ライフタイムベンチャーズが最大10億円規模の2号ファンドを設立

ライフタイムベンチャーズは8月13日、インキュベイトファンド、アフラック・イノベーション・パートナーズ、個人投資家より出資を受けたことを発表。2号ファンドを最大10億円で設立し、デジタルヘルス、インダストリークラウド、クロスボーダー・ジャパン領域へのシード投資を開始した。

ライフタイムベンチャーズは、プレシード/シード特化型ベンチャーキャピタル。代表パートナーの木村亮介氏は、インキュベイトファンドでの4年半の企業支援を経て、2017年1月に同ファンドを設立。1号ファンドでは、Rehab for JAPAN、ウーオ、IMCFなど9社の投資・支援を行ってきた。2号ファンドでは、プレシード・シード期の企業は1社あたり3000万円前後、シリーズA以降の企業にはフォローオン投資を含め1社あたり最大8000万円を投資し、ハンズオン支援を実施するとのこと。具体的には、週次で個別定例ミーティングを実施し、プレシード・シードステージのスタートアップ企業に必要とされる経営戦略の策定から実行支援までを行う。投資分野の詳細は以下のとおり。

デジタルヘルス分野では、ヘルスケアAI、ヘルスケアIoT、デジタル医療機器(SaMD)、医療機関向けSaaS/PaaS、介護事業者向けSaaS/PaaS、ライフサイエンス企業向けSaaS・PaaSなど、デジタルテクノロジーを活用した医療・介護・健康関連サービス全般を対象とする。

インダストリークラウド分野では、電力、物流、製造業、金融、不動産、教育、行政など、特定業界のデジタルトランスフォーメーションに特化したSaaS・PaaSなどのクラウドサービス全般を対象とする。

クロスボーダージャパン分野では、インバウンド宿泊・体験予約、外国人採用・研修、外国人居住・生活支援、越境D2Cコマース、越境決済プラットフォーム、多言語化対応SaaS・PaaSなど、日本を基軸としたインバウンドまたはアウトバウンド関連サービス全般を対象とする。

AI駆使で要介護者見守りや在宅透析治療管理、学生スタートアップが8000万円調達

METRICA(メトリカ)は、インキュベイトファンドとライフタイムベンチャーズ、およびエンジェル投資家を引受先とした第三者割当増資などにより、総額8000万円の資金調達を完了した。

METRICAは、慶應義塾大学に通う現役学生である西村宇貴氏らが立ち上げた医療系スタートアップ。高齢化により医療に対する需要が高まっている半面、国内の約40%の病院が赤字経営。しかも医師や看護師、介護士の労働時間は一般企業に比べて極めて長時間。そのため人件費がかさむ。同社は、この悪循環をAIを駆使して解決することを目指す。

人手不足を補う手段の1つとして海外からのスタッフの受け入れがあるが、言語の問題で情報の共有が難しい。そこでMETRICAは、外国人介護スタッフ向け電子介護記録を開発。具体的には、医療・介護向けにチューニングした自動翻訳機能を備えた介護記録アプリと、サーバーサイドでの翻訳精度の学習機能により、情報の共有を容易にする。

要介護者がベッドにいるか、部屋にいるか、どれぐらいの速度で歩いているか、きちんと歩けているかなどをカメラとAIを駆使して分析し、転倒や夜間の離室、認知症による異常行動を検知するシステムも開発中だ。これにより、介護士が常時監視しなければならない精神的負担を軽減するという。

さらに近年増加傾向にある透析患者向けのソリューションもある。知的財産権を申請中とのことで具体的な仕組みは不明だが、在宅での腹膜透析をAIを利用して効率的に管理するシステムを開発中とのこと。

METRICAでは今後、これらのプロジェクトを提携パートナーと進めていくとのことで、今回の資金調達は開発チームを強化するための人材募集にあてる。