オフィス労働者を置き換えるロボットたちが大きな価値を生み出す

【編集部注:著者のJoanna GlasnerはTechCrunchの寄稿者である】

今でも多くの人たちが、オフィスに座って繰り返しの仕事を行うことによって給料を得ている。しかし近年では、雇用主たちは、その仕事を機械に委託する方法を見つけようと躍起になっている。

ベンチャーと成長企業への投資家たちは、これらのワーカーボットの増加を加速するために多くのことを行っている。これまでのところ、今年彼らは数億ドルの資金を、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)の開発者たちに注ぎ込んできた。RPAとはこれまで人間によって行われていた一連の仕事を行ってくれるソフトウェアを表現するための用語だ。

プロセスオートメーションの資金調達活動は先週大いなる盛り上がりを見せた。この分野のリーダーの1社であるニューヨークの企業UiPathが、2億2500万ドルのシリーズCラウンドを行ったからだ。このラウンドを主導したのはSequoia CapitalAlphabet’s CapitalGである。これにより、この設立13年の企業が調達した資金は合計で4億ドル以上となり、最新の評価額は30億ドルを超えた。

RPAに関わるスタートアップや成長企業に対する、Crunchbaseによる資金分析によれば、今年はこの分野全体が活気をみせてきたことが示されている。少なくとも7つの大型取引によって、総投資額は6億ドルを超えるまでになっているのだ。

以下に示したのは、この分野における大規模なラウンドのいくつかを取り上げたものである:1

UiPathはその分野に対して、壮大なビジョンと素晴らしい成長率を誇っている。新しく入ってくる従業員たちに示されるその広大な目標は「人間を退屈で反復的な作業から解放する」ことだ。

そして世の雇用主たちは、彼らの従業員たちを解放するために、気前良く支払いを行う。UiPathは、この21カ月の間に、年間収益が100万ドルかた1億ドルへと急成長した。これはエンタープライズソフトウェア企業として、真に驚くべき成長率である。

RPA分野における、また別の大きなユニコーンであるAutomation Anywhereも、急速拡大モードに突入している。同社によれば、顧客はそのツールを幅広い産業分野で利用していると言う。例えば電子カルテデータの統合や、住宅ローンアプリケーションの合理化、そして複雑な購買注文書の記入などである。

人びとは問いたいかもしれない:ボットが彼らを面倒な作業から解放した今、従業員たちは一日何をすれば良いのだろうか?UiPathやその他のRPA分野のプレイヤーたちからの、一般的に繰り返される反応は、彼らのソフトウェアによって労働者たちは、より価値の高いプロジェクトに集中する時間をとることができるようになるので、仕事自体はさほど減少しないというものだ。

それは広義には正しいのかもしれない。しかしこの種の自動化に起因する広範な雇用喪失を予測する雇用動向が多数存在しているのだ。それはレイオフの形を取るかもしれないし、そうではないかもしれない。企業が本当に、ボットによって置き換えられた既存の従業員を、実際に他のより価値の高い職種に移行させる可能性はある。しかし、もし彼らがそうしたとしても、RPAは将来的な求人を減らす可能性がある。

とは言うものの、私たちの多くが将来仕事を得ることができるか否かに影響するかもしれない一握りの高成長企業たち(RPAベンダー)に対しては、多額の資金が集まり雇用も大いに行われているのだ。

  1. RPAに対する包括的な資金調達額を算出することは難しかった。なぜなら多くのスタートアップたちはオートメーションを、コアフォーカス分野としてではなく、より広いサービスセットの一部として提供しているからだ。

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(翻訳:sako)

画像クレジット:Bryce Durbin