ストックホルムを拠点とするUniversal Avenueは、現地に住むの営業員を必要な時に必要な人数だけ採用できるサービスを展開するスタートアップだ。普段は顧客企業の手助けをする同社であるが、同社が今回発表したディールは、彼ら自身のためのものだ。現地時間7月11日、Universal AvenueはシリーズAにおいて1000万ドルの資金調達を完了したことを発表した。約1年前に行われた、シードラウンドの「延長戦」で調達した500万ドルなどを合わせると、同社の合計資金調達額は1700万ドルとなる。
今回のラウンドをリードしたのは、Fidelity Internationalの自己勘定投資部門であるEight Roadsだ。他にも、Universal Avenueの既存出資者であるNorthzoneやMOORなども今回のラウンドに参加した。
Universal Avenueの共同創業者兼CEOのJohan Jiljaとの電話インタビューによれば、同社のマーケットプレイスには3つの参加者が存在する。まず第一に、現地に住むセールスパーソンたちだ(同社は彼らを「ブランド・アンバサダー」と呼んでいる)。Universal Avenueを通してセールスの仕事を手に入れ、そこから歩合制の収入を得ることが彼らの目的となる。次に、B2Bのオンライン/デジタル企業だ。SaaSを提供する企業などがその例であり、新しいマーケットへの進出を考えていたり、マーケット調査をしたりする際にUniversal Avenueを利用するのだ。そして最後の参加者は、そのようなデジタル・サービスを購入することでメリットを得る可能性のあるローカルのビジネス・オーナーたちだ。
ほとんどの場合、B2Bのビジネスが対面の営業抜きで相手の意思決定者にアプローチするのは難しい。このことがSaaSを提供する企業やスタートアップがビジネスを拡大する際の足かせとなっており、Universal Avenueはこの問題を解決することを目指しているのだ。
B2Bビジネスが事業を拡大する際、進出先の国や地域に支社を構えたり、地元のエージェンシーにアウトソーシングするという手段が一般的だ。このような方法にはコストやリスクが伴ってしまう一方で、Universal Avenueのオンデマンド・モデルではそのリスクを抑えることが可能なのだ。
Universal Avenueはプラットフォームを利用する顧客企業と、それに見合ったレベルの営業員をマッチさせるためのマーケットプレイスだ。だがLiljaによれば、それぞれのクライアントには専属の営業員がつくようなシステムになっているという。それを考えると、そのようなシステムでは人材を有効活用できず、純粋なオンラインのマーケットプレイスよりもスケーラビリティに欠けるのではないかという意見もありそうだ。しかしLiljaによれば、いったん第一回目のトライアルが終わったあとは、比較的スムースにリピートを獲得することができているという。
新しいマーケットで自らの製品やサービスをテストしようとしている企業に対して柔軟な選択肢を提供しているという点で、Unibersal Avenueが他企業の事業拡大の手助けとなっていることは間違いない。Universal Avenueのユーザーは、顧客を実際に獲得することができて初めて利用料金を支払う必要がある。このオンデマンド・モデルによって、通常であればユーザーが負うべきリスクを代わりにUniversal Avenueが、ひいては歩合制で報酬を得る営業員が背負うことになるからだ。
Universal Avenueは今回調達した資金によってイギリス市場でのさらなる成長を目指すと当時に、今年後半にはアメリカ市場にも進出する予定だとしている。同社はイギリスの他にも、スペイン、ギリシャ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドでビジネスを展開中で、これまでに顧客としてSpotify BusinessやDripApp、Shopifyなどを獲得している。
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