JR東日本スタートアッププログラム2021がDEMO DAY開催、スタートアップ賞はメトロウェザー、優秀賞はカミナシと207

「JR東日本スタートアッププログラム2021」DEMO DAYが開催、スタートアップ賞はメトロウェザー、優秀賞はカミナシと207

JR東日本が100%出資するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)「JR東日本スタートアップ」は12月8日、駅や鉄道などの経営資源を活用したビジネスサービスの協業提案を募る「JR東日本スタートアッププログラム2021」のDEMO DAYを開催し、各受賞事業者を発表した。最優秀賞となる総合グランプリ「スタートアップ賞」には、メトロウェザーが選ばれた。また「優秀賞」はカミナシ207が受賞。「審査員特別賞」はミーチューARKが受賞した。

「JR東日本スタートアッププログラム2021」の採択事業者

各受賞事業者と協業内容は次のとおり。

スタートアップ賞(総合グランプリ):メトロウェザー

「JR東日本スタートアッププログラム2021」DEMO DAYが開催、スタートアップ賞はメトロウェザー、優秀賞はカミナシと207

小型・高性能ドップラーライダーによる支障物検知

独自の信号処理技術による小型・高性能ドップラーライダーを活用し、線路内の支障物検知を行う。線路内作業の安全性向上と、将来的な自動運転など鉄道現場への導入を目指す。

優秀賞:カミナシ

「JR東日本スタートアッププログラム2021」DEMO DAYが開催、スタートアップ賞はメトロウェザー、優秀賞はカミナシと207

身の丈DXによる車両メンテナンス3.0の実現

紙による作業記録をデジタル化するノーコードツール「カミナシ」を活用し、鉄道車両メンテナンスのDXを実現。単純に紙の帳票をデジタル化するだけでなく、作業工程全体をデジタル化しつなぎ合わせることで、車両メンテナンス3.0を実現する。

優秀賞:207

「JR東日本スタートアッププログラム2021」DEMO DAYが開催、スタートアップ賞はメトロウェザー、優秀賞はカミナシと207

駅を物流拠点としたラストワンマイル配送ビジネスの実現

駅の遊休地を活用して、配送品を集積。それをギグワーカーがまとめてピックアップすることで、安価かつスピーディーな配送が可能になる。JR東日本の駅を「ラストワンマイル配送の物流拠点」として活用することを目指す。

審査員特別賞:ミーチュー

ファンコミュニティー・プラットフォームを活用した鉄道ファンコミュニティーの形成

ファンコミュニティー・プラットフォームを活用した鉄道ファンコミュニティーの形成

ファンコミュニティー・プラットフォーム「Mechu」を活用し、限定イベントへの参加、撮影した鉄道写真の投稿が行える「撮り鉄コミュニティ」、沿線・地域を支援できる「地域支援コミュニティ」を立ち上げ、鉄道・沿線ファンとの密なコミュニケーションによるプロセスエコノミーを実現する。

審査員特別賞:ARK

小型閉鎖循環式陸上養殖による安心安全な究極の地産地消モデルの構築

小型閉鎖循環式陸上養殖による安心安全な究極の地産地消モデルの構築

超小型の閉鎖循環式陸上養殖設備「ARK」は、駐車場約1台分の大きさで、IoTによる自動化で省人・省力での水産養殖が可能。遊休資産を活用して新たな地場産業を生み出す。まったく新しい人と食の流れを生み出し、究極の地産地消モデルの構築を目指す。

JR東日本が鉄道ファンのための「撮り鉄コミュニティ」をスタート、JR東日本スタートアッププログラムの実証実験

JR東日本が鉄道ファンのための「撮り鉄コミュニティ」をスタート、JR東日本スタートアッププログラムの実証実験として実施

JR東日本は11月10日、鉄道写真の愛好家、いわゆる「撮り鉄」に向けた情報発信や限定企画の開催などを行うファンコミュニティー「撮り鉄コミュニティ」をスタートさせた。

JR東日本の子会社としてベンチャー投資や協業を推進するCVC「JR東日本スタートアップ」は、ファンコミュニティーが作れるプラットフォーム「Mechu」を運営するミーチューと共同で、撮り鉄のためのファンコミュニティーを11月10日から開始した。ここでは、ファンの要望を聞き、また社員を交えて企画を検討するなどして、「本当に望まれるイベント」を実施するという。

たとえば、コミュニティ限定撮影会、ファンが撮影した鉄道写真をJR東日本の公式ポスターに採用する、ママ鉄専用コミュニティー、普段は入れない私有地での撮影イベントといったアイデアの例がJR東日本によって示されている。ただしこれはあくまで例であって、実施に行われるかどうかはわからない。

参加方法には、無料の「フリー」プランと、月額税込1100円の「スターター」プランとがある。有料会員には、今のところ、限定チャンネルへの参加、イベントや企画に対する要望の投稿、実現したイベントへの参加、限定企画などが予定されている。

JR東日本が鉄道ファンのための「撮り鉄コミュニティ」をスタート、JR東日本スタートアッププログラムの実証実験として実施

車両基地撮影会(場所・車両はイメージ)

何かと問題が注目されがちな「撮り鉄」には、ちょっとネガティブなイメージが付きまとうが、JR東日本は、あえて「撮り鉄」という言葉をコミュニティーに使うことで、安全に撮影できる場所を提供するなど「鉄道写真を愛するファンのみなさまと、積極的にコミュニケーションを取る」としている。

この企画は、駅や鉄道、グループ事業の経営資源や情報資産を活用したビジネスやサービスの提案を募り実現させてゆく「JR東日本スタートアッププログラム」の実証実験として行われるもの。近日中に第2弾のファンコミュニティーも開始するとのことだ。