コワーキングの最大手で、かつては評価額が470億ドル(約5090億円)だったこともあるWeWorkは、上場中止やCEO辞任といったトラブルに続き新たな問題に直面している。
問題は米国とカナダでWeWorkのコワーキングスペースを利用しているユーザーに影響を与えるものだ。10月14日に同社は、WeWorkのスペースに設置された約1600室の電話ボックスで基準値を越えるホルムアルデヒドが検出されたと発表した。
電話ボックスの製造メーカーの責任だとWeWorkは表明している。問題の電話ボックスは、共有スペースが満杯のときに人に聞かれずに電話ができる場所として提供されている。
「利用者から異臭や目がひりひりするなどの連絡を受け、WeWorkは分析を行い、外部コンサルタントによるさまざまな試験を実施した。先週遅くに結果を受け取った後、影響を受ける可能性のある電話ボックスをすべて利用中止とした」と同社がメンバー宛てのメールに書いた。どのボックスが安全かを知りたいメンバーは、WeWorkの各ロケーションに連絡するよう同社はコメントしているWeWorkは、代わりに利用できる場所として会議室や未使用のオフィススペースなどを提供する予定とのこと。
ホルムアルデヒドは建造物のさまざまな材料に使われている薬品で、「高濃度のホルムアルデヒドを短時間吸入すると鼻、喉、呼吸器系に一時的な炎症が起き、咳や息切れを伴うこともある。こうした症状は一過性であることが多く、ホルムアルデヒドの発生源を除去することで鎮静されるのが普通だ」とWeWorkのメールに書かれている。「高濃度のホルムアルデヒドに長期間露出すると発がんの恐れがある。詳細情報は労働安全衛生局のFAQで読むことができる」。
メールには、健康に不安のあるWeWorkのメンバーは医者の診察を受けることが推奨されている。TechCrunchにメールをくれたある情報提供者は「焼けるような目の痛み」を経験したと訴え、
チームの他のメンバーも同じ問題を経験したと言っていた。WeWorkのスペースのうち問題の起きている場所がいくつかあるのかは現時点でわかっていない。
WeWorkは一部の電話ボックスが「数カ月間」設置されていたというだけで、メンバーがどれだけの期間、高濃度のホルムアルデヒドに接していたかの詳細情報は提供していない。「影響を与える可能性のあるボックスは過去数カ月間に設置されたが、正確な時期は場所によって異なる」とWeWorkは書いている。
また、ホルムアルデヒドへの露出レベルは、当然電話ボックスの利用頻度によって異なる。米国以外のWeWorkスペースがこの問題の影響を受けているかどうかについて質問したが、回答はまだ得られていない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )