書き起こしもやってくれるボイスメモアプリRecocoなら録音の大事なところだけ聞き返せる

記事を書くという仕事柄、インタビューを録音しておくことが多いのだけれど、録音データの問題は後から大事な部分が見つけづらいことだ。1時間分も録音データがあると、インタビューアーの数秒の発言がどのタイミングにあったか探すのに苦労する。今回、録音データの聞き返しを楽にするボイスメモアプリRecocoを試してみたので紹介したい。

Recocoは音声を録音しながら、自動で文字起こしを行い、簡単なタグとメモ機能がついているボイスメモアプリだ。Recocoを立ち上げて「録音をはじめる」ボタンを押すと、録音と書き起こしが始まる。録音画面の下部に「区分け」「ToDo」「お気に入り」のボタンがあり、音声の途中でちょっとしたメモやタグを残すこともできる。話題が変わった時に「区分け」タグ、タスクが指示された時に「ToDo」タグ、あとでもう一度聞きたい内容に「お気に入り」タグをつけることを想定していると、Recocoを開発する藤坂祐史氏は説明する。

Recocoの特徴は、録音中に付けたタグから簡単に録音内容を振り返ることができる点だ。保存したデータを開くと、右側に録音データを時系列を表すタイムラインがあり、そこから「ToDo」や「お気に入り」をどこに付けたかが一目で分かる。スライダーを動かすことで、すぐに聞きたい箇所に移動でき、書き起こされた文字も連動する。録音の再生倍率を変えることも可能だ。

今回、藤坂氏のインタビュー時にRecocoを使ってみた。正直なところ、アプリの書き起こしの精度は高いとは言えない。ただ、自動書き起こしであらかたの内容が分かるのと、自分で付けたタグ から聞きたい部分がすぐに分かるので記事を書く際、インタビューを聞き返すのに役立った。

ちなみに藤坂氏によると、書き起こしの精度はマイクの精度にもより、外付けのマイクをつけると改善する場合もあるとのことだ。

藤坂氏は、今年の春に筑波大学大学院に進学した。Recocoはもともと授業の復習に役立てるために開発した「Recture」アプリが元になっているという。授業を聞いている時は納得していても、数日経つと手書きのメモだけではどういう文脈だったか思い出せないことがあるだろう。Rectureは授業の録音データに「重要」や「質問」などのタグやメモを入れることで大事なところを分かりやすくし、電車の中でもバスを待っている時にも聞き直し、復習を促進するためのアプリと藤坂氏は話す。ただ、授業中に板書が忙しいとアプリにメモが残せないなど、Rectureをうまく活用できない場面もあり、そうした点を改良して汎用的に使えるRecocoを制作したそうだ。

Recocoは2017年2月にリリースし、ダウンロード数は1万まで伸びたという。また、Recocoは2016年度の未踏IT人材発掘・育成事業に採択されている。今後は、パソコンで取ったメモと音声データとを連動させたり、話している人を識別してテキストを起こしたりする機能を付け加えたいと話す。Recocoのマネタイズも考えているが、Recocoはまだ自分の納得できる品質ではなく、インターフェイスや音声認識の部分を磨きたいと藤坂氏は話している。

RecocoはiOSで利用できる。