトに大きなマイナスの影響を与えかねないので、時間が許す限りは、しっかりと情報と情報元を確認することをおすすめします。

ナイルのSEOコンサルタントの情報の集め方

SEOの世界ではGoogleの社員のツイートなどを含めると、月に何百もの情報が流れます。

その情報を正確に理解するために、どのようなことをしているのか解説していきます。

一次情報を読む

SEOの世界での一次情報の判断は難しく、「何をもって一次情報とするか」という疑問はあると思いますが、、、

ここでは、

  • 施策の実施者による経験や、調査の結果
  • Googleの公式アナウンス

を一次情報としてお話したいと思います。

企業ブログや、個人ブログなどでSEOの情報を見るときは、その情報がその人やその企業の経験、調査に基づく一次情報なのか、あるいは本や他の記事などを読んで考えたことなのか、まずは客観的に考えてみるのがよいでしょう。

次に、もしその情報が一次情報ではないのなら、記事の中にある引用元や、参照記事を確認しに行きましょう。

それを繰り返すことで、元の記事(=一次情報)にたどり着ける可能性があります。

また、Googleの発表はまずTwitterで出すことが多いので、Googleの主要なTwitterアカウントを押さえていくのが最低限アクセスする上で重要です。

▼アカウントの例
Google Webmasters:https://twitter.com/googlewmc

Google WebmastersTwitterアカウント

140文字ですし、そんなに難しい表現をGoogle側も使っていないため、英語に不慣れでも読めます。

そのうえで、さらに詳しい情報がほしくてインターネット上で情報を探している時や、誰かのSEOに関する記事の参照を辿った時、Googleの発表・Google社員の発言・Googleのイベントでの内容など、一次情報は英語のソースにあたることが多いです。

少し気が重いかもしれませんが、英語の記事であっても必ず自分で読むようにしましょう。

Googleの拡張ツールをいれておき、英語を一発で日本語訳してしまえば、ある程度は読める文章になります。

また、Googleはブログも公開しているので、大切な情報は合わせてそちらも確認すると良いでしょう。

英語で情報を集めるときには、「直訳部分」にアンテナを張る

Google翻訳をしてみて、日本語になった記事を読むときには、「直訳になっている」「意味が伝わらない日本語」にアンテナを張って読んでみてください。

これはやっているうちにどんどん慣れてきて、気づけるようになります。

初めての人でも、アンテナさえ張っていれば気づけると思います。

こちらはChromium Blog: Introducing Web Vitals: essential metrics for a healthy site(和訳 Chromiumブログ:Web Vitalsの紹介:健全なサイトに不可欠な指標 のLCPの解説を日本語訳にしたものです。

最大のContentful Paintは、認識された読み込み速度を測定し、ページのメインコンテンツが読み込まれる可能性が高いときに、ページ読み込みタイムラインのポイントをマークします。

元の英文はこちらです。

Largest Contentful Paint measures perceived load speed and marks the point in the page load timeline when the page’s main content has likely loaded.

たとえばですが

  • 「最大のContentful Paint」ってLCPのことかな?
  • 「認識された読み込み速度」って何?何が、何を認識するの?
  • 「読み込まれる可能性」って具体的に何?

など、直訳されているところに、アンテナを張って読んでみましょう。

慣れてくるとこのあたりの抽象的な訳に対して「このことを言っているのかな」と自分なりの答えがつかめてきます。まずは英単語・英文を見に行き、その単語の意味を調べ、SEOの知識と紐づけて「このことを言っているのかな」と仮説を持ちながら読んでいきます。

たとえば上記の英文なら、私は以下のように訳します。

「LCPは、そのページのメインコンテンツが、読み込まれた(だろう)時間を計測する指標」

とはいえ、「メインコンテンツ」とは何だろう?などの疑問も残ると思うので、更に参考(外部サイト):Largest Contentful Paint (LCP)の説明を読み、理解を深める他、他の方が訳された内容と比較して、少しずつ精度を高めていくと良いです。

例えば、鈴木健一さんは、Web担当者Forumにて、

「(LCPとは)「最大コンテンツの描画」の意味で、ユーザーの認識としてのページ表示速度を測る指標。ブラウザの表示範囲内で、最も大きなコンテンツ(画像・動画の初期表示画像・背景画像のある要素・テキストを含むブロックレベル要素など、そのページでメインとなるコンテンツ)が表示されるまでの時間を表す。」

参考(外部サイト):【重要】コアウェブバイタルとは? グーグルのUX指標LCP/FID/CLSの意味や基準値をわかりやすく解説【SEO情報まとめ】|海外&国内SEO情報ウォッチ|web担当者Forum から引用

と訳されており、先程のページと合わせて、「メインコンテンツ=最も大きな(読み込みに時間を要する)コンテンツ」であることがわかります。

このように、最初は時間がかかりますが、気になる訳を1つ1つ解決していくと、自分でも正しい情報を取得できるようになります。

正しい情報の取得

Web Vitalsのニュースならば 「FID」「LCP」「CLS」という3つのキーワードについては、直訳したり、自分なりに意訳し、それぞれがどういう意味なのかを把握しつつ、Googleのヘルプ記事を読み込みます。

このように自分で一次情報をしっかり理解してから、翻訳されたサイトの記事を見に行くことがポイントです。翻訳された内容だけで理解しようとすると、確認した記事によっては誤った解釈で施策を実行してしまう可能性もあります。

SNSでの話題になり方で、その情報のインパクトや性質の傾向を読んでみる

SEOに関する情報は、Webサイトへのインパクトが小さなものから、大きなものまでさまざまです。

まずは、自分で一次情報を読んで、その情報が自社サイトへのインパクトがどの程度もたらすものかを考えてみてください。

一方で、その情報がもたらすWebサイトへの影響は、SNSのSEO関係者の反応からも想像できたりします。

ここではざっくりとした傾向ですが、以下のようなニュースはSNSではそんなに大きく盛り上がらない傾向にあります。

  • 検索結果で四角く枠がつきました、のような、自分の手ではどうしようもないもの
  • そこまで順位にひびかなそうなもの
  • Googleのテスト段階の情報

SNSで盛り上がらないからと言って、一概に影響が小さいわけではありませんが、1つの参考にはなると思います。

(個人的にはこういったニュースはとても好きで、いつも皆様のテストに対する気付き、反応を拝見しております。影響範囲やSNSでの盛り上がりは、コアアルゴリズムアップデートなどに比べれば。という話です。)

例えば、今回Web Vitalsのニュースでいえば、海外サイトを中心にどんどんと記事のアップもありました。

Web Vitalsのスクリーンショット

記事を読んだ時点で大きな発表であることは内容から推測し、SNSや、海外サイトで話題になっていることから、やっぱり影響は大きいんだな、というのを確かめられますね。

もちろん、しっかりと内容を読んだ上で、判断するのが一番ですが、SEOを始めたてであったり、そんなに情報を追えない!という方は、こういった目線で把握するのもよいでしょう。

まとめ

今回はSEOに関する情報収集のポイントをお話しました。

ポイントは、

  • コンテンツ制作の際に意識しているE-A-Tの視点は、自信が情報収集する際にも活かせる考え方です。
  • 面倒でも一次情報に触れる習慣をもつことで、誤った情報に気づくことができ、自社サイトで大きなミスをしてしまうリスクを減らすことができます。

繰り返しにはなりますが、「自社のサイトに合わせて、情報を取捨選択する」のが鉄則ですし、なるべくは一次情報を翻訳し、自分なりの解釈を持つのが理想です。

とはいえ、そうは問屋が卸さないので、情報を押さえる勘所を磨き、適度なSEO情報との関係性を築いていきましょう。

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SEOはさまざまな情報が飛び交いますが、この記事が正しい情報を集めるヒントになれば幸いです。

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