米中西部最大の食料品スーパーのひとつであるThe Kroger Co.,が、インディアナポリスのスタートアップClusterTruckとパートナーして、オンデマンドデリバリーとゴーストキッチンのブームに乗ろうとしている。
数年前から投資家の心を捉えているゴーストキッチンのようなものは、スーパーマーケットがその適地のように見える。そして、スタートアップ企業のビジネスモデルが大手のナショナルブランドの関心を呼ぶのもこれが初めてではない。むしろ大手は、このトレンドを利用しやすい位置につけている。
たとえば、さまざまなミールプレップ(meal-prep, 食事準備, 洗浄裁断味付け済みの料理材料キット)は数百万ドルを調達したが、その後大手食料品スーパーが真似をした。今ではお店の至る所にミールプレップキットがある。そしてスーパーマーケットには何十年も前から、熱々のお惣菜コーナーもある。
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KrogerはClusterTruckとの今回のパートナーシップで、昨年行ったパイロット事業を拡張している。そのパイロットでは、インディアナ州カーメルとインディアナポリス、およびオハイオ州コロンバスの参加店に100平米近くを用意し、ClusterTruckのスタッフがデリバリーと店売り用に料理を作った。
Krogerの生鮮担当グループ副社長Dan De La Rosa氏が、声明でこう言っている。「Krogerは顧客に、業界トップの知見と変化のためのテクノロジーに支えられた新鮮な食品とショッピング経験を提供し続けている。ClusterTruckとのパートナーシップで新たに導入されたオンプレミスのキッチンは、注文と準備とデリバリーの流れを効率化するイノベーションであり、新鮮なレストラン級の料理を手早く求める、絶えることのない顧客の要求に応じようとするKrogerをサポートする。とくに今は、前例のない健康危機であり、生活のあらゆる部分、中でも特に食事が影響を受けているから、なおさらである」。
Krogerによると、このパートナーシップは、デジタルのデリバリーと販売への移行を継続的に有効利用していく企画の一環である。今年の第二四半期には、デジタルの売上が100%以上成長した。
ゴーストキッチン(ないしクラウドキッチン)が投資家の関心を捉えたのは、Uberの共同創業者で元CEOのTravis Kalanick氏が1億ドルあまりを調達して、それをUberの次の大きな賭けにしようとしたからだ。そのビジネスモデルへの関心と投資が、急激に高まった。それは、企業が料理の仕込みと保存のためのスペースを、フードトラック志願者やデリバリー起業家に提供する、というモデルだ。KalanickのCloudKitchensはその後数億ドルを調達し、カリフォルニア州パサデナに競合企業Kitchen Unitedを産んだ。
ダークキッチンやクラウドキッチンであるだけで成功する、という考え方に納得しない人もいる。TechCrunchの私の同僚たちは、利益率に関するWeWork的な想定に依存しているとして、このアイデアを酷評している。
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でも、このモデルが成功する要因が何かあるとすればそれは、既存のインフラストラクチャとデジタルの効率との組み合わせだ。Krogerは、それに賭けているようだ。
少なくとも興味深い実験ではあるし、追ってみる価値はある。