インドの億万長者アンバニ氏所有のインド小売り大手Reliance Retailが1000億円超を調達

インドの億万長者であるMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏が所有する小売業のReliance Retail(リライアンス・リテール)は9月9日、ベンチャーキャピタルのSilver Lakeから10億2000万ドル(約1080億円)を調達すると発表した。グループ会社のJio Platformsが200億ドル(約2兆1170億円)を調達してから数カ月間に活発な資金活動を進めていた。

Silver Lakeは、この投資によりインド最大の小売チェーンであるReliance Retailの1.75%の株式を取得することになる。親会社であるReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)の声明によると「今回の取引はReliance Retailの資金調達前の価値を570億ドル(約6兆円)と評価している」とのこと。

先月、インド第2位の小売チェーンであるFuture Group(フューチャーグループ)の一部を買収したReliance Retailは、全国に1万2000店舗を展開している。3月に終了した会計年度では7億2640万ドル(約770億)の純利益が報告されている。ここ数四半期、石油小売大手のReliance Industriesは、電子商取引の分野に参入することでReliance Retailのリーチをさらに拡大しようとしている。

また、Jio PlatformsとReliance Retailの合弁会社であるJioMartは、インド国内200の都市や町に展開している。Silver Lakeの共同CEO兼マネージングパートナーであるEgon Durban(エゴン・ダーバン)氏は声明で「特にインドでは、世界各国とともに新型コロナウイルスの感染蔓延との戦いが繰り広げられていますが、このような短期間でのJioMartの成功は前例のないものであり、最もエキサイティングな成長フェーズはまだ始まったばかりです。Relianceのニューコマース戦略は、この10年で最も大きな変革をもたらすものとなる可能性があります」と述べている。

本日の発表により、Silver Lakeはインドの大富豪アンバニ氏への賭けをさらに広げることになる。メンロパークに本社を置くこのベンチャーキャピタル(プライベートエクイティ)企業は、今年初めにもJio Platformsに13億5000万ドル(約1430億円)を投資している。9月8日には、インドのEdTech大手Byju’sへの5億ドル(約530億円)の投資ラウンドもリード(未訳記事)した。

アンバニ氏は声明で「私はSilver Lakeとの関係を拡大し、インドの小売部門で全国のインド人消費者に価値を提供しながら、何百万人もの小規模加盟店と包括的なパートナーシップを構築するという私たちの変革的な取り組みを喜ばしく思います。テクノロジーは、小売エコシステムの様々な構成要素が協力して包括的な成長プラットフォームを構築できるように、この分野で切望されている変革をもたらす鍵になると信じています。Silver Lakeは、インドの小売業のビジョンを実現する上で、かけがえのないパートナーとなるでしょう」と述べている。

Silver LakeのReliance Retailへの投資は、今後数週間のうちにさらに数人の著名な投資家が追加投資を行うことになるでしょう。アンバニ氏は、7月に行われたReliance Industriesの年次総会で、「今後数四半期のうちにReliance Retaiにグローバルなパートナーや投資家を迎え入れる」と述べていた。なお7月には、アマゾンがReliance Retaiと9.99%の株式取引を行う(未訳記事)と地元メディアが報じていた。

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)