iOS向けマンガアプリの「マンガトリガー」を運営するナンバーナインは8月28日、パチンコ遊技機などを開発する東証1部上場のフィールズから資金調達を実施したと発表した。金額は非公開だが、調達額は億単位に上るという。同社は今回のラウンドで、総額2億円規模の調達を目指すとしている。
同社は今回の資金調達を通じ、フィールズが持つ知的財産やマンガ制作のノウハウを活かしたコンテンツ開発力の強化、およびレコメンドシステムの開発を目指す。
マンガトリガーのコンセプトは「漫画のセレクトショップ」。毎年1万点以上の新刊が市場に並ぶと言われるマンガ市場だが、その膨大な数の中から厳選したオススメ作品をユーザーに届けるというのがそのコンセプトの意味だ。
編集部からのオススメだけでなく、サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏や堀江貴文氏(自身もファウンダーとして参画)といった「マンガ好き」の著名人たちのオススメ作品を読めるというのも特徴の1つだ。
ナンバーナイン代表の小林琢磨氏は「マンガトリガーはあえて掲載する作品を絞る事で、他の漫画アプリでは埋もれてしまっている良質な作品をピックアップし、著名人のオススメなどの後押しをすることで、出会った事の無い面白い漫画に出会える機会を作っている」と語る。
現在、マンガトリガーには約100作品が掲載され、同アプリのダウンロード数は現在約5万6000件。MAUは約1万4000人だ。
読者ごころをくすぐる料金体系
広告を表示する代わりに無料でマンガを読めるという競合アプリも存在するが、マンガトリガーは1枚120円のコインを購入する課金方式を採用している。そのため購読中に広告は表示されない。
ただし、マンガトリガーでは一部作品を除いて、「24時間待てば1話分を無料で読める」という機能を導入している。これはいわば本屋での“立ち読み”的な機能だ。
「どんな内容なのか分からないから、ちょっと見てみたい」というユーザーの希望をかなえながら、「面白ければ早く読むために課金する」というアクションを起こさせるうまい仕組みだと思う。
今後の展開について小林氏は、「今後は性別や年齢、趣味嗜好に合わせてTOP画面に掲載される作品を変えたりといった独自のレコメンド機能を実装していく。レビューなどのキュレーションメディアとしての側面も強化したい。」と語る。
ナンバーナインは2016年11月の設立。2017年4月にはEast Venturesと個人投資家などから3500万円を調達している。