ミラーレスカメラが未来に向かって加速するなか、中判カメラは過去に立ち返られせてくれる。ハッセルブラッドはその中心だ。最新のデジタルバックは1950年代に遡るレンズを装着できる。907Xの小さなボディーは、想像しうる最高の先祖還りだ。
本日6月20日に発表された新システムは、多くの人が馴染みのあるものとは少々異なる。キヤノン、ニコンなどの一眼レフやオリンパス、富士フイルムなどのミラーレスカメラのようなレンズ交換システムは、レンズとボディーという2つの部分から成り、ボディーの中にイメージセンサーがあるのがふつうだ。
ハッセルブラッドもそういうカメラを作っていて、実際今日もX1D II 50C(この名前を覚えられるものだろうか)という最高級機を発表した。しかし、それ以上にずっと私の興味をひいたのは、CFV IIデジタルバックと907Xカメラボディだ。
一般の一眼レフと異なり、デジタルバックは事実上巨大なセンサーだ。かつて中版のフィルムが置かれて光を集めていた場所に装着する。しかし、これ以外に膨大なピクセル(この場合は5000万画素)を処理する重労働を引き受けるカメラユニットが必要だ。
すばらしいのは、最新のバックとカメラユニットに数十年前のレンズを装着できること。新しいレンズを使うこともできるが、なぜ?中判カメラの楽しみははるか昔の機械を使って1世紀前に誰かが撮ったときと同じやり方で写すことにある。
ハッセルブラッドが今日発表したシステムは史上最もコンパクトで、必要な処理能力をレンズ自身とほとんど変わらない大きさの筐体におさめている。背面の高解像度タッチスクリーンは45度と90度に跳ね上げ可能で、ウェストレベルや角度のあるところからも撮影できる。昔と同じように。
単なる懐古趣味だと言う人もいるだろうが、これは興味深い撮影方法であり、自然な撮影よりも綿密な構図に焦点を絞ったカメラだ。しかもみなさん、こいつはご覧の通りハンサムだ(トップの写真はスクリーンが見えるようにカメラを回転したところ。通常はレンズの反対側を向いている)。
価格と発売時期は後日発表されるが、安くはないはずだ。カメラとバックで4000~6000ドルくらいと思っていればよいだろう。
たぶん私が買うことはないが、かつての中判カメラの撮影体験を、表面的ではなくここまで正確に再現する方法が存在することを知っただけでも満足だ。実に素晴らしいハードウェアの一品であり、ハッセルブラッドの歴史から判断できるとすれば、すばらしい写真を撮ってくれるに違いない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )