三井住友カードがポイント特化型プラチナカード「プラチナプリファード」を9月1日に発行開始、キャッシュレスを推進

三井住友カードは8月26日、従来のプラチナカードとしてのステータスはそのままに、メリットをポイントに凝縮させたポイント特化型プラチナカード「三井住友カード プラチナプリファード」を9月1日に発行開始することを発表した。

年会費は3万円だが、入会後3カ月以内に40万円を利用すると4万ポイントが還元されるほか、ベースポイントは1%、特約店利用でプラス1〜9%、海外利用でプラス2%、前年に利用実績に応じて継続特典として100万円ごとに1万ポイント、最大4万ポイントが付与される。メインのクレジットカードとして使うなら、年会費が実質無料になる利用者も多いだろう。

詳細は追って記載する。

Visa LINE Payクレカの受け付けは4月下旬から、初年度3%還元のほかNFC-A/Bのタッチ決済に対応

LINE Pay、ビザ・ワールドワイド・ジャパン、三井住友カードの3社は3月26日、4月下旬より「Visa LINE Pay クレジットカード」の申込み受付を順次開始することを明らかにした。

昨年にLINE公式アカウントで募集した先行案内受け取りの手続きを済ませたユーザーから優先的に申し込み方法などを案内していくという。なおそれ以外のユーザーの申し込みについては、4月20日以降に公表するとのこと。LINE Payカードと言えば誰でも審査なしで申し込めるJCBブランドプリペイドカードがあるが、Visa LINE Pay クレジットカードはクレジットカードのため審査が必要なほか、高校生を除く18歳以上でないと申し込めないので注意。

Visa LINE Payクレジットカードは、VISAブランドの物理的なクレジットカード。最大の特徴はLINE Payと連携させることで、LINE Payの決済手段としてVisa LINE Payクレジットカードが使えるようになる点。わかりやすく説明すると、LINE Payのこのカードを登録しておけば、LINE Payでの決済時にその決済金額がこのクレジットカードから落ちるようになる。PayPayなどでは当たり前の機能だが、LINE PayではこれまでクレジットカードからチャージにはLINEモバイルの決済などを除き原則非対応だった。

また、カード契約の初年度のみ決済金額の3%がLINEポイントとして還元される点にも注目だ。次年度以降は1%の還元となるが、LINE Payによると次年度以降も別のキャンペーンを用意しているという。さらにVisa LINE Payクレジットカードでの利用履歴をLINEの通知で逐次受け取れる機能も利用可能となる。ただし、LINE Payの決済にVisa LINE Payクレジットカードが使えるようになるのは5月から、決済履歴をLINEで通知可能になるのは今夏からとなる。

Visa LINE Payクレジットカードのもう1つの特徴は、VISAがグローバルで推進しているNFC-A/Bによる非接触決済機能を備えている点だ。対応店舗ではカードを読み取り端末にかざすだけで決済が可能になる。

残念ながら開催が延期になってしまったが、ビザや三井住友カードは東京五輪に向けてNFC-A/Bの非接触決済を国内に広めるべく、ローソンやマクドナルド、すき家、JapanTaxi、関西3空港(関西、伊丹、神戸)などで対応を進めてきた。イオングループでもNFC-A/B決済を順次導入しており、3月中にはイオン本体やイオンモール、ドラッグストアチェーンのウェルシア、コンビニエンスストアのミニストップなどグループ各店舗が対応を完了する見込みだ。イオングループが発行しているクレジットカードであるAEONカードについても、2019年春以降にNFC-A/Bのチップを搭載したカードが発行している。そして6月にはコンビニエンスストア最大手のセブン-イレブンもNFC-A/B決済に対応する。

こういった流れにVisa LINE Pay クレジットカードが参入することで、国内でのNFC-A/B決済の認知度と利用頻度のアップ、対応店舗の増加などが期待される。カードの概要は以下のとおりで、カードデザインはVISAのスタンダードデザインに準拠している。

  • 正式名称:Visa LINE Payクレジットカード
  • 国際カードブランド:Visa
  • 年会費:サービス初年度無料(次年度以降も年間1回以上のカードショッピング利用で無料)
  • ポイント還元:サービス初年度はLINEポイント3.0%還元(2021年4月30日まで)
  • 対象:LINE Payアカウントをもつ満18歳以上(高校生は除く)
  • 主な特徴:LINE Pay連携によるスマートフォン決済(5月1日開始予定)、Visaタッチ決済機能、LINEアカウント経由の決済通知(今夏開始予定)
  • デザインタイプ:スタンダードデザイン(ホワイト、グリーン、イエロー、ブラック、6月頃から順次開始予定)、東京2020オリンピックエンブレムデザイン(レッド、ブルー)

スタンダードデザイン

東京2020オリンピックエンブレムデザイン

ドトールが3月2日よりNFC-A/Bの非接触決済を導入、VisaやMasterCardなど主要ブランドを網羅

ドトールコーヒーは2月21日、ジェーシービー、三井住友カード、セディナと連携し、非接触IC決済サービスの導入することを発表した。3月2日から、全国のドトールコーヒーショップ、エクセルシオールカフェ、カフェレクセル、ル・カフェドトールで利用可能になる。

対応する非接触決済は、Visaタッチ、Mastercardコンタクトレス、JCBコンタクトレス、アメリカン・エキスプレス・コンタクトレスのNFC-A/B方式。加えて、クレジットカード決済も可能となり、非接触決済に対応する4ブランドほか、ダイナースクラブとディスカバーが利用できる。7大国際ブランドとしては中国銀聯(ぎんれん)以外はすべて利用できる。ジャパンネット銀行、ソニー銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行が発行するVisaのプリペイドカードについてはGoogle Payにも登録可能で、Android端末を使ってのNFC-A/Bでの非接触決済も可能だ。

ドトールでは以前から、SuicaやPASMOなどの交通系ICカード、iDやQUICPayでの支払いに対応しており、今回の非接触決済とクレジットカード決済の導入で支払い方法が大幅に広がった。なお、iDやQUICPayに対応している国内発行のクレジットカードは、従来どおりApple PayやGoogle Payに取り込むことでiPhoneやApple Watch、各種Android端末を使ってNFC-F(FeliCa)による非接触決済が可能だ。

三井住友カードが30年ぶりにクレカ刷新、複数の決済情報を管理できるWalletアプリなども発表

三井住友カードは1月15日、30年ぶりに刷新されたクレジットカード、複数の決済手段を1つのアプリに集約できるWalletアプリ、家族間でシェアできる家計簿アプリを発表した。

表面にカード番号のない新クレカ

新クレジットカードは、パルテノン神殿のイラストが入った従来カードからデザインを刷新し、前面記載が基本のクレジットカード番号や有効期限などの情報を裏面に集約、表面に刻印される個人情報は契約者本人のローマ字氏名のみとなる。つまり裏面には、従来のセキュリティーコードと自筆サインのほか、クレジットカード番号や有効期限がまとめて記載されることになる。

これによりカード決済時に背後や側面からの番号の盗み見などを防げるほか、オンラインショッピング時にカード番号を入力したあとにカードを裏返してセキュリティコードを確認・入力という手間がなくなるというメリットもある。対応する国際カードブランドはVISAとMastercardで、VISAブランドの場合はタッチ決済が可能になる。Mastercardのタッチ決済(コンタクトレス決済)には現在のところ対応しておらず、Mastercardと検討中とのこと。

さて、VISAのタッチ決済はNFC-A/Bが使われているが、従来使われているiDやSuica、EdyなどのNFC-F(FeliCa)決済についても引き続き対応していくという。国内では交通系ICカードによって普及したFeliCa搭載カードがよく使われているが、グローバルでのタッチ決済はType A/Bが主流ということもあり、今後はFeliCaの機能を残しつつもグローバル標準のNFC-A/Bの導入を推進していくようだ。各社との提携カードへのVISAタッチ決済の導入については「提携先の意向次第」とのことだが、セキュリティー面や海外利用時の安全面を考えた場合、VISAの新デザインルールに沿ったタッチ対応対応カードの要望は提携各社からも増えていくだろう。

一方で、VISAタッチ決済が利用できる店舗はまだまだ少なく、三井住友カードが提携している大手チェーン店では、ローソン、マクドナルド、ゼンショーなどにしか一括導入されていない。また同社は中小の小売店向けに2019年度からNFC対応のSquare端末を提供しており、磁気ストライプを読み込む旧型のイヤフォンジャック接続タイプから、ICチップを読み込む新型の据え置き型へのリプレースを進めているという。

新デザインのカードは、2月3日から新規発行で受け付けるほか、2月にカードの切り替え時期を迎える利用者のカードも順次切り替わるこの新カードの導入伴って同社は、年会費1250円が永年無料になるキャンペーンを実施する。新規入会ユーザーは、後述するアプリにログインすることで、決済金額の20%をもれなく還元するキャンペーンも始まる。ただし、還元上限総額1万2000円。さらに新規入会ユーザーは、50分の1の確率で利用代金が無料になる特典もある。

既存ユーザーについては、3月からはVISAのタッチ決済対応カードへの切り替え手数料が無料になり、タッチ決済の初回利用時にもれなく最大1000円をプレゼントするキャンペーンが提供される予定だ。

なお3月からは、インターネット経由で三井住友カードを申し込んだユーザーは、物理カードが届く前にスマートフォン上でカード番号やセキュリティ番号を発行でき、Apple PayやGoogle Payへの登録、オンラインショッピングでの決済ができるサービスも始まる。

WalletアプリがMoneytree APIを利用した資産管理アプリに進化

Walletアプリについては2020年3月にアップデートされ、カード利用履歴の確認、支払い口座残高の確認、各種変更手続きといった既存機能のほか、他社を含む複数のカードや電子マネーの決済情報を一元管理可能になる。この決済情報を一元管理する機能は、マネーツリーが開発・提供している資産管理アプリ「Moneytree」の技術が使われている。具体的には、三井住友カードのWalletアプリがMoneytree APIを経由して、Moneytree側のデータベースにある決済情報などを参照する仕組みだ。つまり、三井住友カード自体はクレジットカードや金融機関の決済や残高の情報を管理しておらず、あくまでもMoneytreeのデータとなる。Moneytreeは、プライバシー認証機構であるTRUSTeの認証を定期的に受けており、セキュリティー面での安全は保証されているので安心だ。なお、対応する金融機関はMoneytreeに準じる。

そのほかWalletアプリは、使いすぎや不正利用を防ぐセキュリティー機能や口座残高不足アラート機能も新たに備えている。カードを使用するとすぐに通知が届くので、自分以外がカードを使ったかどうかがすぐにわかるわけだ。なお、注意したいのは決済情報を集約できるだけで、同社のWalletアプリから直接決済できるわけではない点。ただし、VISAブランドの三井住友カードやプリペイドカードについては、Walletアプリ自体が三井住友カードのデータベースを参照しているので、プリペイドカードへのチャージなどはアプリ上から可能だ。

6歳から持てるVISAプリカと専用アプリで家族間もキャッスレスに

同じく2020年3月にリリース予定の家族間で共有できる「かぞくのおさいふ」は、クレジットカードとVisaプリペイドカードを活用して、家族内の資金移動をキャッシュレス化・可視化できる家計簿アプリ。成人や社会人にはクレジットカード、6歳以上の未成年や学生などにはVisaプリペイドカードを持たせることで、家族間の資金の受け渡しから店頭での決済までがキャッシュレスになる。

もちろん、クレジットカードとVisaプリペイドカードでの利用明細は記録されており、かぞくのおさいふアプリに集約される。Visaプリペイドカードを利用する家族は、チャージした金額しか使えないので、使いすぎや高価な商品を親の許可を得ずに買ってしまうという事態を避けられる。家族それぞれが現在所持している資金については「個々のおさいふ」で管理可能だ。決済時の通知機能、利用制限、オートチャージ、家族内送金機能なども備わっている。1回あたりのチャージの上限額は30万円。1カ月の上限は100万円。

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個人的には今回の発表で、VISAを皮切りにNFC-A/Bでのタッチレス決済を推進していく同社の意気込みを感じた。今後、NFC-F(FeliCa)は朝夕のラッシュ時に通勤・通学しなければならないビジネスパーソンや小中高生に中心に一定数残ると考えられているが、働き方改革やテレワーク、時差通勤の推進で満員電車に乗る人口も今後は減るはずだ。また、人口減少が進む日本の独自規格が今後グローバルに広がる確率は低い。国内の小売り業者や公共交通機関の事業者もまずは、FeliCaとNFC-A/Bに両対応した決済端末の導入を積極的に進めていくべきだろう。