認知症による資産凍結を防ぐ家族信託サービス運営のファミトラが総額約14億円のシリーズA調達

認知症による資産凍結を防ぐ家族信託サービス運営のファミトラが約14億円のシリーズA調達、サービス開発と採用・組織体制強化

家族信託(民事信託)サービスの「ファミトラ」を運営するファミトラは12月15日、シリーズAラウンドにおいて総額約14億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、Eight Roads Ventures Japan、Coral Capital、DG Daiwa Ventures、Aflac Ventures LLC(アフラック・イノベーション・パートナーズが支援)、東京海上日動火災保険、みずほ銀行など。累計資金調達額は約17億円となった。

家族信託は「大切な家族の資産を家族で守る」ための仕組み。家族信託では、資産の所有者(委託者)と、家族など信頼できる人(受託者)との間で、資産の管理を委託する契約を交わす。契約締結後は、受託者が信託財産の形式的な所有者となり、信託契約書の定める通りに資産の管理・運用・処分を行うことになるため、たとえ委託者が契約締結後に認知症を発症しても、資産が凍結されることはない。信託する資産の種類や、どのように資産を管理するかを、委託者の意向に沿って柔軟に設定できるという点が、家族信託の特徴となっている。

ファミトラは、高齢化が進む日本で、認知症者の資産凍結がより深刻な社会問題になると予測されることを背景に「簡単に・早く・安く」家族信託を始められるサービスを提供。ITによるオペレーションで効率化と低価格化を実現し、家族信託の組成に必要な信託契約書の作成、専用の銀行口座の開設、不動産登記手続きなどをサポートする。認知症発症前に家族間で資産の管理を委託する契約を交わすことで、本人の意向に沿った柔軟な財産管理を可能にする「家族信託」が、より身近な選択肢になるためのサービスを展開している。

今回調達した資金は、採用・組織体制の強化とサービス開発に充当される。家族間の資産管理を行ないたい方との接点となる、保険会社や銀行、介護事業者、証券会社などとの連携に取り組み、家族信託のDXを加速させることで「家族信託があたりまえの選択肢になる世界」を目指す。認知症による資産凍結の事前対策としての家族信託の周知、家族信託関連サービスやビジネスの創出、さらなるマーケットの拡大を図りたいという。