オンオフ使えるスキャナーScanSnap iX1300登場、2つのスキャン方式でコンパクトでも多彩な書類に対応

「働き方改革」の旗の下、その歩みは遅いように感じられたDX。しかし新型コロナウイルスの蔓延というネガティブな追い風ではあるが、リモートワーク、在宅勤務は一気に進み、現在も多くの企業で採用されている。

とはいえ、その歩みは途中。業界にもよるが「完全」デジタル化の実現が構造的に難しいケース多く、仕事において「紙」がまだまだ欠かせない企業もある。そんな紙をデータ化、オンラインで仕事を完結させるようにするプロダクトがスキャナーだ。最近では、家庭においても紙をスキャンしてデータ化し、スマホなどで確認するという人も増えてきているという。

PFUの人気ドキュメントスキャナーシリーズの新製品ScanSnap iX1300が発表された。在宅ワークや家庭での書類最適だというiX1300のポイントはコンパクトであること。あまり広い場所を確保できない自宅でも、A4サイズほどのスペースで利用できる(本体は幅296×奥行114×高さ87mm、利用時に全開にすると奥行247mm×高さ242mm)。毎分30枚(A4カラー/300dpi)の高速読み取りが可能な「Uターンスキャン」と厚手の紙やA3の大きな書類も読み取れる「リターンスキャン」の2つのスキャン方法を採用。いずれにしても読み込んだ書類が手前に排出されるため、書類のセットなどのためにイスを立ったりすることなく座ったままできる。

また、利用時にPCなどを立ち上げる必要なく、本体のボタンを押し、書類をセットするだけでスキャンされるため、機械が苦手な人は子どもでも操作することができる。

さらにスキャンデータをPCやスマホに直接データを送ったり、連携したDropboxやGoogleドライブ、Eight、free、マネーフォワード クラウドにそのまま送ることもできる。

発売は10月8日から。カラーはホワイトとブラックの2色。価格は税込3万5200円となっている。

読み取りが最大33%高速化したドキュメントスキャナー「ScanSnap iX1600 / iX1400」実力チェック

PFUはパーソナルドキュメントスキャナー「ScanSnap iX1600」と「同iX1400」を2021年1月19日に発表、1月22日より販売開始した。両製品はScanSnapシリーズ史上最速の毎分40枚の読み取り速度を実現した新機種。iX1600は4.3インチタッチパネル液晶を搭載した「同iX1500」の後継にあたるフラッグシップモデル、iX1400はタッチパネル液晶とWi-Fi機能を省きUSB接続専用とすることで低価格を実現した高コスパモデルだ。

左がiX1600(税込5万2800円)、右がiX1500(税込4万1800円、いずれもPFUダイレクト価格)

スキャナーの最重要スペックの読み取り速度をアップグレード

前述のとおりiX1600はiX1500の後継モデル。今回進化したポイントは、ドキュメントスキャナーで最も重要なスペックである読み取り速度だ。自動解像度モード / ノーマル(150dpi) / ファイン(200dpi) / スーパーファイン(300dpi)で30枚・60面/分から40枚・80面 / 分へと33%、エクセレント(600dpi)で8枚・16面 / 分から10枚・20面 / 分へと25%高速化されている(※解像度はすべてカラー / グレーの場合)。

iX1600とiX1500はこれ以外のスペックは基本的に変わらない。外観、サイズ、重量も同一だ。ただしタッチパネル液晶のデザインが変更され、またiX1500で限定色だったブラックが標準色として用意された。

なお、USBインターフェイスの表記が、iX1600は「USB 3.2 Gen1」、iX1500は「USB 3.1 Gen1」となっているが、これは発売時期による呼称の違い。どちらも通信速度5Gbpsの「USB 3.2 Gen1x1」が採用されており、パフォーマンスに違いはない。

一方、iX1400はスキャナーとしての基本性能はフラッグシップモデルのiX1600と同等。省略されているのは、タッチパネル液晶、Wi-Fi通信機能、添付ソフトの「Kofax Power PDF Standard」「Kofax Power PDF Standard for Mac」。PCやMacにUSBケーブルで直結する必要があり、細かな操作や設定作業は「ScanSnap Home」で行なわなければならないが、マイナス1万円の高コスパが魅力である。

iX1600はタッチパネル液晶、iX1400はScanボタンを操作部に用意。どちらもPCまたはMac用ソフトウェア「ScanSnap Home」から操作できる

背面ではiX1600とiX1400の見分けはつかない

トレーを全開にしたときの奥行きは494mm、高さは293mm

iX1600はタッチパネル液晶のデザインがiX1500から変更。ボタンの配置が整理されたほか、左上のアイコンから接続するデバイスやユーザーを簡単に切り替えられるようになった

Wi-Fi機能非搭載のiX1400はUSBケーブルでPCまたはMacと直結する必要がある

専用ソフトウェア「ScanSnap Home」の記事作成時における最新バージョンは「2.0.20.3」。「フォルダに保存」「メール送信」「プリンタで印刷」画面で、スキャンしたイメージデータを編集する機能などが追加されている

これはiX1600の同梱物一覧。ACアダプター、電源ケーブル、USBケーブル、ガイド、説明書などの基本的な構成は同じ。ただし、iX1400には「Kofax Power PDF Standard」「Kofax Power PDF Standard for Mac」のライセンスは省かれている

iX1600とiX1500のスキャン速度を実測

さて、iX1600は読み取り速度が最大33%高速化されていると謳われているが、実際にどれだけの性能アップを果たしているのだろうか?今回A4サイズのカラーカタログ20枚を使用して、iX1600とiX1600のスキャン速度を比較してみた。

結果は下記のグラフのとおり。スキャンが終了するまでの所要時間はiX1600が31.75秒、iX1500が42.08秒、スキャンデータがPCに保存されるまでの所要時間はiX1600が33.13秒、iX1500が44.73秒となった。実際、読み取り中の動作音や用紙を飲み込む速度も明らかに違う。大量のドキュメントを一気に読み込む際に大きな恩恵を受けられるはずだ。

カラーモードは「自動」、画質設定は「自動」でスキャンを実施。なお、両製品ともにWi-Fi 5(11ac)の無線LANルーター経由で、Windows 10搭載ノートPC(Core i7-11370H)と接続している

iX1600とiX1400のどちらを買うべきか?

iX1600とiX1400のどちらを購入するかは悩ましい選択。使いやすさという点では当然タッチパネル液晶を搭載したiX1600のほうが上。セットアップは画面に手順が表示されるので簡単だし、紙詰まりなどのトラブルが起きたときにも対処方法が画面に表示されるのでわかりやすい。ドキュメントスキャナー初心者にお勧めなのは間違いなくiX1600だ。また、複数ユーザーで共有したり、クラウドサービスと連携して活用したいのならWi-Fi非対応のiX1400は選択肢からはずれる。

しかし筆者は現在iX1500を利用しているが、タッチパネル液晶で操作するのは「Scanボタン」を押すときぐらい。紙資料をどんどんPCに取り込んで、データ化したいだけならiX1400でまったく不足はない。

繰り返しになるが両機種にスキャナーとしての基本性能に違いはない。最新ScanSnapの利便性を最大限に享受したい方、または現時点でどのように活用するか定まっていない方はiX1600、ドキュメントスキャナーをある程度使い込んでおり用途が決まっている方はiX1400を選ぶことをお勧めする。

「名刺・レシートガイド」を使えば、サイズの異なる用紙もまとめてスキャニングできる。確定申告のための膨大なレシートを前に呆然としている方に、iX1600とiX1400が頼もしい相棒となってくれることは間違いない

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タグ:PFUレビュースキャナー

(文:ジャイアン鈴木)

在宅勤務で人気のドキュメントスキャナーScanSnapに新モデルiX1600登場、有線接続で安価なiX1400もラインアップ

SnanSnap iX1600

新型コロナでリモートワークが続く中、ドキュメントスキャナー需要は大きくなっている。それまでも働き方改革の一環で仕事環境のデジタル化は進められていたが、現在も注文書や請求書などの紙が業務上、存在している職場も多い。アナログな紙を使った業務のデジタル化は、リモートワークのためだけでなく、業務効率化のためにも避けられない取り組みだ。

法人向けから個人向けまで、高性能なドキュメントスキャナーで支持を集めるPFUのScanSnapシリーズに新製品「SnanSnap iX1600」と「SnapSnap iX1400」が登場する。

ワンタッチで書類などをスキャン、データ化するScanSnapシリーズの最新フラグシップモデルSnanSnap iX1600は、4.3インチのタッチパネルを搭載。不慣れな人でもタッチパネルで直感的に操作できる。ユーザー切り替えを簡単に行えるため、複数人で共有も快適だ。

また、Wi-Fi / 有線でのパソコンと接続可能で、同社が提供するScanSnap Cloudを利用すれば、本モデルのみでスキャンできる。シリーズ史上最速の毎分40枚の高速スキャンが可能で、大量のデジタル化が必要な業務では作業時間の大幅な短縮が期待できる。

SnanSnap iX1400

同時発売されるSnapSnap iX1400はUSB接続専用モデルだ。タッチパネルはなく操作用のボタンを1つ備える。デザインだけでなく操作もシンプル。スキャンしたデータは有線接続されたパソコンに保存されるため、機密性の高い業務にも最適だ。スキャン性能はフラグシップモデルであるiX1600と同等で、毎分40枚の高速スキャンが可能となっている。

基本的なサイズ、デザインは2モデルとも前フラグシップであるiX1500と同様で、前面のフタを上げて書類をセットする。カラーはiX1600が白と黒、iX1400は白のみの展開となっている。

A4までの書類(手差しスキャンでA3 / B4書類にも対応)や名刺、レシート、紙焼きの写真などもスキャン可能。両面スキャンにも対応している。無料で利用できるPC用ソフト「ScanSnap Home」はスキャンデータの管理やDropboxやGoogle Dribe、Eigghtや会計・個人資産管理サービスなどに直接データを送る連携設定なども行うことができる。

2021年1月22日に発売開始。SnanSnap iX1600は税込5万2800円(PFUダイレクト価格)、iX1400は税込4万1800円(PFUダイレクト価格)となっている。

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