美容グッズのネットショップGlossierの役員だったHenry DavisとBryan Mahoneyの両氏は昨年、Arfaと呼ばれる新しいeコマーススタートアップを立ち上げた。そして本日(米国時間3/24)は、その企業のビジョンと新しい名前、新しい資金調達、そして買収を発表した。
まず名前から: 今後このニューヨークのスタートアップはChordと呼ばれる。会長兼COOになったDavis氏によると、その名前は、このスタートアップが今や単なるD2Cのブランドではなくて、自分たちのテクノロジー(eコマースのためのバックエンドインフラストラクチャ)を提供することにフォーカスしていることを表す。同社自身が扱うブランドについては、後日発表するそうだ。
CEOのMahoney氏によると、このプラットホームはeコマースを開きたい各ブランドに「コマース・アズ・ア・サービス」を提供する。言い換えると、企業がヘッドレス・コマースの世界へ移行し、フロントエンドのショッピング体験は自前で作っても、バックエンドのeコマースインフラストラクチャは既存のサービスを有料で使うようになると、Chordがそのために必要なニーズをすべて提供する。そこには複数のプロダクトと機能があり、コンテンツ管理や顧客データのプラットホーム、受注管理なども揃っている。
Davis氏が言うのは、そういうeコマースの運営者は、データのインフラストラクチャが不十分で、しかもますます複雑でマルチチャネルのビジネスになっていくから、自分のコアビジネスに関して妥協とトレードオフを迫られる。やるべきことに対して、その技術基盤がない。Chordは、彼らがそうならないようにしたい。「あなたのテクノロジースタックはちゃんとここにあってあなたをサポートできますよ」、とDavis氏は説明する。
Chordの創業者Henry DavisとBryan Mahoney。画像クレジット: Chord
そしてヘッドレスコマースのスタートアップは増えてきたけど、Davis氏によれば、現状のeコマースでは「みんなが同じツールを使って同じことをして競争している。他と違ったヘッドレスソリューションが同じツールにアクセスしているのでもない。それに対してわれわれは、他と差別化できる、より良いコマース・バックエンドを提供したい」、という。
Chordが提供する差別化の例としてMahoney氏は、顧客データのプラットホームが完全で漏れがなく、プラットホーム全体からデータを一箇所に集める「単一の分析レイヤ」が提供される、と言っている。
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同社は、デンバーのeコマースデータのスタートアップYaguaraを買収した(価額は非公開)。Davis氏によるとYaguaraのチームがChordに加わったことによって、eコマースバックエンドのデータとデータ視覚化の部分が強化される。
また同社はこのほど、シリーズAで1800万ドルを調達している。Crunchbaseによると総資金額は2500万ドルだ。なお、そのラウンドはEclipse Venturesがリードした。
Mahoney氏によると、同社のビジョンは「ヘッドレスコマースのStripeとして知られるようになり、彼らがインターネット上の決済を強化するインフラストラクチャを作ったように、ヘッドレスコマースの創成と運用を強化したい」という。
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(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: jayk7/Getty Images