ついさっきAlexa(アレクサ)が米国時間9月15日の野球の結果を読み上げてくれた。これが素晴らしい理由は2つある。1つは、ダブルヘッダーの第2試合でオークランド・アスレチックスがシアトル・マリナーズを9対0でシャットアウトしたこと。もう1つは、それをSamuel L. Jackson(サミュエル・ジャクソン)の声で話したことだ。Amazon(アマゾン)の本拠地はシアトルなので、本稿では後者の事実に注目する方が会社は喜ぶだろう。
Alexaの責任者であるToni Reid(トニ・リード)氏とRohit Pradad(ロヒト・プラダード)氏は米国時間9月16日のDisrupt 2020の壇上で、このスマートアシスタントの歴史や最大の障壁、そして未来について語った。さらに二人はこの場を利用して、史上最高の興行収入を上げた俳優が、自分の声をウェイクワードにしたことを公表した。サミュエル・ジャクソンのセレブボイススキルをインストールすると、Alexaユーザーは「パルプ・フィクション」のスターをデフォルトの音声にすることができ、「Hey Samuel」(ヘイ・サミュエル)がウェイクワードになる。
私は今週Echo Showでこのスキルを使っているが、なかなか楽しい。ただし、決してファミリー向けとはいえない。本物のサミュエル・ジャクソン同様、普通のAlexaよりも汚い言葉をかなりよく使うのでインストールには注意が必要だ。ほとんどのコマンドは標準のAlexaのセリフをジャクソンの声にしただけだが、映画「スネーク・フライト」で機内の爬虫類について質問したりすると、ちょっとしたお宝話が聞ける。彼は自身の最近の作品についてはあまり詳しくないようだ。
Alexaへのサミュエル・ジャクソン氏のボイススキルの追加は、Google(グーグル)がJohn Legend(ジョン・レジェンド)氏とIssa Rae(イッサ・レイ)氏をセレブボイスに採用したのに続くものだ。両社とも、ちょっとしたスターの力がバーチャルアシスタントにユーザーを引きつけておく大きな力になると信じている。中でもジャクソン氏は、知名度においても目新しさにおいても最高の選択だと私は思う。この人を超える名前をあまり思いつかない(オバマ?オプラ?ピーウィー・ハーマン?)。
アマゾンが伝えたかった話の1つは、第二のウェイクワードを設定するのがどれほど難しいかということだった。サミュエル・ジャクソンのスキルは以前にもあったが、ユーザーは 「Hey Alexa, ask Samuel」などと言わなくてはならなかった。スマートアシスタントの伝言ゲームのようなものだ。正直なところこれでは新規性がたちまち薄れる。
「Alexaのウェイクワードは毎週何十億回もやり取りされる」とAlexaの機械学習担当シニアマネージャーであるShiv Vitaladevuni(シヴ・ビタラデヴニ)氏が投稿に書いた。「しかし、ウェイクワード 『Hey, Samuel』の学習データはほとんどない。『Hey, Samuel』とAlexaという複数のウェイクワードモデルを作るためには、過去の学習を利用するだけでなく、新しい学習方法とデータモデリング技術を開発しなくてはならなかった」と語っている。
画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )