遺伝子検査サービスなどを提供するジェネシスヘルスケアは8月21日、楽天を引受先とした第三者割当増資を実施し、総額14億円を調達したと発表した。これにより楽天CEOの三木谷浩史が同社の社外取締役に就任する。
ジェネシスヘルスケアは今回調達した資金をシステム・研究開発、広告活動、人材開発・育成の強化などに充当するとしている。
約3万円の費用で360項目の疾患リスクを判定
ジェネシアヘルスケアは、個人向けの遺伝子検査キットを販売するほか、法人向けの遺伝子検査サービス、医療機関向けの生活習慣リスク判定サービス、「Genebank」というDNA保存サービス(万一の際の身元確認などに利用)などを展開している。
同社が2017年8月1日にリリースしたばかりのプロダクトが、遺伝子検査キットの「GeneLife Genesis2.0」だ。価格は2万9800円。360の検査項目でユーザーがもつ疾患リスクや身体的特徴を判定する。
具体的には、生活習慣病や心筋梗塞などの疾患リスク、シミやシワが出来やすいなど肌のタイプ、自分の体質に適したダイエット方法などを知ることが可能だ。
検査結果はGenesis2.0の専用アプリ(iOS/Android)で見ることができる。
ジェネシスヘルスケアによる遺伝子の累計解析回数はこれまでに50万回以上。同社は遺伝子解析サービスの提供を通じて約52万人分の遺伝情報データを保有している(2017年8月現在)。
今回の出資に際し、楽天CEOの三木谷氏はプレスリリースのなかで、「日本が抱える医療費削減や健康意識向上などに向けた課題解決には、ジェネシスヘルスケアの遺伝子解析のような未来技術を活用し、社会にセルフメディケーションの概念を浸透させていくことが必要」だとコメントしている。
ジェネシスヘルスケアは2004年の設立。外資系投資銀行に勤務していた佐藤バラン伊里氏が、夫のデビット・バラン氏とともに共同創業した。
ジェネシスヘルスケアと同様に遺伝子検査サービスを行う企業として、国内ではDeNAライフサイエンス、先日ユーグレナの完全子会社となることを発表したGenequestなどがある。
ジェネシスヘルスケアは2015年7月にも資金調達を実施。同ラウンドに参加した投資家は三井物産とFounders Fundで、総額6億2000万円を調達している。