“ながらSNS”をスマホでも、モバイルブラウザ「Smooz」に分割・小画面機能が新登場

「動画を観ながらWikipediaで調べ物」、「ゲームをしながらSNS」。僕を含む“ながら族“の皆さんにとってはちょっと嬉しいニュースがあるので紹介したい。

2016年の「TechCrunch Tokyoスタートアップバトル」にも登場したスマホブラウザ「Smooz」に分割・小画面機能が新たに登場した。Smoozを提供するアスツールによれば、モバイルブラウザが分割機能・小画面機能の両方を備えるのはこれが世界初という。

横スワイプのワンアクションでタブを切り替えることができるSmoozは、スマホでもPCのようにタブを複数ひらいて調べ物をしたいという人に最適なブラウザだ。そんな特徴から、ブラウザゲームをプレイしながらSNSに投稿したり、動画を観ながらネットで調べ物をするというユーザーが多いという。

分割・小画面機能はそんなユーザーからの要望がきっかけで誕生した新機能。これがあれば、タブの切り替えなしに複数サイトを同時に閲覧することができる。画面を上下に分割するのが「分割画面モード」。そして、YouTubeのモバイルアプリのように、画面の片隅に小さくWebページを表示するのが「小画面モード」だ。

この新機能は月額380円の有料会員に加入することで利用できるようになる。ただ、1週間に5回までは無料で利用可能だ。有料会員には本機能のほかにも、広告ブロック機能、プレミアムジェスチャー機能(無料で使える標準ジェスチャー5個のほかに、追加的なジェスチャー5個が使用可能)、かざして検索機能などの恩恵がある。2017年9月に追加された広告ブロック機能とかざして検索機能の詳細についてはこちらの記事も参考にしてほしい。

アスツールは、2016年2月に元楽天社員の加藤雄一氏が設立したスタートアップ。2016年9月にSmoozをローンチして以来、同ブラウザのダウンロード数は累計60万件を超えた。課金比率などは非公開だが、加藤氏によれば「前年比で10倍に伸びている」という。SmoozはiOSAndroidの両方で利用可能だ。

AIが次に読むべき記事をリコメンド、スマホにサクサクなWeb体験をもたらす「Smooz」に新機能

僕たちが1日に一度は触れるであろうスマホブラウザ。そこへPCのようにタブを複数開いて調べものをするという体験や、調べたいものをカメラにかざすだけで検索結果を表示する「かざして検索」など、イノベーションを起こそうとしているのがアスツールだ。そんな同社は4月18日、彼らが開発するスマホブラウザの「Smooz」にまたちょっと新しい新機能を追加した。

今回の新機能は、AIが次に読むべきWebページをリコメンドするというもの。そのときに読んでいるWebページの文字を自然言語処理にかけ、そのカテゴリーやキーワードを抽出。ユーザーが気に入るであろうWebページをリスト化してリコメンドする。例えば、野球の大谷翔平選手がホームランを打った、という記事を読んでいれば、大谷選手の他の試合の記事を自動でオススメしてくれる。

アスツール代表取締役の加藤雄一氏は、今回の新機能について、「YouTubeで動画を観ていると、右側におすすめ動画が表示されてどんどん観てしまう。そんな体験を作りたかった」と話す。

現在、数十万人の月間アクティブユーザー数をもつSmoozでは、1日あたり約300万ほどのWebページが読み込まれている。同社は、ユーザーがそのページを読了したか、スクリーンショットは撮ったか、などのデータも記録していて、そこからWebページの“質の高さ”を判別する。今回の新機能では、Webページの文章から得たユーザーの趣向に合い、かつ質の高いものから順にリコメンドしていく仕組みだ。

従来のウェブブラウザでは、何かしらのWebページにたどり着くまでにユーザー自身が適切なキーワードを選び、検索にかけるというステップがある。アスツールは、そのステップすらも排除して快適なWebサーフィン体験をスマホで実現する、というのだから、結構野心的な試みだ。

また、今回の新機能はアスツールのビジネスにも大きな意味をもつ。リコメンドする記事のなかにインフィード型の広告を埋め込むことで、今後は広告収入を得ることが可能になったのだ。もともとSmoozには、AIを使った検索クエリのリコメンド機能が備えられていた。今回の新機能によってAI活用という点では第二フェーズに突入したSmoozだが、プレミアムサービスへのユーザー課金以外に追加のマネタイズ手段を得たことで、アスツール自身も新たなフェーズへと進むことになるのだろう。

2016年3月に創業のアスツールは、同年9月にSmoozをローンチ。11月に開催したTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルにも出場している。2018年2月には、iOSおよびAndroid版の全世界配信も開始。今のところ、日本のほか、アメリカ、インド、アラビア語圏の国々でよく利用されているという。

加藤氏は、「新機能はまだ完全ではない。今年は新たな機能をさらに追加するのではなく、リコメンド機能の精度を上げることに注力する。また、グローバルリリースによって得た国ごとの細かなニーズに応えていくことも並行してすすめたい」と今後の戦略について語った。

スマホ専用ブラウザ「Smooz」が広告ブロックなどiOS 11対応アップデート、8500万円の資金調達も実施

モバイルブラウザ「Smooz」を提供するアスツールは9月20日、ファンコミュニケーションズ、およびユーザーローカル代表取締役の伊藤将雄氏らを引受先とする、8500万円の第三者割当増資の実施を発表した。伊藤氏からの出資は2016年8月のシードラウンドでの資金調達に続き、2度目となる。

またアスツールは、iOS 11アップデートに対応したSmoozのバージョンアップも同日発表。App Storeでの配信を開始している。新バージョンでは「広告ブロック」、「かざして検索」などの新機能が追加された。

Smoozはスマホ専用のブラウザアプリ。スマホでの片手操作を念頭に、新規タブをバックグラウンドで読み込み、スワイプで切り替えやタブを閉じることができる独特のタブ操作や、読んでいるページを解析してユーザーが次に検索したいであろう検索語を予測表示する機能、SNSでの反応をワンタップで呼び出せる機能などが備わっている。2016年末にはAppleが選ぶApp Storeの2016年ベストアプリの1つに選ばれた。

新機能の広告ブロックは、Smoozユーザーへのアンケートで最も要望が多かった機能とのこと。iOS 11のコンテンツブロックAPIを利用しており、iOS 11上で動作する。設定をONにすることで、ウェブページ上の広告が表示されなくなる。機能の利用には、月額380円のプレミアムサービスへの加入が必要だが、初月は無料で利用することが可能だ。

また、調べたいものにスマホのカメラをかざすだけで、最適な検索結果を提供する新機能が、かざして検索だ。これまでのSmoozのバージョンでも、QRコードを開く、文字を認識して検索する、撮影した画像に似た画像を検索する、といった機能はあったのだが、今回のバージョンでは、iOS 11のVision Frameworkと呼ばれる機械学習ライブラリを使って被写体を自動的に判別する「自動モード」が搭載された。こちらの機能も利用するにはプレミアムサービスへの加入が必要だが、月10回までは無料で利用できる。

アスツールは、2016年2月に元楽天社員の加藤雄一氏が設立したスタートアップ。2016年9月のSmoozローンチ以来、これまで日本のApp Storeのみでアプリを配信してきたが、Android版の提供やグローバルでの展開も視野に入れているという。今回の調達資金はこれらの展開を見据え、開発チームおよびカスタマーサポートチームの強化に活用していく、としている。