ブラウザは退屈になってきた。特にGoogleがChromeを立ち上げた時期にみられたイノベーションの突風の後、過去数年の間に進み方は鈍化している。私たちは、Yandex、Brave、Vivaldiといった小さなプレイヤーたちの興味深い実験を目にしてはきたが、最大手のプレイヤーたちは自身のやり方にしがみついたままだ。だが、中国企業のコンソーシアムに昨年売却されたOperaが、Opera Neonを立ち上げて変化を起こそうとしている。WindowsとMacで動作するこの実験的デスクトップブラウザで、モダンなブラウザのあり方を再考するつもりのようだ。
Neonを開いた瞬間に、普通に見かけるブラウザーとは異なっていることに気が付くだろう。(URLバーの概念は残されているものの)タスクバーやブックマークバーは存在していない。上部にタブが並ぶ代わりに、画面の右側に丸いバブルが並べられる。ブラウザは自動的にデスクトップの背景イメージを取り込んで、ブラウザの新規タブページの背景イメージとして使う。
画面の左側には、音声や動画の再生をコントロールできるサイドバーも置かれる(そこからメディアをポップアウトすることもできるので、他のタブをサーフィンしている間も視聴を続けることができる)。同じサイドバーの上には、スクリーンショットを扱うためのツールと、最近ダウンロードしたものにアクセスできるツールも置かれている。
大きくて広い画面を使っている人のために、Opera Neonでは同じウィンドウの中に2つのブラウザタブを横に並べて配置することもできる(iOSやAndroidの分割画面表示と同様のものだ)。
私は昨日からOpera Neonを試しに使っている。今のところメインブラウザを切り替えるつもりはないが(特に今は何のプラグインもサポートされていないので)、興味深い概念の提示という役割は果たしている。例えば、私はこれまでChromeやFirefoxのサイドタブプラグインに慣れ親しんだことはないが、タブが画面の横にあっても気にしない(サイドタブに熱烈なファンがいることは認識している)。また私はNeonにも登場している、Operaのポップアウトビデオ機能も大好きだ。標準のOperaデスクトップブラウザと同じように、NeonはBlinkエンジンを使っているので動作も軽快だ。
とはいえ私にとって、ブックマークページの機能を兼ねているNeonの新規タブページを好きかどうかは微妙だ。ブックマークにアクセスするには、新しいタブを開くよりも簡単な手段が欲しいと思う。現在は、まず(そうしたくなくても)新しいタブを開き、その新規タブの中のブックマークを更に開かなければならない。もし(特にブックマークバーを介して)ブックマークに強く依存している場合には、良いやり方とは感じられず、すぐに必要以上に沢山のタブを開く結果になってしまう。また私はブックマークをフォルダで整理したいのだが、現在のOpera Neonではサポートされていない。公平を期すために言うならば、Neonはパワーユーザーのためのものであるとは自称していない(もしそうしたものを探しているのなら、Operaの元CEOによって始められたVivaldiをチェックしてみよう)。
Opera自身はNeonが「コンセプトブラウザ」であることを強調している。既存のOperaブラウザを置き換えることは意図されていない。「とはいえ、Neonに含まれる新機能のいくつかは、この春にOperaに追加されることになるでしょう」と同社は本日(米国時間12日)の発表で指摘している。
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(翻訳:Sako)