割り勘もお店の支払いも1つのアプリで、AnyPayが店舗で使える「ペイモ QR 支払い」を発表

最近、店舗で使える決済サービスや個人間送金ができるアプリがいくつも出てきているが、支払う相手が店舗か個人かによって使うサービスを変えるのは不便だろう。割り勘や個人間送金のためのアプリ「paymo(ペイモ)」を提供するAnyPayは、個人間の送金に限らず、店舗でもアプリを使って支払いができるようにしたい考えだ。

AnyPayは本日、QRコードを使って店舗での支払いができる「ペイモ QR 支払い」を発表した。7月より順次対応店舗を増やし、7月下旬より正式リリースする予定だ。

ペイモの機能についてはローンチ時にお伝えしたが、簡単に説明すると、レシートの写真を添付して飲み会の会費などを相手に請求することができ、請求を受け取った人はクレジットカードで代金を支払うことができるアプリだ。

相手から受け取ったお金は銀行口座に引き出すか、別の割り勘が発生した時に使うことができる。ただ、そんなに頻繁に割り勘する場面がやって来るとは限らないし、残高が少額の場合、その使い道に困ってしまうこともあるだろう。

AnyPayは、ペイモ QR 支払いにより、お店でもペイモを使えるようにすることでペイモの利用シーンを広げたい考えだ。

店舗はウェブ上で商品を登録して専用のQRコードを発行し、メニューなどにQRコードを印刷しておく。ペイモ払いを希望する人にそのQRコードを提示し、ペイモで読み込んでもらうだけでいい。

ペイモではPOSレジを設置する必要もなく、ウェブから登録するだけですぐに導入できる。また現時点では、店舗がペイモ払いを導入するのに料金はかからない。将来的には決済手数料を導入する可能性もあるとAnyPayの広報担当者は説明する。

ペイモのユーザーは、通常の個人間送金の場合と同じようにペイモに残っている残高、あるいは登録しているクレジットカードで支払いができる。

AnyPayは、すでに都内数店舗のカフェや飲食店での導入が決まっていると説明している。今後、野外でのイベントなど、現金での支払いが多い場所でペイモ QR 支払いの導入を進めていくという。

今後の展開として、店舗側に顧客の属性や購買データを可視化する機能、DM配信やCRM機能なども提供する予定とAnyPayの広報担当者は説明している。

個人間送金に加え店舗での支払いができるサービスには他にもLINE PayOrigamiなどがある。また、2017年6月上旬、Appleが開催したWWDCで、AppleはiMessageでの個人間送金とApple Payが連携できるようになると発表している。Appleの機能はまだ日本では利用できないが、こうした決済サービスが普及すれば、いよいよ日本でもキャッシュレス化が進むかもしれない。

 

 

 

AnyPay、ウォレットアプリ「ペイモ」を発表──割り勘など友人間の支払いを想定

paymo

TechCrunch Tokyo 2016にも登壇した連続起業家・木村新司氏。木村氏が立ち上げた決済サービスのスタートアップAnyPayでは、11月17日、割り勘など、友人間のお金のやり取りに利用できる決済スマホアプリ「ペイモ(paymo)」を発表、事前登録サイトでの申し込み受付を開始した。サービスの提供開始は12月中旬を予定している。初期費用や月額費用は無料で、キャンペーン中は利用手数料も基本無料となる。

AnyPay社では、URLをメールなどで送ることで個人間で商品・サービス購入の決済ができるサービス「AnyPay」を9月1日にローンチ済み。木村氏は「サービスは順調に伸びている。今までの決済サービスと違うところは、友だち間での支払いに使われているところ。我々はそこを追求していきたい」と言う。

ペイモではスマホアプリ上で友だちを選んでお金を払える。SNSのような友人管理や、メッセンジャーもあり、海外で先行する決済アプリ「Venmo」に似た機能を備えているようだ。ユーザーは支払いの場面では登録したクレジットカードを利用し、受け取ったお金は別の支払いに利用するか、登録した銀行口座へ振り込むことができる(振込手数料は必要)。「飲み会の割り勘など、スマホで友だちと現金いらずでお金のやり取りをしたい、というニーズを解決したい。(URLを作成して送る、というAnyPayの仕組みから)もっと簡単にしていきたい、というのがペイモの大きなコンセプト」と語る木村氏は、「ペイモでは、通販などの決済によくある“遠く対遠く”の支払いだけでなく、近くの人との間でスマホ決済ができることを目指している」という。

「メルカリなどでも単に品物とお金のやり取りで終わらず、お金とコミュニケーションが近づいてきている。我々が対象とするのはお金がコミュニケーションとともにある世界。それをスマホで完結できるようにしたのが今回のペイモ。友だち機能やコミュニケーション機能は大切にしたい」(木村氏)

スマホ決済サービスは、海外でVenmoやWeChat Payなどが既に展開されているが、日本で同様のサービスを行うには大きく二つの課題がある。一つ目は、送金サービスとして決済機能を提供する場合、事業者は資金移動業者としての登録が必要で、またユーザーも本人確認が可能な個人情報を提出する必要がある点。これについて、木村氏はこう説明する。「(個人が)決済サービスを使うときに、単に送金するシーンというのはなくて、何らかの対価があるはず。となるとそれは“送金”ではなく、通常の通信販売と同じ“支払い”を扱う決済だ。お金だけが動く場面は(我々のサービスでは)想定していない」(木村氏)

もう一つの課題は、日本ではアメリカや中国と異なり、預金口座と紐付いて現金決済ができるデビットカードがまだ普及しておらず、銀行からスマホアプリに“お金”を移す手段がクレジットカード中心であることだ。こちらについては、「ウォレットとしてできるところから始めていきたい」と木村氏は話す。「クレジットカードで完結する決済は、カード手数料がネックとなって広がりがなくなってしまう。飲み会の割り勘代を受け取るのにいちいちカード手数料を払わなければならなかったら、誰も使わなくなる。受け取ったお金は別の支払いに使ったり、現金として受け取れるようにして、そこはクリアする」(木村氏)

サービス発表と同時に開始された事前登録では、総登録者数に応じて、ローンチ後に実施される友だち招待キャンペーンで受け取れる「ペイモポイント」の数が変動する、事前登録キャンペーンも実施している。ペイモポイントは支払いに使えるほか、指定した口座で現金としても受け取れるという(この場合も振込手数料は必要)。「とにかくサービスを使ってもらって、スマホに“お金”が貯まる状態をまずは作る。貯まってきたら、今度はそのお金を店やサービスで支払いに使いたくなるはず」(木村氏)paymo_cp

ペイモについては「各国の環境に合わせて調整は必要だが」と断った上で、海外展開も考えているという木村氏。一方、AnyPayの正式ローンチ時のインタビューでは、フリマアプリ進出にも言及していた木村氏だが、今回のインタビューでは「物販では決済より、個人がトラフィックを集めたい、というマッチングのニーズの方が高い。だがAnyPayの“支払い”という場面で見ると、フリマや通販のような“遠く対遠く”より“近く対近く”で使われていることが多い。フリマについてはメルカリラクマに任せて、近くと近くで使われる支払い機能の便利さを追求する」と話している。